Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

国立大劇場『3月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎へのいざない」』1等前方下手寄り

2008年03月02日 | 歌舞伎
国立大劇場『3月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎へのいざない」』1等前方下手寄り

『解説 ようこそ歌舞伎へ』
楽しかったです。まだかなり段取りくさかったですし、バタバタ感じは否めなかったけど、それでも面白く拝見。最近の歌舞伎鑑賞教室の解説では春猿&笑三郎コンビの解説以来の面白い構成だったかと思われ。

京屋一門(+播磨屋一門)が裏方さん巻き込み大奮闘です。そのなかでも阿国が面白すぎて笑ってしまう。微妙におば様系が入ってるとこがツボ。宗之助さん、たじたじだったような(笑)宗之助さんは柔らかい口調での解説。全体的にほんわかムードでした。虎がなぜか内股のなよ系だったのは京屋さんだからでしょうか?


『芦屋道満大内鑑 -葛の葉-』
全体的になかなか纏まっていたと思う。芝雀さんは安定した芝居で母の情愛はたっぷりだったけど狐の異はあまり無しだったかなあ。前段では早替わりも見事だし、葛の葉と姫の演じ分けも見事でなかなか。でも後段では手順に追われてる感じもあり力が入りすぎて色んな部分で硬い感じが。台詞も力が入りすぎて狐言葉ぽくない。曲書きはまあ無難に、ってところ。でも子を思う切々したものはしっかりあったし、愁いもあって、そこはとても良かったです。こなれてくると、かなり良くなりそうでした。

保名の種太郎くんは緊張しまくりという感じで顔がこわばってました。台詞も動きも必死感が(笑)でも義太夫に乗せていく台詞回しはかなり頑張ったなと。情感の部分はこれから、ですね。台詞を言うので精一杯で同等な夫婦にはさすがにちょっと見えなかったです…でも危惧された親子って感じはしなかったのでまあ頑張ったかなと。かなりの年の差夫婦ですけど…狐に食われた感がなきにしもあらず(^^;)

吉三郎さん、京蔵さんの信田夫婦は安定感ありました。娘を思う情の部分をもう少し出してくれるともっと良い感じになると思います。