読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
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マスクを求めて三千里 -小久保工業所への感謝-

2022-04-03 09:52:56 | ウェブ日記


写真は和歌山県に本社のある株式会社小久保工業所の「KEEP&FIT 口元快適マスク」という名前のマスクです。
私は新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2020年の春、このマスクにとても助けられました。

2020年の2月頃から私の住む山陽でも新型コロナウイルスの影響がどんどん大きくなりました。
それとともにマスクが手に入らなくなりました。
買占めが横行する酷い時代でした。




(2020年春に乗った山陽本線。普段なら混んでいるはずの時間帯にほとんど乗客がいませんでした)

私の住む山口県ではマスクが手に入らず、山陽本線に乗って広島市街に出てマスクを探し回りました。
電車も普段なら人がたくさん乗っているはずの時間帯に、私以外にほとんど乗客がいなくて驚きました。
ある日どうしてもマスクをすぐに買いたくて、広島市街に出てドラッグストアやコンビニを合計10店舗以上回っても全て売り切れだった時は途方に暮れました。
街にも人の気配が少なくひっそりとしているのに、どのお店もマスクだけは売れ切れているという異様な光景です。
もはやマスクは、人々にとって希少価値の高い品物になっていました。

クレープ店やタピオカ店、洋服店といった、どう見てもマスクの販売とは関係ないようなお店が「マスクあります」と看板を出し、4千円や5千円という法外な値段で不織布マスクを売っているのも目の当たりにしました。
一般の人達に加えてこういう人達もドラッグストアやコンビニで全く手に入らない不織布マスクの買い占めを行い、さらに高値で売ろうとしているのか、と愕然としました。

そんな時、私を助けてくれたのが小久保工業所の「KEEP&FIT 口元快適マスク」です。
突如としてドラッグストアに大量に陳列されているのを見つけ、5枚入りでお値段が良心的だったので来店の度に買わせて頂きました。
きっと当時は大急ぎで大量生産して大変だったのではと思います。
そのおかげで大量の数のマスクがお店に常時陳列され、焦らずに買えるようになりました。

2022年の今、このマスクはお店で見かけなくなったので販売を終了したのかなと思います。
私にとって救世主となったマスクであり、今でも感謝しています。
小久保工業所のことはマスクの品薄で最も苦労した時に助けてくれた会社として、この先も忘れずにいたいと思います

音大生支援協会スペシャルコンサート 第6回 広島公演

2022-03-27 09:09:09 | ウェブ日記


(ラプソディー・イン・ブルーを演奏する左からフルート九鬼みつ実さん、ピアノ水野恵さん、テューバ山村漱さん、オーボエ村上立樹さん、クラリネット大木勇磨さん)

3月23日、広島県広島市の東区民文化センター小ホールで行われた「音大生支援協会スペシャルコンサート 第6回 広島公演」を聴きに行きました。
このコンサートは「一般社団法人音大生支援協会」により企画され、協会のメインの活動は「音大生の応援をすること」とのことです。
特に2020年から新型コロナウイルスの脅威によってたくさんのコンサートが中止になり、現在もコロナ前と同じようにコンサートを開催するのはなかなか難しい状況が続いているので、音大生の活動を支援する存在は非常に意義があるのではと思います。
全国様々な場所でコンサートを企画していて、今回の広島公演では初めて高校生にも出演を頼んだとのことで、若い人達にとっても演奏のステージに立てる貴重な経験になるかと思います



第1部 広島県立熊野高等学校ステージ(伴奏:堀江麻紀)

高校生のステージとのことで、どういったものになるのか興味深かったです。
調べてみると熊野高等学校には吹奏楽部があり、実力も高いようです。
登場した5人全員お客さんを前に堂々と演奏を披露し、まだ高校1~2年生と思われる年齢で凄いなと思いました。


1. トロンボーン 蔵本彩華  有名なアリア/E.パウデルト



(蔵本彩華さん演奏中)

伸びやかで明るく雄大な音色で演奏していて、ピアノの独奏を機に曲調が変わり、トロンボーンがとても明るくコミカルな雰囲気になりました。



2. トランペット 山本咲季  ゲール組曲より 1.行進曲/B.フィッツジェラル



(山本咲季さん演奏中)

誇り高い音色で演奏されて行き、気高さがありました。



3. トロンボーン 堂々未來  ソナタ へ長調より第1楽章/B.マルチェッロ



(堂々未來さん演奏中)

ゆったりとしつつ雄大な音色で、少しもの悲しさも感じました。



4. ホルン 矢田邊莉歩  ホルンとピアノのためのアンダンテ ハ長調/R.シュトラウス



(矢田邊莉歩さん演奏中)

伸びやかで安らぐ音色で、ゆったりな高音が多く気持ちも安らぎました。



5. ピアノ 正長もも  バラード 第1番 Op.23/ショパン



(正長ももさん演奏中)

最初はややミステリアスな曲だなという印象を持ちました。
やがてスピードが上がり、流れるように、そして軽やかに演奏していて、上手いなと思いました。



第2部 音大生ステージ

第二部は広島市にあるエリザベト音楽大学の学生さん達によるステージです。
私は出演者の1人、エレクトーン奏者明神あみさんのツイッターでの告知がきっかけでコンサートのことを知りました。
同大学の学生さん達によるコンサートも、コロナ前に比べて聴ける機会が大きく減りましたが、こうして聴くことが出来て嬉しく思います


1. ディヴェルティメント M.アーノルド



(左からフルート九鬼みつ実さん、クラリネット大木勇磨さん、オーボエ村上立樹さん)

6つの楽章で構成された曲で、管楽器の3人で演奏して行きました。
1楽章は颯爽と吹いて行き、最後は唐突に終わりました。
2楽章はやや不穏でミステリアスな雰囲気でした。
3楽章はクラリネットのコミカルで速い演奏で始まり、終わりもクラリネットのコミカルで踊っているような演奏で幕を閉じ、クラリネットの活躍が目立ちました。




4楽章はゆったりとミステリアスに始まり、オーボエが目立っていました。
その音色の所々にフルートが「ふし」を付けていて、付ける時の息の合わせ方がピタリと寄り添っていて上手いなと思いました。
5楽章は3人でとても賑やかな演奏をして行きました。
6楽章はフルートがクラリネットとオーボエを牽引し、例えば「ソファミレド」のように
、一音ずつ下げて行く演奏が上手いなと思いました。




(九鬼みつ実さんトーク中)

演奏と演奏の合間には、演奏者達によるトークもありました。



2. オルダナーセグ O.ボーツヴィック



(左からピアノ水野恵さん、テューバ山村漱さん、エレクトーン明神あみさん)



(水野恵さん演奏中)



(明神あみさん演奏中)



(3人で演奏中)

オルダナーセグはノルウェー人がよく使う言葉で「大丈夫」「何とかなる」という意味です。
ピアノでゆったりと始まり、テューバが入った時が非常に印象的で、ゆったりとした低音で気持ちが安らぎました。
エレクトーンも入り、とても優雅な雰囲気で良いなと思いました
3人でとても安らぐ音色を演奏して行きました。
ピアノとエレクトーンが両方同時に登場する編成は珍しく、見かけたのは新感覚音楽ユニットHiKaRiのコンサート以来です。



3. ヴァイオリンソナタ第1番 op.78 ト長調 第1楽章 J.ブラームス



(演奏前の音合わせの様子)



(左からヴァイオリン森脇恵厘花さん、ピアノ水野恵さん演奏中)

この曲は「雨の歌」とも呼ばれています。
明るく安らぐ雰囲気で始まりました。
ヴァイオリンのピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)が続く場面があり、水にたゆたうような穏やかでしっとりとした雰囲気で上手いなと思いました。
ヴァイオリンによる主題(クラシック音楽でその曲や楽章の中心となる音色)の演奏が良く、どこかもの悲しさも感じました。
ピアノの演奏も上手く、水が弾けるような瑞々しい響きになっていました。



