なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

若い女性の急性膵炎

2015年06月24日 | Weblog

 昨日は内科の当番だった。午後9時すぎに当直の外科医から電話が来て、急性膵炎の32歳女性を入院させたいという。胆石はなく、アルコール性らしい。FOY(実際はそのジェネリック)を混合した点滴の指示をお願いして、内科で入院になった。病棟の看護師さんに鎮痛剤をまず1回静注して、腹痛が続けば朝方にもう1回追加してもらうことにした(1回で自制可だった)。

 内科消化器科クリニックに気管支喘息で通院していた。H2ブロッカーも処方されていた。飲酒量はビール3本か缶チューハイ4本のどちらかを飲むそうだ。数年前から何か月に1回か心窩部痛が出現して、1~2日続いてから治まる。ご本人は胃が悪いと思っていたというが、持続時間と、心窩部痛があって飲酒しないと治ることから、膵炎の症状と推定される。今回は前日(一昨日)に飲み会があって、普段の2倍以上飲んだという。昨日の午後から心窩部痛が出現したので、このタイムラグも膵炎らしい。

 今朝は昨夜より症状は軽減しているという。午後9時すぎの鎮痛剤注射で、12時間経過して心窩部痛が自制可だから、すくなくとも悪化はしてないのだろう。心窩部に圧痛は当然まだある。昨夜電話が来たときは、若い女性ということで水商売の方かと思っていたが、違った。2-3日は絶食(水分は可)で治療することをお話した。今回は中等症くらいで治まりそうだが、禁酒しないと慢性膵炎(すでになっていると思われる)としての困った人生になることもお話した。

 CT画像では膵頭部~体部にかけて膵腫脹と周囲脂肪織の炎症像・浸出液を認めた。石灰化もちょっとある(総胆管結石ではない)。

 

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