今日は91歳女性2名が急性腎盂腎炎で入院した。1名は高血圧症で治療しているが血圧が80台と低下していたが、点滴を開始して110台に上がっていた。血圧が低下している時も案外元気に話していたが、頻呼吸だった。
80歳男性が地域の基幹病院の呼吸器内科から転院してきた。18年前に左肺癌で肺全摘術を受けていた(医療センター)。その6年後に右肺に腫瘤が出現して、当院呼吸器科(当時はあった)で転移巣と判断されていた。
その後、地域の基幹病院の呼吸器内科外来に通院して経過をみていたそうだ。転移巣は次第に増加していて、どれも同じ大きさだった。反対側から原発性肺癌が出現したというよりは、やはり転移巣なのだろう(腹部にも原発巣なし)。今回は肺炎を併発して入院していた。酸素吸入を継続する必要もあり、家族は在宅酸素で介護するのも大変ということだった。あと1か月くらいと言われたそうだが、食事はとれるので、肺炎に管理がうまくいけばもう少しがんばれるかもしれない。
2月から循環器科ができたので、心不全は循環器科で診てもらえる。ただ両側肺に陰影があり、胸水が貯留しているような症例では。肺炎か心不全かという診断の問題がある。両者が併発していることもあるので、典型的な症例以外は迷うことが多い。
こちらは今日心不全で循環器科に入院した87歳男性で、画像で両側の肺うっ血・胸水貯留があり、発熱はなく、BNP高値だが炎症反応軽度だった。心不全でいのだろう。
こちらは一昨日内科に肺炎+心不全で入院した88歳女性で(他の内科医の担当)、発熱があり、BNP高値と炎症反応が高値だった。抗菌薬と利尿薬で治療されている。これは肺炎としても何肺炎か迷う。
心不全は陰影・胸水が両側均等で、発熱がなく、炎症反応陰性か軽度で、BNPが高値であってほしい。肺炎は陰影・胸水(胸膜炎か肺炎随伴性胸水)が片側で、発熱(高熱)があり、炎症反応が高値で、BNPが正常域か軽度上昇であってほしい。実際はそううまくいかない。