4. テューバ協奏曲 V.ウィリアムズ



(左からテューバ山村漱さん、エレクトーン明神あみさん)



(2人で演奏中)



(山村漱さん演奏中)

格好良い雰囲気で始まります。
テューバ協奏曲のオーケストラ役として演奏したエレクトーンが格好良く、ドラマチックな音色でした。
エレクトーンは数百種類もの音を出せるので、こういった協奏曲の演奏でも活躍出来るようです。
テューバも格好良く、2人でとてもドラマチックになります。
戦いに臨むような勇ましさも感じました



5. ラプソディー・イン・ブルー G.ガーシュウィン



(左からフルート九鬼みつ実さん、ピアノ水野恵さん、テューバ山村漱さん、オーボエ村上立樹さん、クラリネット大木勇磨さん)





クラリネットの独奏で始まり、コミカルで上手かったです。
そこからフルート、ピアノ、テューバ、オーボエそれぞれの楽器も目立つ場面がありどれも上手かったです。
フルートは爆発するかのような場面があり迫力がありました。

全体でゆったりとしたメロディになった時、オーボエだけ少し弾けたメロディになっていて上手いなと思いました。
終盤、「タタタ タタタタ タタタタタタタ!」のリズムの有名メロディをピアノが力強く演奏すると、そこをフルート、テューバ、オーボエ、クラリネットが激しい演奏で支え、とても盛り上がりました


第一部の高校生ステージ、第二部の音大生ステージ、ともに楽しませて頂きました。
今年も新型コロナウイルスの影響を受け、年初からしばらくの間コンサートの中止が相次いでいて、演奏をする人にとって演奏を披露する場がなくなってしまうのは遣る瀬ない思いがあるかと思います。
そんな中、演奏する場を作ってくれて学生さん達を助けてくれる存在は、学生さんのコンサートにもよく足を運ぶ私のような者にとっても嬉しい存在です。
間もなく新たな年度を迎え、学年の上がるこの日出演された皆さんそれぞれ、新年度はぜひ演奏を披露する場に恵まれることを祈ります



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン 森脇恵厘花

山口県在住。
第74回全日本学生音楽コンクール北九州大会ヴァイオリン部門高校の部 第2位。
第21回大阪国際音楽コンクール弦楽器部門Age-H エスポアール賞。
第9回Kアンリミテッド音楽コンクール 優秀賞。
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第61回広島にて広島交響楽団と共演。
AICJ中学・高等学校を経て、アーティスト21特別入学生としてエリザベト音楽大学に入学(高校2年修了飛び入学)。
現在2年次在学中。
これまでにヴァイオリンを、故中嶋美子、篠崎永育、細野京子、村元まり子、甲斐摩耶各氏に師事。
ヴィオラを田中茜氏に師事。



フルート 九鬼みつ実

9歳よりフルートを始める。
広島皆実高等学校を卒業。
第22回”万里の長城杯”国際音楽コンクールアンサンブル部門にてフルート三重奏で第4位受賞。
第22回大阪国際音楽コンクール管楽器部門Age-U入選。
エリザベト音楽大学の特待生制度であるザビエル奨学賞を2019年度、2020年度受賞。
現在3年次在学中。
これまでにフルートを宮本美佐穂、甲斐雅之に師事。



クラリネット 大木勇磨

山口県下松市出身。
12歳よりクラリネットを始める。
山口県立防府西高等学校を卒業後、エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科3年次在学中。
広島を中心にソロ・アンサンブルなど幅広く演奏活動を実施している。
大植英次氏プロデュースの威風堂々クラシックスペシャルコンサート出演。
これまでにクラリネットを堀川千景、橋本眞介に師事。



オーボエ 村上立樹

広島県広島市出身。
12歳からオーボエを始める。
広島国際学院高等学校を経て、エリザベト音楽大学にソリスト奨学生として入学。
現在1学年に在学中。
第25回KOBE国際音楽コンクール B部門 優秀賞受賞。
オンラインユース音楽コンクール 木管楽器の部 最優秀賞受賞。
これまでにオーボエを、齋藤陽子、板谷由起子の各氏に師事。



テューバ 山村漱

山口県防府市出身。
11歳こらテューバを始める。
山口県立防府西高等学校を卒業後、エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科3年在学中。
広島を中心にレッスンや演奏活動など積極的に行っている。
これまでにRojer Bobo、外囿祥一郎、船越道郎、各氏のマスタークラスを受講。
テューバを鈴木浩二氏に師事。



ピアノ 水野恵

2000年生まれ、5歳からピアノを始める。
広島県立海田高等学校を経て2019年エリザベト音楽大学に特別奨学生(学費全額免除)にて入学。
ピティナピアノコンペティション全国大会C級 銅賞、D級 ベスト賞、連弾中級B、F級において入賞。
JPTAピアノオーディション全国大会 B部門最優秀賞、全国優秀者演奏会出演。
C部門にてヤンイラチェック・フォン・アルニン氏の公開レッスン受講。
2014年ポーランド・シレジア・フィルハーモニー管弦楽団とコンチェルト共演。
2019年ドイツ ハンブルグにてクラングアカデミーを受講。
2020年第79回エリザベト音楽大学定期演奏会においてピアノコンチェルトを共演。
2019年、2020年ザビエル奨学賞受賞。
これまでにピアノを加藤理子、宮入響子、宮入友子、久保千尋、横山幸雄の各氏に師事。
現在3年在学中。



エレクトーン 明神あみ

2000年生まれ。
山口県山口市出身。
4歳からエレクトーン、6歳から作曲を始める。
エリザベト音楽大学音楽文化学科エレクトーン専攻に特待生で入学。
現在3年在学中。
YECソロ部門予選や西中国大会で多くの金賞を受賞し、大阪ファイナルに出場。
第1、2回山口県学生コンクール金賞受賞。
第12回徳島音楽コンクール電子楽器部門最優秀賞、全部門審査員特別賞受賞。
現在、エレクトーンや作曲のコンクールに出場しながら、オペラやミュージカルの編曲・伴奏、色々な施設での訪問演奏など、幅広く活動を行っている。
これまでに、藤田美加、新井田聡子、堀井知珠、松内愛、小林淑子、岡川玲子、川上統の各氏に師事。
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明神あみさん、九鬼みつ実さん登場の演奏会
「IZAYOI ~古城を照らして~ -川上統門下作曲作品発表会より-」


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

広島プロミシングコンサート2020

2022-03-21 05:50:02 | ウェブ日記


(全演目終了後の挨拶にて。左から小林佑太郎さん(トランペット)、岡崎清香さん(ピアノ)、木村瑠菜さん(ヴァイオリン)。写真はネットより。以下同じ)

2020年12月3日、広島県広島市のJMSアステールプラザ大ホールで行われた広島プロミシングコンサートを聴きました。
このコンサートは「有望な若い音楽家のための演奏会(Concert for Promising Young Musicians)」から広島プロミシングコンサートという名前になっていて、毎年6月に開催される「広島市新人演奏会」の優秀演奏者が出演し、広島交響楽団と共演して行われます。
2020年は新型コロナウイルスの脅威で春先からしばらくの間、ほとんどの観客有りのコンサートが中止になり、9ヶ月ぶりに会場に足を運ぶことが出来たコンサートになりました。
広島市にゆかりのある若手演奏家が主役で、9ヶ月前、「エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会」で演奏を聴いて非常に上手かった岡崎清香(さやか)さんという方が出演されると知り、ぜひ聴きに行きたいと思い足を運びました





(広島プロミシングコンサート2020のチラシ。ドラマチックな雰囲気で良いなと思いました

演奏プログラムは次のとおりです。

指揮 :鈴木織衛
管弦楽:広島交響楽団

1. 岡崎清香(エリザベト音楽大学出身)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21

2. 小林佑太郎(東京音楽大学出身)
トマジ:トランペット協奏曲

3. 木村瑠菜(東京藝術大学出身)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77



1.ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21

広島で生まれ育った私にとって、広島交響楽団の皆様との共演は幼い頃からの大きな夢でした。
このような機会をいただけたことに感謝し、心を込めて演奏致します。




(岡崎清香さん演奏の様子。)

