湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

海の不幸、山の幸

2010-04-28 18:28:31 | 自分四季報


「大磯町大雨警報発令中」
1号線の電光掲示板のこんな表示を見ながら大磯港へ。
こちらを拝見してヨダレが出て、今日はオフの妻と息子を連れて出かけたのだ。
横殴りの雨と防波堤に打ちつけた波が白くはじける様が、「警報」という文字を際立たせる。
「いま40分待ちです。小一時間はかかるかもしれませんね。おまけに今日はシケで魚も上がっていませんから料理も限られちゃいます」
雨ガッパのフードの前を押さえながら車のところまでやってきて係の方が言う。
平日だし、雨だし、大丈夫だろうと開店時間に合わせてやってきたのに、甘かった。すごい人気なんですね。係の方と話している間にも、後から後から車がやってくる。
残念だが今日はあきらめることに。
普通にランチをして買い物を済ませた帰り道、ふと見上げた湘南平が霧に包まれていた。高い山なら、頂上が雲に隠れているような風景だ。
「上はどうなっているんだろう」という息子のつぶやきに反応して、ハンドルを切った。
上の写真は登坂の途中、車の中からのショット。緑のトンネルの先が霧の中。なんだか幻想的なシーンで、車内は盛り上がる。
展望台に上がると白一色。視界10メートルといったところか。かなり冷えている。
雨が小降りになる。すると、少しずつ見通しもよくなってきた。千畳敷へ歩みを進める。
あっと思ったら、今の今までまったく見えていなかった大きなテレビ塔がいきなり僕達の前に浮かび上がった。


どんどん霧が晴れてくる。同時にみるみる気温も上昇し、まったく寒くなくなった。
さっきは白い霧に隠れて見えなかった町並みが、今はくっきりと目に飛び込んでくる。
わずかの間に夢のようなひとときを過ごし、僕たちはゆっくりと坂を下っていくのだった。
魚料理は食い損ねたが、山で珍しい体験ができたね。
おや、よく見ると、テレビ塔にはいつのまに白いパラボラアンテナがたくさん取り付けられていますね。