なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎球菌肺炎など

2018年05月10日 | Weblog

 朝に当直医だった外科医から、朝方救急搬入された回転性めまいの88歳男性を診てほしいと頼まれた。頭部MRIで新規の脳血管障害はない。救急室に診にいくと、すでに回転性めまいは軽快していた。午前1時ごろトイレに行こうとして、突然回転性めまいが発症していた。頭痛・難聴(元々少しあり、増悪はなし)・耳鳴はなく、麻痺・失調もなかった。BPPVとして午後まで経過をみたが、すっかり良くなったので帰宅とした。

 当直医からは、「夜間に発熱で受診した65歳男性が、入院を勧めたが帰宅した。今日内科外来に来るよう言ってあるのでよろしく。」、とも言われていた。(クラリス内服を処方していた)患者さんは案外早めの時間にちゃんと外来を受診した。家族には入院するよう言われていた。絶対入院治療ではないが、糖尿病で治療していることもあり、入院が無難だ。喀痰は出なかったが、尿中肺炎球菌抗原が陽性だった。普通にセフトリアキソンで治療を開始した。

 午前中は救急当番で、さっそく救急隊から連絡が来た。74歳男性が電動草刈り機で自分の足の甲を切ったという。筋肉から腱まで切れていて、これはそのまま整形外科医にお願いした。ちょうど整形外科医2名で手術に入っていたが、30分で行けるということで、点滴・採血・X線検査をしていると、手術室から降りてきてくれた。

 次に心肺停止の89歳女性の搬入依頼が来た。自宅の玄関前で倒れているところを(散歩から帰ったらしい)、帰宅した家族が発見した。救急隊搬入時、心肺停止・瞳孔散大対光反射なしで、これは難しいと思った。心肺蘇生術をしながら搬入されたが、状態は同じだった。アドレナリンを2回入れたところで弱く心拍再開したが、すぐにまた心静止になり、あとは反応しなかった。AIでは、頭部CTで頭蓋内出血はなく、胸腹部CTで両側肺野に水腫・うっ血があり、冠動脈の石灰化が目立った。虚血性心疾患による急性心不全と判断された。

 ちょうど心肺停止の救急搬入があったころに、山間部の診療所から90歳女性を紹介したいという依頼がきた。当方は無理だったので、地域医療連携室は他の内科医に依頼した。後で話を聞くと、食べられない・動けないということでの紹介だった。四肢の明らかな麻痺はないが、左口角が下がっていて脳梗塞疑いと診療情報提供書にあった。頭部MRIで右基底核に新規の脳梗塞があり、ちゃんと診ているものだと感心した(自治医科大学の義務年限中の若い先生)。

 当直明けの外科医は、午前中手術に入っていた。お疲れ様です。

 

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