一楽章
力強く少しもの悲しいオーケストラの演奏で始まります。
やがてピアノも入り、響きが美しかったです。
ピアノの美しくゆったりなメロディをオーケストラが支えます。
ピアノがポロロロローと軽やかに速く演奏する場面が何度もあり、とても上手かったです

ピアノの速く力強い演奏の後、オーケストラの演奏が大爆発して迫力が凄かったです。
今度はピアノがとても速く軽やかな演奏をしてオーケストラが支え、ピアノの演奏が終わると再びオーケストラ大爆発となります。
ピアノの演奏はとても速く軽やかなのに、一つ一つの音もしっかりしていて、速さだけではない「上手さ」を強く感じました。
ピアノがタタタタタター、オーケストラがそれに呼応するという演奏を繰り返す場面がワクワクしてとても良かったです。


二楽章
ゆったりとしたミステリアスな雰囲気のオーケストラで始まります。
ピアノも入り、ゆったりとしてとても優しいメロディになりました。
ポロロロローと速くなりつつ、ゆったりもし、優しさの目立つ音色で凄く良いなと思いました。

ピアノがキラキラキラと華麗に輝いているような演奏もありました。
最後はとてもゆったりと終わりました。


三楽章
ピアノの速い演奏で始まり、オーケストラも速い演奏で呼応します。
ピアノもオーケストラもとても速い演奏が続いて行きました。

管楽器の「パパパパッパパー」を合図に、ピアノがスパートします。
凄いスピードで、さらに軽やかで、音が綺麗で超人的に上手かったです。
曲との相性が良く、岡崎清香さんの持っているものが最大限発揮されていたように思います。
「曲と一体化している」といった印象も持ち、私にとって忘れられない名演奏となりました。
ぜひまたオーケストラと共演してショパンのピアノ協奏曲第2番を演奏してほしいなと思いました



2. トマジ:トランペット協奏曲

この歴史ある演奏会に出演させていただけますことを大変嬉しく思っております。
今こうして音楽が出来ることへの喜びと、感謝の思いを持って演奏させて頂きます。




(小林佑太郎さん演奏の様子。)

一楽章
トランペットソリスト(ソロ演奏者)の躍動感のある演奏で始まり、雄大さもありました。
オーケストラは少しミステリアスに演奏します。

オーケストラが凄く伸びやかで綺麗な演奏をする場面があり、かなり良かったです。
ソリストの「パパパッパッパッパー」という演奏をオーケストラがコミカルに支えて呼応します。
ソリストの独奏になり、伸びやかで力強さもあり良かったです。


二楽章
ハープのゆったりとしたミステリアスな演奏で始まります。
ソリストも同じ雰囲気の演奏で入って行きました。
今度はオーケストラがとても伸びやかに、ミステリアスに演奏します。
ソリストもミステリアスに続き、冒頭からミステリアスな演奏が続いたのが印象的でした。
オーケストラが雄大な演奏をする場面になり、ソリストも雄大な演奏で入り、両方合わさってかなり良かったです。


三楽章
オーケストラのとてもリズミカルで速い演奏で始まり、ソリストも同じ雰囲気で入ります。
とてもリズミカルで楽しそうな音色で、聴いていてワクワクしました。
最後はバンッ!と弾けるように終わりました。



3. ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

この度は、地元広島の皆様の前で演奏する機会をいただき、大変光栄に思います。
広島交響楽団の方々、会場の皆様と一緒に素晴らしい音楽を共有できるよう、心を込めて演奏いたします。




(木村瑠菜さん演奏の様子。)

木村瑠菜さんも、まだ記事にはしていませんが2019年2月20日の「新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第47回広島」でシベリウスのヴァイオリン協奏曲の演奏を聴いたことがあります。
かなり重厚感のある演奏をして上手かったのを覚えています。

一楽章
ゆったりとしたオーケストラの演奏で始まり、雄大さがありました。
しばらくオーケストラの演奏が続き、明るく力強くなったり、ゆったりとしたり、迫力と速さが出たりしました。
やがてヴァイオリンソリストも入り、オーケストラと呼応しながら演奏して行きました。

ソリストがとてもゆったりとした優しい響きの演奏をして目立ちます。
さらに「切れ」のあるスパッとした演奏やとてもドラマチックな力強い演奏もしていて、上手いなと思いました
伸びやかで優雅な演奏もしていて美しさを感じました。
ソリストが目立ってからオーケストラだけになる場面が何度かあり、オーケストラに切り替わった時の迫力が凄かったです。


二楽章
オーケストラのゆったりとした演奏で始まります。
オーボエのゆったりと安らぐ音色がとても目立っていました。
ソリストも入り、とても高く綺麗な音をゆったりと演奏していました。
オーケストラとソリスト全体でゆったりと綺麗な音色になりました。


三楽章
全体でとても明るく派手な演奏で始まり、迫力もありました。
良い音色になり、ワクワクして気持ちが盛り上がりました。
ソリストがとても速く躍動する演奏をし、オーケストラが大迫力の演奏で支えていました。



広島プロミシングコンサート2020、久しぶりに会場で聴いたコンサートがこのコンサートで良かったと思いました。
3人とも素晴らしい演奏をされていて、とても満足感がありました。
音楽大学を卒業したばかりの若い演奏家さんにとって、広島交響楽団との共演は貴重な経験だと思います。
この経験を機にぜひ益々飛躍して欲しいと思い、またどこかで演奏を聴ける日が楽しみになりました



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演奏者プロフィール 2020年12月時点

岡崎清香 エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科鍵盤楽器専攻卒業

5歳より母の手ほどきでピアノを始める。
2014年 第24回日本クラシック音楽コンクール全国大会 第3位。
2016年、2017年 ショパン国際ピアノコンクール in Asia 第17回高校生部門、第18回大学・一般部門共にアジア大会 銀賞受賞。
エリザベト音楽大学に学費全額免除特別奨学生として入学。
第26回コジマ・ムジカ・コレギアにてオーケストラと共演。
第41回ピティナピアノコンペティション連弾上級全国決勝大会 金賞受賞。
ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学にてブダペスト国際マスタークラス受講。
2018年 ポーランドシレジアフィルハーモニー管弦楽団と共演。
2019年 ドイツシュトゥットガルト音楽演劇大学に1年間の交換留学。
2020年 エリザベト音楽大学卒業演奏会に出演。
現在、シュトゥットガルト音楽演劇大学修士課程在学中。
これまでにピアノを、重野美樹、赤松林太郎、横山幸雄、垣内敦、Peter Nagy(ペーテル・ナジ)の各氏に、鍵盤和声を川岡優子氏に師事。



小林佑太郎 東京音楽大学音楽学部音楽学科器楽専攻卒業

2013年 第30回中国ユース音楽コンクール奨励賞。
2016年 第65回広島音楽高等学校卒業演奏会出演。
広島音楽高等学校卒業、卒業時に本願寺賞受賞。
2017年、2018年 東京音楽大学ソロ・室内楽定期演奏会室内楽部門出演。
2019年 P.ピリエン氏、E.オービエ氏のマスタークラス受講。
2020年 東京音楽大学卒業、同大学管打楽器部会主催卒業演奏会に選出。
現在、東京音楽大学大学院音楽研究科科目等履修生。
これまでにトランペットを、松崎祐一、白石実、津堅直弘、栃本浩規、A.アンリ、高橋敦、辻本憲一の各氏に師事。
また室内楽を津堅直弘、A.アンリ、冨成裕一の各氏に師事。



