なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

MERS対策の会議

2015年06月25日 | Weblog

 昨日は県庁で感染症ネットワーク会議があり、MERS対策の話し合いがあった。県内に第一種感染症の指定医療機関がないので(それもどうかと思うが)、エボラ出血熱の対策は県外の施設にすぐに搬送するということで終わりだった。MERSは第二種感染症なので、県内の指定医療機関(病院)が招集された。県内の第二種の病床は合計26床だった。郡部には割と病床があるが、人口の半分を占める県庁所在地は8床のみと少なくて、そのうち重症対応は2床のみと言ったので会場は「なんだそれだけか」という雰囲気になった。飛沫感染なので、病床が足りなくなれば、指定と関係なく一般病床の個室管理になるそうだ。サージカルマスクでいいことになっているが、N95マスクを付けるのだろう。

 発熱・呼吸器症状を呈して、発症前14日以内に対象地域(アラビア半島又はその周辺地域=要するに中東)に渡航または居住していた人、発症14日以内に地域を問わず(今だと、要するに韓国で)MERSが疑われる患者さんと接触(診察した、看護あるいは介護した、同居した)人が対象になる。韓国の実情がよくわからないそうだが、衛生面で相当問題があるらしい。

 MERSだと致死率は低いが、エボラ出血熱は致死率が高く、対応する医療スタッフも相当な危険を伴う。医療スタッフに対する危険手当の話が出て、大抵は数百円だという。国内の普通の保険では、国内にない感染症に罹患して死亡した場合、保険金が出ないそうだ。つまり、日本国内にエボラ出血熱の患者さんがいて、治療にあたった医師看護師がエボラにかかって死亡しても、何も保障はないことになる。国境なき医師団は、何かすごい保険に入っていて、危険な感染症で死亡したり、銃撃されて死亡すると、十分な保険金が出るらしい。この話が一番興味深かった。

 医師会の先生から、「2009年新型インフルエンザの時、保健所に問い合わせたら、時間外だったので電話に出た守衛さんから保健所のスタッフへの取り次ぎがなかった。今回はちゃんと保健所は対応するのか。」という発言があった保健所は「今回はそのようなことのないように。」という返事だった。今回会議に行ってみたら、何の表示もなく、場所が変わったので下の階に階段で行くようにとだけ言われた。

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