なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

感染巣の検索

2018年05月25日 | Weblog

 60歳代後半の女性が整形外科外来から紹介されてきた。変形性股関節症で手術予定だが、炎症反応の上昇があるそうだ。何しろ人工股関節置換術は無菌的な手術で、何らかの感染巣があって人工関節に感染をきたすと大変なこと(入れ替えか抜去)になるので、検索してほしいという。

 発熱はない。白血球数は正常域でCRP2.6だった。1年前前から整形外科外来に通院していて、患者さんは痛くて日常生活が大変なので手術してほしかったという。人工関節の寿命が20~25年だそうで、整形外科医からは70歳代なら手術すると言われていた。生きているうちに人工関節の寿命が来てもいいので、とにかく手術してほしいと希望した。

 股関節のX線とCTを見ると、見たこともないくらい骨頭の破壊が進んでいて、炎症反応が軽度に上昇してもおかしくないように思えた(個人の感想です)。頭痛・胸痛・腹痛はない。右股関節をかばうような動作になる関係で右膝関節も少し痛いというが、発赤・熱感・腫脹はない。他に四肢痛はなかった。

 術前検査と心エコーが施行されていて異常なし。血液検査でDダイマーが3.7と軽度上昇していたので、下肢エコーで深部静脈血栓症の有無を診ていたが異常なかった。このくらい股関節の問題で上がりそうな気もする(個人の感想です)。

 

 診察だけで感染巣はありません、というわけにもいかない。胸腹部のCTを行ったが異常は認めない。来週下肢MRI検査に来るので、血液検査を再検してみることにした。検査値が変わりなければ、血液培養も提出する(すぐ提出すべき?)。1年前の受診だが血液検査はこれまで施行されていないので比較ができない。

 

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