木村瑠菜 東京藝術大学音楽学部器楽科弦楽専攻卒業

広島出身。3歳よりヴァイオリンを始める。
2015年 第20回KOBE国際音楽コンクール優秀賞、第16回大阪国際音楽コンクール アブニール賞。
2016年 第37回草津夏季国際アカデミー 音楽監督賞。
2017年 ヒロシマ平和創造基金奨学生。
2018年 第20回さくらぴあ新人コンクール さくらぴあ大賞(第1位)
2019年 第1回杉並公会堂ベヒシュタイン室内楽コンクール第2位、第8回デザインK音楽コンクール優秀賞、第3回Kグランプリコンクール第3位(1位なし)
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅤⅡ参加。
第20回、第24回コジマ・ムジカ・コレギアにてオーケストラと共演。
第47回新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ広島にオーディションで選抜され、広島交響楽団と共演する。
在学中より、プロオーケストラへの客演、室内楽演奏会、音楽フェスティバル、CMなど多方面で活動中。
現在、アムステルダム音楽院修士課程に在学し、IIya Grubert(イリヤ・グルーバー)氏に師事している。
これまでにヴァイオリンを小島秀夫、野口千代光、小栗まち絵、沼田園子の各氏に師事。
室内楽を川崎和憲、林俊昭、松原勝也、青柳晋、菊地知也、植村太郎、大友肇の各氏に師事。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学卒業。
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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~

2022-03-13 15:36:12 | コンサート、演奏会


(プログラム終了後、「実は、アンコールが用意してあって」と照れながら伝える左からピアノ重野友歌さん、ヴァイオリン木村紗綾さん。)

3月12日、広島県広島市のゲバントホールで行われた「音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~」を聴きました。
マリアージュは「音との相性が良い」といった意味合いになり、クラシックに親しみを持ってもらいたいという願いを込めて付けたとのことです。
このコンサートはお客さんの事前投票によって演奏する曲が決まるという特徴がありました。
投票のベスト10が演奏されるとのことで、どんな曲が登場するのかとても楽しみでした



第一部 あなたが決める名曲コンサート

第10位 クライスラー:前奏曲とアレグロ



トークで、前奏曲の序盤は「ミ」と「シ」の2音だけで作曲されていると言っていました。
演奏が始まると「ギーコーギーコー」と右手に持つ弓を上から下へ、下から上へとシーソーをするように素早く上下させて弾いていたのが印象的でした。
また、演奏が進んで音を細かく速く刻む演奏になると、音色が誇り高く聴こえました。



第9位 モーツァルト:ディベルティメント第17番より「メヌエット」



投票者からは「BGMでよく鳴っている」と意見が寄せられたとのことです。
明るく優雅で、踊っているような音色で聴いていると気持ちが明るくなりました



第8位 モンティ:チャルダッシュ



(低音演奏時。右手に持つ弓が地面に対して水平近くになっていて、ヴァイオリンの演奏は高音になるにつれて弓が垂直に近付いて行く特徴があります。)

投票者の意見は「ヴァイオリンと言えばこの曲」とのことです。
アンコールによく登場する曲で、木村紗綾さんもトークで「序盤で演奏するのは初めて」と言っていました。
最初は情感たっぷりに演奏し、途中から一気に速くなります。
超高音での演奏になった時の音色がゆったりとしていて癒やされました



第6位 マスネ:タイスの瞑想曲



(高音の演奏時。右手に持つ弓が地面に対して垂直近くになっています。高音用の弦に弓を当てると垂直近い位置になるようです。)

7位と6位は先に6位、次に7位の順で演奏しました。
演奏前のトークで、2月末で投票を閉め切ってから今日までの12日間で楽譜を用意して準備したと言っていました。
タイスの瞑想曲には「心の落ち着く曲」という投票意見が寄せられ、中には「これが入るのか」と驚いた曲もあったとのことでした。

とてもゆったりとした音色で気持ちが安らぎました
ゆったりの中でも音の強弱や響かせ方の違いがあり立体的に聴こえる演奏でした。



第7位 サンサーンス:序奏とロンドカプリチオーソ



優雅なメロディの曲で、先日の北京オリンピックでも演奏されたとのことでした。
悲しそうな音色で演奏が始まりました。
途中、ピアノの「タン、タン、タン…」と同じリズムを繰り返す演奏がとても目立っていました。
やがて物凄く力強く激しい音色になり圧倒されました。




(10曲も演奏が続き体力をかなり使うので、何曲かに一度退場していました。)



第5位 葉加瀬太郎:情熱大陸



投票者の意見は「ヴァイオリンと言えばこの曲で、これが弾きたくてヴァイオリンを始めた」とのことです。
木村紗綾さんは初めて弾くとのことでした。
凄く情熱的で、ヴァイオリンもピアノも最高に良かったです
またぜひ弾いてほしいと思いました。



第4位 エルガー:愛の挨拶



投票者は「ドラマでよく聴く曲」と意見を寄せられ、私はコンサートや演奏会の1曲目に挨拶代わりに演奏されたのを聴いたことがあります。
とても優雅でゆったりとしていて、力強さもありました。
ピアノも主題(曲や楽章の中心となる音色のこと)の演奏をする場面があり、まるで光の粒のように感じました。



第3位 クライスラー:愛の喜び



投票者は「清々しい曲」との意見を寄せていました。
演奏が始まると上手さを凄く感じ、スピードの速さ、力強さ、リズミカルさが際立っていました。



第2位 J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第2番 BWV1004より「シャコンヌ」



トークで、「長い曲でもありベスト10の中でこの曲が一番演奏が大変」と言っていました。
またロシアのウクライナ侵攻の国際情勢もあり、この曲で祈りを捧げたいと言っていました。

やや悲しそうに演奏が始まりました。
弓を持つ右手で弾きながら左手でピッチカート(指で弦をポロンポロンと鳴らす演奏)をした場面もありました。
船のオールを漕ぐようなリズムの弾き方もありました。

やがてかなり激しく情熱的な演奏になります。
不協和音を音色の土台にしながら別の音色が演奏されていてとても印象的でした。



第1位 ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番 Op.24「春」より第1楽章





トークでこの曲が1位になるとは思わなかったと言っていました。
春らしい曲とのことです。

「タン、タラララー」という流れるようなメロディがとても印象的でした
とても綺麗な音色で、まさに春の心地良い風のようでした。
ピアノが独奏した時はゆったりと宝石のきらめきのような演奏をしていました。
ヴァイオリンが演奏した後、ピアノが同じメロディを演奏しての掛け合いが何度もあり、そのリズミカルさが良かったです。



第二部

1. C.フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調



第1楽章
ゆったりしっとりと始まりました。
やがてゆったりとしたまま大迫力になります。
ピアノがソロでゆったりしっとりな演奏をする場面があり、繊細な響きでかなり上手かったです。





第2楽章
ピアノの凄く速い演奏で始まります。
ヴァイオリンもピアノも一気に力強くなり、鬼気迫る雰囲気で表現力が物凄く高いなと思いました
音が「奔流」となって向かって来て圧倒されました。





第3楽章
ピアノの暗い雰囲気の独奏で始まりました。
ヴァイオリンも独奏で演奏を始め、こちらも暗い雰囲気でした。
かなり激しい演奏をしてから、ヴァイオリンとピアノでどことなく寂しそうな雰囲気の演奏をしました。
ピアノは泡がフワフワ浮かんでいるような、夢見心地な演奏をしていました。





第4楽章
雄大な雰囲気で始まり明るさがありました。
ヴァイオリンが演奏し、ピアノが同じ音色を演奏しての掛け合いがありました。
ピアノの独奏があり、物凄い力強さで上手かったです。




トークで、フランクの曲はピアノ演奏が非常に高難度のため演奏出来る人が限られていると言っていました。
日本で演奏するのはこの日が初めてとのことでした。
ヴァイオリンソナタと言えど、ピアノソナタなのではというくらいピアノの活躍する曲とのことです。



2. P.チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34



ロシアの作曲家チャイコフスキーによるこの曲は、昨今のロシアによるウクライナ侵攻の国際情勢で、演奏して良いものか悩んだとのことです。
しかし曲に罪はないので変更せずに演奏したとのことで、それで良いのではと私は思いました。
第二部の1曲目と対照的に2曲目は短めの曲でした。
タララ、タララ、タララという軽快な音色をピアノの伴奏の中でヴァイオリンが演奏した場面が良かったです



