なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

マクロライド耐性マイコプラズマ肺炎?

2018年05月02日 | Weblog

 振替休日の月曜日(2日前)の当直帯で42歳男性が高熱(40℃)で受診した。当直の外科医から連絡がきて、日直が終わった後にそのまま病院に残っていたので、外来処置室に診に行った。

 1週間前の先週火曜日から発熱・咳があり、内科クリニックを受診した。インフルエンザ迅速試験は陰性で、風邪として処方を受けた。抗菌薬が処方されたが、クラリスだった。そこの先生はクラリスが好きでよく処方している。その日は日中に当番医の別の内科医院を受診して、クラビット(レボフロキサシン)が処方された。1回内服している。

 屈強な体型の男性で介護の仕事をしているそうだが、高熱が続いて食欲もなくなり、大分参っていたようだ。クラリスは効かなかったことになる。

 胸部X線で異常を指摘しがたいが、当直医は胸部CTを検査していて、中葉・舌区に淡いスリガラス様陰影が写っていた。「肺炎です」と言われた。最近の若い先生は優秀だ。これは気管支壁肥厚といえるのだろうか。白血球数6400・CRP9.5だった。肝機能障害などはない。

 マイコプラズマ抗原検査・肺炎球菌尿中抗原・レジオネラ尿中抗原は陰性で、RSウイルス・ヒツメタニューモウイルス迅速試験までやってみたが陰性だった。マイコプラズマと肺炎球菌以外は余計な検査なのだろう。翌朝まで点滴をして血液培養2セットも出してしまった。

 食欲がなく内服できなくはないが、クラビットの点滴静注で経過をみることにした。入院翌日の昨日も高熱があったが、今日は解熱してきた。マイコプラズマ抗体は160倍だった。単回で320倍以上ではないが、マイコプラズマでたぶんいいようだ。ミノマイシン単独投与がいいのかもしれない。細菌性にも効くのでちょっとずるいが、クラビットを連休明けまで継続することにした。

 マイコプラズマで間違いなければ、マクロライド耐性ということになる。当番医に処方されたクラビットを数日続けて内服すれば、外来で軽快したのだろうが、40℃1週間はさすがにつらかったと思う。500mlの点滴数本も継続にした。

 

 

 

 

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