水曜日に感染管理ナース(ICN)から、外科に入院している患者さん(80歳男性)が抗酸菌塗抹陽性です、と連絡がきた。最初事情が分からなかったが、経過を確認すると、そう慌てることもないと判断された。
胃癌術後で外科外来でフォローされていた。脱水症や食欲不振で何度か入院している、癌の再発はないようだ。昨年から胸部X線で右下葉に陰影があった。今年の5月に呼吸器内科の外来(専門病院からのバイト)を受診して、その先生の病院に精査目的で入院した。
気管支鏡検査で検体を採取した結果、mycobacterium aviumと診断された。結核菌は陰性だった。治療は、経過観察の方針となっていた。気管支鏡検査なので、信頼できる結果になる。
今回は(いつもの?)食欲不振で入院していたが、発熱があって、胸部X線・CTで新たな陰影も出ていた。右上葉背側(S2)の陰影が、4日くらいの経過で新たに出現していた。経過(速度)からは通常の肺炎(誤嚥性疑い)でいいようだ。
そういう経過なので、抗酸菌塗抹で陽性は当然だった。ただ結核菌とMACのPCRを確認する必要がある。金曜日に結果が出て、MAC陽性・結核菌陰性と出た。通常の抗菌薬投与で症状は軽快しているので、そのまま治療継続で経過をみてもらう。とりあえず個室管理にして、PCRで結核菌陽性と出たら慌てる(?)ことにしていたが、助かった。