アンコール  岩井俊二:花は咲く



第二部が終わった後「一応アンコールを用意してきました」と言っていて、曲数も多く長い時間の演奏会になっていたこともあってか、照れくさそうに言っていたのが面白かったです。




サビの部分がとても伸びやかで気持ちが安らぎました。
3月11日の東日本大震災と、ウクライナへの祈りの両方を想って選曲したのではと思いました。


「音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~」、楽しませて頂きました。
私の投票した「ヴィヴァルディ:四季より「春」」は惜しくも12位でベスト10入りはなりませんでしたが、演奏されたどの曲も興味深く聴かせて頂きました。
そして7月22日には第2回、11月26日には第3回のコンサート開催が決まっているとのことで、ぜひまた聴きに行ってみたいと思います。
次はどんな魅力的な演奏になるのか、今から楽しみです



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン 木村紗綾

15歳で単身チェコに渡り、プラハ音楽院に学ぶ。
第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第2回ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ国際コンクール第1位併せて聴衆賞を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
チェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミー修了。
これまでに指揮者大植英次氏を初め、広島交響楽団やチェコにてオーケストラと多数共演。
2020-21年度チェコ国立ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団アシスタント・コンサートミストレスを歴代最年少で務める。
現在チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者として活動する他、ソロ・アンサンブルなど国内外で幅広く活動を行っている。


ピアノ 重野友歌

母親の手ほどきによりピアノを始め中学校卒業後に渡英。
メニューイン音楽院を経て英国王立音楽大学に全額特待生で入学。
首席で卒業した後ドイツに移り、ハンブルグ国立音楽演劇大学で大学院修士と国家演奏家資格をどちらも最優等で取得。
2018年よりアメリカ、マイアミ大学フロスト音楽学校にてケヴィン・ケナーの下、博士課程に在籍。
2020年、日本に帰国。
リカルド・ヴィネス国際コンクール日本人初優勝をはじめ、国内外でのコンクールで数々の賞を受賞。
ソロのみならず、妹 文歌とのピアノデュオ・カントゥス、国内外のアーティストとのアンサンブルにも力を注いでいる。
全日本ピアノ指導者協会演奏会員。
エリザベト音楽大学非常勤講師。
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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~


重野友歌さん出演のコンサート、演奏会
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」

2022-03-06 06:51:59 | ウェブ日記


(左からピアノARUHIさん、もも(大西桃香さん)、まぁ(馬嘉伶さん)、れな(長谷川玲奈さん)、ゆり(小坂井祐莉絵さん)、バイオリン小泉奈美さん。写真はネットより。以下同じ)

今回ご紹介するのは朗読劇「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」です。

-----内容&感想-----
※10年前、17歳の青春を描いた「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」の感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
スクリーンに穏やかに波が打ち付ける海辺が映り、物語が始まります。
海辺での映像は全て神奈川県の江ノ島で撮影とのことで、音楽の生演奏とともにこだわりを感じます。





「〜Diary〜」と同じように、日記帳に見立てた台本を手にれな(長谷川玲奈さん(声優))、ゆり(小坂井祐莉絵さん(声優))、まぁ(馬嘉伶さん(AKB48))、もも(大西桃香さん(AKB48))の4人が登場します。
その際、れな、ゆり、まぁの3人が私服なのに対して、ももだけが制服姿で登場します。
「〜Diary〜」の冒頭の場面を繰り返すかのように、れなは元気、ゆりはしっかり者、まぁは奥手、ももは食いしん坊という4人それぞれの性格についての語りが、ピアノのとても穏やかで安らぐ音色の中で進んで行きました。

れなが語り、音楽が「〜Diary〜」でも何度も登場したZONEの名曲「secret base 〜君がくれたもの〜」に変わり、れな1人で語っている間はピアノ独奏で序奏を続けていました。
「いつだってもものことばかり考えて、あの日の私たちのまま、私たちの記憶のまんま、この場所から出られずに、記憶の場所から前へ進めずにいる。」
れなの語りは空虚さを抱えた心の雰囲気が表されていて非常に上手いと思いました。
まだ声優になって3年弱ですが「さすが声優」と思い、表現力の高さに驚きました
他の3人も語り始める時に演奏にバイオリンも入り、序奏の後の「君と夏の終わり 将来の夢」から始まる歌唱の部分を演奏しました。
れなが「4人で過ごす時間、それだけが、私たちの青春だった」と言っていたのが印象的でした。
青春を語る場面なのに声はとても寂しそうで、青春に唐突に暗い影が差したのが分かりました。





(れな(長谷川玲奈さん))




(ゆり(小坂井祐莉絵さん))




(まぁ(馬嘉伶さん))


れな、ゆり、まぁの3人で海辺で待ち合わせます。
スクリーンは月に照らされる夜の海になっていてどこか寂しそうでした。
れなが語ります。
「あれから10年。27歳。10年の歳月は長いように感じるけれど、体感は本当に光の速さ。一つ一つ、過ぎ去って行ったことを思い出すと、思い出というものは長いようだけれど、それでも、思ったよりも一瞬にして過ぎる。大人になると、余計に1年、1日、1秒の速さを体感している。」
これは凄く良く分かりました。
子供の頃に比べると大人になってからの時間の流れはどんどん速くなって行き、速さに驚きます。

ゆりは既に結婚して子供がいます。
まぁは花火を持って来ていて、後で時間が出来たらやろうと言います。
久しぶりの再会で思い出話に盛り上がりますが、れなは上の空になっていました。
ゆりが心配するとれなは気丈に振る舞いますが、もものことを思い出しているのは明らかでした。

ゆりはコミカルな立ち回りが目立ちました。
もうすぐ30歳になることを引き合いに出し、まだあと3年あると言うれなに「油断していると一気におばさんになるんだからね」と楽しそうに言っていました。
小坂井祐莉絵さんも声優で長谷川玲奈さんと同じクロコダイルという声優事務所の先輩でもあり、コミカルな立ち回りの声の演技が物凄く上手かったです。
ゆりは10年前のような真面目すぎる面がなくなり、角が取れたように感じました。
元来しっかり者なので、うわの空になっているれなを気遣ってわざと面白おかしいことを言っているように見えました。





(もも(大西桃香さん))

10年前に海辺に埋めたタイムカプセルを掘り起こすことになると、ももが登場して3人は驚きます。
他の3人が私服なのに対して、ももだけが10年前と全く同じ制服姿なので、何が起きたか想像がつくと思います。
ももはタイムカプセルについて「みんなで掘り起こす約束だったじゃーん!」と10年前と同じテンションで言い、影の差していた物語に一気に光が差し込むかのようでした。
れなが「このまま、ここに居てくれる?」と言うとももは微笑んでいて、肯定のようにも見えましたがずっとは居られないと言っているようにも見えました。

4人でどこに埋めたか分からなくなったタイムカプセルを探して行きます。
うわの空だったれなが調子を取り戻し、ももと楽しそうに話し10年前のような雰囲気になっていたのが良かったです。
れなにとってももの存在はとても大きいのだと思いました。

タイムカプセルはなかなか見つからず、ももが「絶対に忘れたくないって思ったことでも、時間が経つと、なくなっちゃうんだよなー。忘れちゃう」と言っていて、そのとおりだなと思いました。
ピアノとバイオリンの演奏が再び「secret base 〜君がくれたもの〜」に変わります。
ゆりが「あの日を越えても、私たちは、ちゃんとももと一緒なんだから」と言っていて、心の中にはずっと居るのだと思います。





(左かられな(長谷川玲奈さん)、ゆり(小坂井祐莉絵さん)、まぁ(馬嘉伶さん)、もも(大西桃香さん))

