約1か月前に内科クリニックから両側肺炎で紹介された84歳女性は、間質性肺炎が疑われた。当院外来からそのまま地域の基幹病院呼吸器内科へ紹介していた。
しばらく忘れていたが、先方の呼吸器科の先生から連絡が来て、ステロイドパルス療法の後にプレドニン内服にして病状は軽快しているという。外来通院でもいいが、高齢者の一人暮らしなのでしばらく当院でリハビリ入院をお願いしたいということだった。
昨日転院してきたが、元気そうで介護する家族がいれば自宅退院でもよさそうだった。労作時の息切れはあり、それは原疾患がそういうものだからある程度は仕方がない。約1か月程度入院でリハビリをしつつ経過をみることにした。
診療情報提供書にはステロイドパルス療法の後にプレドニンを30mg/日にしていると記載されていたが、具体的な処方の記載はなかった。看護師さんの方にも記載がないので、家族が病院薬剤師から説明を受けた時の書類をコピーした。プレドニンは25mg/日と5mg減量していて、PPIや元々の高血圧症・糖尿病の処方もあった。来週先方の病院に感染管理の相互評価で伺うが、「処方の記載がなかったです」と言っても、「あ、ごめ~ん」で終わるのであえて言わない(とってもいい先生です)。
2~4週おきにプレドニン5mgずつ減量と記載されているが、25mg/日に漸減したばかりの様で、しばらくその量で継続とした。順調にいけば20mg/日にして退院の見込みだ。リウマチ膠原病の検査がされていて、マーカーはいずれも陰性だった。特発性ということになる。
入院時の胸部X線・CT
軽快後の胸部X線・CT
両側の広汎なスリガラス様陰影は軽減しているが、胸膜直下には残っている。不整な牽引性気管支拡張が目立つ。
ステロイド治療前のHbA1cは6.9%だったが、すでに1か月で7.5%まで上昇している。DPP4阻害薬のみでは血糖コントロールできないので経口血糖降下薬の追加やインスリン(BOTなど)が必要になるかもしれない。第2肋間胸骨右縁に大動脈弁狭窄の心雑音が聴取されるので、心エコーも予定した。まあこういう微調整は当院にお任せくださいだ。
当院退院後は先方の病院の呼吸器内科外来に通院するよう言われていた。息子さんは東京から来ていて、通院の時は当地まで来て連れて行くつもりだった。息子さんは土日が休みで、土曜日の受診を想定していた。「外来は月から金の平日ですよ」と伝えた。当地にいる親戚(甥夫婦)に依頼できるかもしれないそうで、来月退院する時まで考えてもらうことにした。