なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

1日の変化

2018年05月11日 | Weblog

 昨日も地域の基幹病院呼吸器内科から、肺炎治癒後の廃用症候群・リハビリ目的で78歳代の男性が転院してきた。ひとり暮らしなので相当動ける様にならないと退院できない。患者さんの結婚歴4回というのはちょっと驚いた。

 当院入院から施設入所のコースも多いが、もともと在宅酸素療法や喀痰吸引を要するなど施設に回せない高齢者は、療養型病床のある病院へ紹介転院としている。

 療養型病床はすぐには空かないので、地域の基幹病院や専門病院からは中間的な預かり病院として当院に紹介されてくることが多い。ベット稼働率的には助かるが、一定の期間で次の病院なり施設に回さなければならない。高齢者をパスし合って病院経営が成り立つシステム?だ。

 

 内科の若い先生(地域医療枠で来ている専攻医1年目)が高熱の69歳男性を診ていた。「発熱の原因がわかりません」、という。数日前から咽頭痛・咳があり、耳鼻咽喉科外来を受診していた。咽頭は軽度発赤程度の所見しかないが、食欲低下もあるということで内科に回ってきたのだった。白血球数14000・CRP18.0と高値だ。

 胸腹部CTを検査していたので、すでに確認していた。両側下肺野に陰影があったので、「肺炎だね」と言ったが、「う~ん」と言っていたので信用されなかったかもしれない。心内膜炎疑いで心エコーと血液培養2セット提出もしていた。

 翌日もう1回胸部CTを検査していて、「肺炎でした」と言われた。放射線科の読影レポートは「肺炎がやや進行」と真面目に記載していた(前日のCTは読影依頼になっていないのでレポートなし)。

 肺炎の陰影が1日でこのように変化するという珍しい映像にはなった。尿中抗原は陰性で、喀痰培養は喀出できなかったので、起炎菌は不明になる。抗菌薬はアンピシリン・スルバクタムの点滴静注で、入院翌日には解熱していた。

 

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