3人それぞれが10年前を振り返り、ももへの思いを語ります。
まぁとゆりの語りの時は、演奏が「〜Diary〜」にも登場したバイオリンがピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)になっての泡がフワフワ浮かんでいるような音色だったのが、れなの語りの時は暗く悲しそうなものに変わります。
れなは激情を吐露し、10年前に起きたことにやり切れない思いを抱えていました。
長い時間吐露していましたが、ももが時折「うん」と言って受け止めてあげていたのが良かったです。
その「うん」はそっと受け止めるように聞こえることもあれば、背中を押してあげているように聞こえることもありました。
「〜Diary〜」から朗読劇を見てきて漠然と大西桃香さんの演技を「上手い」と感じていましたが、この時は特に上手さを感じました。

調べてみると大西桃香さんの肩書はAKB48で活動する「アイドル」で、女優ではないですが、その演技力の高さにははっきりと「女優」を感じました。
アリゲーターという事務所(声優事務所クロコダイルの姉妹事務所)の方針で女優業にも力を入れているとのことで、本作で興味を持ったのでまたどこかで演技を見てみたいです





(れな(長谷川玲奈さん)を励ますゆり(小坂井祐莉絵さん))

まぁがタイムカプセルを埋めた場所はここかもと思い出しますが、れなは掘り起こすことに反対します。
もしタイムカプセルが出てきたら、目的を果たしたももがいなくなってしまうのではと恐れていました。
しかしゆりは現実を見ていました。
悲しみを抑えながら絞り出すような声で、タイムカプセルを掘り起こさないでももにずっと居てもらおうとしても、それは意味のないことだと言っていました。
その時の声の演技がかなり上手く、さすが長谷川玲奈さんの事務所の先輩と思いました。
私はれなとゆり、どちらの思いもよく分かりました。

ももが「みんなには自分のことを考えててほしいの。まずは自分のこと。私のことはその後でも良いから、自分のことを考えて、それから私のことが頭の中に浮かんだら、それは、そのほうが嬉しいなって私は思う」と言います。
良い言葉だなと思い、ももの器の大きさを感じました。





(小泉奈美さんバイオリン演奏中。)

物語の終盤、ゆったりとした演奏が続いていた音楽がピアノによる「secret base 〜君がくれたもの〜」の序奏に変わります。
その音色が光の粒が弾けるような雰囲気で素晴らしく良かったです
まぁが「せっかくだから、あれ歌わない?あの頃、ももがお勧めしてくれた曲。結局4人で一度も歌えなかったじゃん」と言います。
4人で話しているうちにバイオリンの演奏も始まり、「secret base 〜君がくれたもの〜」の歌唱に突入します。
途中の歌詞省略が全くないガチのフルコーラスでした。
「〜Diary〜」から何度も登場し、本作にとって重要な曲になっている「secret base 〜君がくれたもの〜」を、最後の最後にフルコーラスで披露する構成が良いなと思い、脚本村田こけしさんのセンスの良さを感じました。
10年越しの思いを感じ、4人揃って歌うことが出来て良かったです





(「secret base 〜君がくれたもの〜」フルコーラス時。)




(スクリーンには10年前の青春の写真が次々と映されて行きました。)




(ツイッターで公開されている「secret base 〜君がくれたもの〜」歌唱の一部。)

皆さん歌が上手く、注目していた長谷川玲奈さんは終始「主旋律」で歌っていて素晴らしく上手いと思いました。
4人それぞれ歌声に特徴がありました。
長谷川玲奈さんはキュートな響き、小坂井祐莉絵さんは癒しの響き、馬嘉伶(ま ちゃりん)さんは高貴な響き、大西桃香さんは凛とした響きという印象を持ちました。
馬嘉伶さんは台湾出身の方で、日本語での歌唱は不利な条件ですが、声質には神聖さがあって良いなと思いました。
いずれこの4人でアイドルと声優によるコンサートを開催しても面白いのではと思います。





長谷川玲奈さんは164cmの高い身長でスラリとしておられ、雰囲気も凛としていて非常にステージ映えする人で、声の演技力も歌唱力も高く、本業は声優ですがぜひコンサートや舞台などにもどんどん出演してほしいと思いました
素晴らしい表現力をお持ちだと思います




「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」、素晴らしい作品でした。
「10年の月日」が大きなテーマになっていて、れなは「10年の歳月は長いように感じるけれど、体感は本当に光の速さ」と語り、本作における重要な楽曲「secret base 〜君がくれたもの〜」には「10年後の8月 また出会えるのを信じて」という歌詞が登場します。
10年前に起きたことで心に空虚さを持つようになったれなが、10年を経たこの日の奇跡で凍っていた心が融けて未来を見据えることが出来たのが良かったです。
次に3人で集まる時、またその次に集まる時と、未来に向かって新たな日々をしっかり歩んでいってほしいです



-----参考 フルコーラス割り振り-----
れなのアカペラソロ「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて 最高の思い出を」  泣きながら歌っていました。

ピアノとヴァイオリンも入り、スクリーンに10年前4人で海辺で楽しく過ごしていた時の映像が出ます。

ゆり「出会いはふっとした瞬間 帰り道の交差点で 声をかけてくれたね 「一緒に帰ろう」」
まぁ「僕は照れくさそうに カバンで顔を隠しながら ほんとはとてもとても 嬉しかったよ」
れな、ゆり「ああ 花火が夜空 綺麗に咲いて」
ゆり「ちょっと切なく」
れな、ゆり「ああ 風が時間とともに流れる」
もも「嬉しくって 楽しくって 冒険も色々したね 2人の秘密の基地の中」
全員「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて」
全員「君が最後まで 心から「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ 涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね」
全員「最高の思い出を」

れな、ゆり「ああ 夏休みも あと少しで」
れな「終わっちゃうから」
れな、ゆり「ああ 太陽と月 仲良くして」
まぁ「悲しくって 寂しくって 喧嘩も色々したね 2人の秘密の基地の中」
全員「君が最後まで 心から「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ 涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね 最高の思い出を」

れな「突然の転校で どうしようもなく」  「伸び」と「浮遊感」が凄く良く、上手さにハッとさせられた箇所です。
れな「手紙書くよ」  ここから1人ずつ歌のリレーでももへと繋ぎます。
ゆり「電話もするよ」
まぁ「忘れないでね」
もも「僕のことを」  「僕のことを」をももに持ってくる構成が良いと思います。
もも「いつまでも 2人の基地の中」
全員「君と夏の終わり ずっと話して 夕日を見てから星を眺め 君のほほを流れた涙はずっと忘れない」
れな、ゆり、まぁ「君が最後まで 大きく手を振ってくれたこと きっと忘れない だからこうして夢の中でずっと永遠に」  3人のももへの思い。だからももは歌っていないのだと思います。
もも「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて」  10年を経た今日この日に向けての、ももの思い。
れな「君が最後まで 心から「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ 涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね」  特にももと仲良しのれなからの、ももへの思い。直前のももの歌詞と掛け合いになっています。
全員「最高の思い出を」
もも「最高の思い出を」
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-----長谷川玲奈さん登場作品の記事-----
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「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」


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「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」

2022-02-27 07:19:51 | ウェブ日記


(左からピアノARUHIさん、もも(大西桃香さん)、まぁ(馬嘉伶さん)、れな(長谷川玲奈さん)、ゆり(小坂井祐莉絵さん)、バイオリン小泉奈美さん。写真はネットより。以下同じ)

今回ご紹介するのは朗読劇「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」です。

-----内容&感想-----
「朗読劇」を見るのは初めてでした。
新鋭の声優、長谷川玲奈さんの出演をきっかけにこの朗読劇に興味を持ちました。
長谷川玲奈さんは元はアイドルをしておられ、2019年6月からクロコダイルという声優事務所に移籍し、声優としての活動を始めました。
現在20歳で今年の3月15日に21歳になるという若い人で、コンサートで歌唱をしたり舞台や朗読劇にも出演していて、そういった時にどんな表現をされるのかかねてより見てみたいと思っていて、今回ついに見ることが出来ました

朗読劇は2月19日と2月20日の2日間、東京都新宿区の新宿アルタKey Studioで上演されました。
配信のアーカイブが2月27日の夜まで見られるので、私は配信チケットを購入してアーカイブを見てみました。





物語はれな(長谷川玲奈さん(声優))、ゆり(小坂井祐莉絵さん(声優))、もも(大西桃香さん(AKB48))、まぁ(馬嘉伶さん(AKB48))の高校2年生4人組によって進んで行きます。
時期は夏休みの少し前で、会話には中学生や高校生ならではの明るさ、にぎやかさがとても良く出ていました





ピアノ(ARUHIさん)とバイオリン(小泉奈美さん)による音楽の生演奏も印象的でした。
ピアノが一番最初に演奏を始める時に手を挙げて何かの合図をしていて、生演奏なので「タイミング」の取り方は特に重要と思われ、大変だったのではと思います。
バイオリンの演奏がピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)に変わった場面もありました。
泡がフワフワと浮かんでいるような音色で、青春の楽しさ、儚さが表現されているようで良いなと思いました。

中学校から親友なのがれなとももで、同じ高校に進学して1年までは同じクラスで2年のクラス替えで離れ離れになり、それぞれに仲良くなったのがゆりとまぁとのことでした。
れなはゆりと、ももはまぁと仲良くなり、高校2年の春からは4人で過ごす時間が多くなりました。
れなは元気、ゆりはしっかり者、まぁは奥手、ももは食いしん坊という特徴があります。
まぁがももに初めて話しかけられた時、最初はテンションが低く大人しそうに見えたのが、慣れてくると明るくなっていったのが相手に心を許したのが分かって良かったです。

4人が将来のことを話す場面になると演奏の音色が変わりました。
ピアノ中心のとても明るく希望を感じる音色になっていて、生演奏が作品世界を強力に形作っているなと思いました。





ももが「みんなに聞きたいことがあったんだけど」と言ってスマホを取り出す場面がとても印象的でした。
その少し前から音楽はピアノ独奏でZONEの名曲「secret base 〜君がくれたもの〜」の序奏をゆったりと続けていて、スマホでその曲を再生する瞬間、バイオリンが演奏に入って「君と夏の終わり 将来の夢」の歌い出しの部分を演奏しました。
夏の終わりに将来のことを話している4人の場面にピッタリ合っていて胸が高鳴りました
ももは「最近の曲だと思ったらもう10年も前の曲みたいで」と言っていて、ZONEの「secret base 〜君がくれたもの〜」が発売されたのは2001年なので、4人が話しているのは2011年だと分かりました。
そこからしばらく「secret base 〜君がくれたもの〜」が演奏される中で、もうすぐ夏休みになることやあっという間に3年生になり進路が決まってくることなどを話していて、作品を象徴しているかのような非常に印象的な場面でした。
4人のテンションが高く楽しそうなのにバイオリン中心の音楽には胸が締め付けられるような響きがあり、二度とは来ない青春の一瞬のきらめきのように感じました。

ゆりが「正直なことを言うと、私はれなと2人のほうがちょっとだけ居心地が良かった。4人で居るのも楽しいけど、玲奈の目線や思考の先にはいつもももが居て、そういう相手が私にはいないから羨ましかった」と胸中を語っていて、それも青春だなと思いました。
多かれ少なかれ似たような経験のある人は居るのではと思います。
また「secret base 〜君がくれたもの〜」の演奏は何度も登場していて、明らかに本作にとって重要な曲なのが分かりました。





れなが「タイムカプセルを埋めよう」と言い、10年後に取り出すことになります。
これは「secret base 〜君がくれたもの〜」の歌詞「10年後の8月 また出会えると信じて」をモデルにしているのではと思いました。
また2001年のZONEの楽曲に加え、2011年に放送された有名テレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のエンディングテーマになり、さらにZONEが10年後の8月(2011年8月)に再結成され話題になったこともあり、曲調や歌詞を知っている人も多いのではと思います。
ももは「4人で初めての思い出作りだよ」と言い、れなは「今しか出来ないし、今やるから楽しい」と言います。
それぞれが自分が埋めたいものと、みんな宛ての手紙を持ってきて、翌日に海辺に埋めることになります。
れなは最近皆のことを日記に書いていてそれを埋めることにします。
翌日に向けて海辺から帰る時に「secret base 〜君がくれたもの〜」を歌う場面になり、それまでも何度かフレーズを歌っていましたがこの時が一番長く歌い、とても楽しそうで良い場面でした。





注目していた長谷川玲奈さんは朗読の際の情感の込め方の上手さとともに、声優としての確かな実力を感じる場面がありました。
ももがれなの埋める日記について「きっと恥ずかしいことが書いてあるんだろうな。私たちへの、愛のメッセージとか?」と言うと、れなが「愛、じゃないかも知れないよ?憎しみ、憎悪だらけかも知れないじゃん」と言います。
「憎しみ…」と語り出す時に一気に声に凄みが出て、直前までの元気で明るい声色からの変化が凄く印象的でした。
ももが「えっそうなの!?」と言うとれなが今度は10年後を意識したような大人びた声色で「ああ、それも、10年後のお楽しみだね」と言い、次々と声色を変えていて表現力が素晴らしいと思いました
また事務所の先輩でもある小坂井祐莉絵さんも声への情感の込め方がかなり上手く、ゆりがしっかり者のキャラクターなこともあり朗読劇をしっかりと支える存在になっていた気がします。

れな一人で朗読する場面になり、
「私は、いや、私たちは、たぶんあの日のことを忘れない。忘れないし、あの時起きた出来事を、忘れることは出来ない」と意味深なことを言います。
最後に重大なことが起きて17歳の女子高生時代を描いた ~Diary~ が終わりました。





(海辺に立つもも(大西桃香さん)。爽やかで若々しいとともに、消えてしまいそうな儚さも感じるのが青春のきらめきだなと思います。)


「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」、楽しく見させて頂きました。
17歳の物語が終わるとともに、この朗読劇には10年後の27歳を描いた「~Hanabi~」もあります。
タイトルに「もう一度、あの日の彼女に会えたなら」とあるように、それが叶わない願いになっているのが分かります。
「~Hanabi~」で大人になった27歳の皆さんがどんな物語を見せてくれるのか楽しみにしています



-----長谷川玲奈さん登場作品の記事-----
「長谷川玲奈 1st写真集 一瞬の光」
「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」


-----関連記事-----
「山口真帆 1st写真集 present」
「DIVER-特殊潜入班- 第二話」
「ショコラの魔法」(主演:山口真帆)
「罪のない嘘 ~毎日がエイプリルフール~」三谷幸喜
辰巳真理恵 菅原りこ 追川礼章 SPECIAL CONCERT
「PERSONA5 the Stage #3」(主演:猪野広樹)

2月の大きな太陽

2022-02-23 09:09:26 | ウェブ日記


(1月8日、「アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ」の帰り道に撮影した夕方の太陽)

近年を振り返ると、2月の朝に地平線から顔を出した太陽が、とても大きく感じることが何度かありました。
同じように感じたことが子供時代にもありました。

ふと気になりネットで調べてみると、「2月」は特に関係なく、「朝晩に大きく見える」ことが分かりました。
冒頭の夕方に撮影した写真も、夕日を見た時に昼間よりも少し大きく感じました。
さらに、「目の錯覚でそのように見えるだけ」ということも分かり驚きました。

総合すると、「2月はちょうど日の出の時間帯に外を歩くことがあり、その時に地平線付近が晴れていると、大きな太陽が見える」ということのようです。
今年の2月の朝はタイミングがピタリと合った日があり、オレンジ色の凄く大きな太陽が地平線から顔を出しているのを見て、思わず歩きながら見入りました。
太陽は何も語りませんが、その姿からは「穏やかな雄大さ」といった言葉が思い浮かびました
たとえ目の錯覚であっても、大きな太陽を見られるのは良いものだと思います。
これからも朝晩、上手くタイミングが合って大きな太陽に見入るのを楽しみにしています

地域に根差す 広島交響楽団と路面電車

2022-02-20 05:53:33 | ウェブ日記


写真は広島駅前に停車している路面電車で、電車の車体に広島交響楽団がプリントされています。
ただの広告ではなくて、広島電鉄株式会社による応援企画とのことで、車内では楽団員による電停案内やメッセージも流れます。
この路面電車を見て、広島交響楽団は地域に根差しているなと思いました。

歌唱、クラシック、演劇など、どのような活動団体であれ、ホームグラウンドとなる地域を持っている場合がよくあるかと思います。
広島交響楽団の場合は、名前にもあるように広島県広島市をホームグラウンドとしています。
そして広島電鉄株式会社も協力して車内に楽団員による電停案内やメッセージを流していることから、広島交響楽団の活動に好印象を持ってくれていることが分かります。
地域の人達に受け入れられて応援してもらえるのは、活動団体にとって喜ばしいことだと思います。

地域の人達に応援してもらえるかは「信用」によって成り立ち、その信用はやはり日々の一つ一つの発言、行動、活動によって形作られて行くと思います。
長い年月をかけて積み重ねてきた信用が路面電車での応援企画という形になって現れていると思われ、応援したい存在になっているのだと思います。
活動団体側が地域の名を冠し、地域側も自慢の存在として応援して行くのは、まさに二人三脚という雰囲気がして良いものだなと思います。
しっかりと地域に根差したオーケストラとして、これからもたくさん活躍していってほしいです

「IZAYOI ~古城を照らして~ -川上統門下作曲作品発表会より-」

2022-02-12 13:13:35 | コンサート、演奏会


(「IZAYOI ~古城を照らして~」演奏後、お互いの健闘を称えるフルートの九鬼みつ実さん(写真左)とエレクトーンの明神あみさん)

2021年2月28日、広島県の「広島市東区民文化センター スタジオ1」で行われた「Little Ideas Vol.1 -川上統門下作曲作品発表会-」を聴きに行きました。
川上統さんは広島市のエリザベト音楽大学で専任講師をしておられ、大学内外に門下生を抱えていて、その方々が作曲した作品の発表会が行われました。
私は出演者の一人、エリザベト音楽大学生の明神あみさんとツイッターで縁があり、「こういった発表会があるので良かったらどうぞ」とご紹介頂き、興味を持ち足を運んでみました。
全部で15演目ありましたが、発表会の方針として比較的関係者向けでもあったので、今回は写真使用のご許可を頂いた明神あみさん出演の演目をクローズアップしてご紹介します





(広島市東区民文化センタースタジオ1の様子。暖かな色合いが良かったです


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プログラムに掲載の曲紹介

「IZAYOI ~古城を照らして~」
作曲:明神あみ
フルート:九鬼みつ実
エレクトーン:明神あみ

十六夜(いざよい)は わづかに闇の 初哉(はじめかな) (松尾芭蕉)

満月の十五夜の翌日が十六夜。
僅かながら、暗闇に向かって月が欠け始める。
不知夜月とも言われ、十五夜より遅れて現れ、一晩中照らすことから夜を知らない月とされる。
そんな十六夜の月明かりに照らされて、古城だけが浮かび上がって見えている。
この古城は、戦いの時代と平和の時代を見つめてきた。
いつ出るか、いつ来るか。
今も昔も変わらない十六夜の月と城。
この2つのイメージを掛け合わせて作った曲となっている。
今回コラボレーション楽器としてフルートを使用した。
生楽器の魅力を引き出せるよう、電子音の設定に試行錯誤した。
生音と電子音のコラボレーションの可能性をお伝えできればと思う。
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(Youtubeで公開されている「IZAYOI~古城を照らして~」のエレクトーン演奏)




(川上統さんのトークで、明神あみさんは門下生ではないですが、よく面白い曲を書くので発表会に出ないかと声を掛けたとのことでした。)

冒頭、とても不穏に演奏が始まりました。
音色がとても日本的な和の雰囲気で、最初は「月夜」とともに、月に照らされる夜の神社も思い浮かびました。
やがて和の雰囲気の音色が激しくなり、凄い迫力で鬼気迫る演奏になります。
それらの不穏さ(妖しさ)や鬼気迫る雰囲気から、大河ドラマ「独眼竜政宗(伊達政宗)」のオープニングテーマに通じるものがあると思いました。

エレクトーンによる「太鼓」を叩くような音色もあり、さすがに1台で何百種類もの音を出せる楽器だと思いました。
フルートも和の雰囲気の曲によく合い、相性の良さを感じました。
プログラムに掲載の曲紹介に「生音と電子音のコラボレーションの可能性をお伝えできればと思う。」とありましたが、エレクトーンとフルートの組み合わせはとても面白いと思いました





(九鬼みつ実さん、明神あみさんともにエリザベト音楽大学の当時2年生で、若くして良い演奏をしておられ楽しみな人達だと思いました。)

エレクトーン、フルートともにかなり上手い演奏だと思いました。
不穏さ(妖しさ)、迫力、さらには神秘も感じる音色に聴き入りました
フルートが入ると和の雰囲気がよりパワーアップし、きらびやかさも感じて妖しさに華を添える響き方になって良いなと思いました。
このエレクトーン/フルートのユニットでコンサートを開催し、この曲を弾いてほしいと思う魅力がありました。





「IZAYOI ~古城を照らして~」のエレクトーンとフルートによる演奏、素晴らしかったです。
何百種類もの音を出せるエレクトーンの特徴を生かして不穏で妖しい和の雰囲気の作品世界を作り、そこにフルートが入って妖しさを際立たせていて、息の合った良い演奏だと思いました。
当時から約1年経った今、さらに演奏力が上昇しているのではと思います。
新型コロナウイルスによる混乱が続いてはいますが、またいずれコンサートや演奏会でお目にかかれる日を楽しみにしています



明神あみさん、九鬼みつ実さん登場の演奏会
音大生支援協会スペシャルコンサート 第6回 広島公演


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

手打ち十割そば結喜庵 野菜天そば

2022-02-11 17:12:15 | グルメ


以前、広島県広島市にある手打ち十割そばのお店「結喜庵(ゆうきあん)」に行きました。
十割(じゅうわり)そばとは「つなぎ」を使っていないそばのことで、そば粉は水だけで麺にするのが難しく、十割そばを打つには高度な技術が必要とのことです。
何と「ミシュランガイド」にも掲載されたそばの名店とのことで、どんな味なのかとても興味がありました
そばの風味を一番楽しめるのは「もりそば」ですが、冬の寒い時期でもあるので温かい「野菜天そば」を頼みました。




こちらが結喜庵の野菜天そばです。
そばは舌触りがとても滑らかで、醤油ベースの汁もさっぱりしている上にコクのある味付けがとても良かったです。
「温かいそば」であってもそばの風味がしっかりと主張してくるのが凄いなと思いました。
時間をかけてゆっくりと食べたくなる美味しさがありました。




天ぷらはいんげん2つ、れんこん、舞茸、かぼちゃ、にんじんで、注文を受けてから揚げるので新鮮でした。
にんじんとかぼちゃの天ぷらが、硬いのを想像していましたがどちらも柔らかくて驚き、ホクホクしていたので茹でてから揚げているのではと思いました。
素材の持つほのかな甘味が広がって良かったです

漬け物はたくあんと菜っ葉で、たくあんは少し甘味を感じ、さらに爽やかな風味で美味しかったです。
菜っ葉は塩気を強めにしていて、こちらは瑞々しさがあって食べやすく美味しかったです。

結喜庵のそば、素晴らしい美味しさでした
寒い時期が終わればもりそばもぜひ食べてみたいと思いました。
そばは白米に比べて低カロリーな上に高たんぱくで、ダイエットに向いている食べ物でもあります。
カロリー控えめで美味しい食べ物が頂けるのは嬉しく、結喜庵のようなお店なら何回も食べに行ってお世話になるのも良いなと思いました