湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

珈琲と古本と

2013-10-31 22:38:08 | 湘南ライナーで読む


あ、こんな所に古本屋さん、あったかな?
以前、実家のある駅の商店街のケーキ屋さんに行ったとき、その2階にいつの間にか古本屋があるのを発見した。ただそのときは薄暗くて急な階段を上ってみたものの、扉の向こうの様子に怖気づいて引き返してしまったのだ。



その後、新聞記事で実は飲食も提供する『しましまブックス』だと判明。でも、なかなか行く機会がなかったのだが、ようやく願いが叶い、扉を開けた。

狭い通路の左右の棚をひやかしながら奥へ。すると右手に視界が開け、まるでバーのようなシックなカウンターが現れた。カウンターの反対側は本が山積みなので、そこだけ異空間のよう。そして「いらっしゃいませ」と人の良さそうなご主人が迎えてくれた。
自然に「こんにちは~」と声が出てしまう。ただ、その後は僕一人しかいない店内でいい距離感を保ってくれたので、気を遣うこともなく棚の本を眺めることができたのだ。もちろん、ハタキでパタパタやられることもなく(笑)。
何冊か目星をつけたが、それらはまた来た時のためにとっておこうと思い、今日は文庫で持っているこのハードカバー初版を記念に購入。平塚や海老名、厚木、さらにわけあって今日行かなければならない長後も登場するということで(笑)。初版といっても、それ自体にはまったく価値なし。

さて、カウンターで代金を支払う際に、コーヒーも頼んで席に着く。ちゃんと豆を挽いて淹れてくれるコーヒーがおいしい。かねてから僕は本と珈琲の親和性の高さを説いてきた(誰に?)が、はたして初めて古書店の中で飲むコーヒーは格別だったのである。
しかも、階下の坂道を高校生たちがぞろぞろ歩いていく。本と珈琲に学生が加わり、さらに気分は高まった。

特別おしゃれでもなく、いや反対に雑然として垢抜けない印象すらある空間だったが、とても気に入った。今日はあまり時間が取れなかったけれど、今度はゆっくりしたいと思うのだった。




最後のドライブ

2013-10-30 17:56:27 | あんな物こんな物


今のクルマに買い替えてから14年が経った。数えてみると、社会人になってすぐに買ったファミリアから始まって6代目である。
5代目までは、1回目か2回目の車検のタイミングで買い替えてきた。ただ、6代目は当時としてはまだ珍しかったブルーでとても気に入っていたのと、クルマ自体への興味がだんだん薄くなり「欲しい」と思えるクルマ自体にも出会えなくなってここまできてしまった。もちろん、この11月に控える車検もこのまま通す気でいたのだ。
ところが、今春高校を出た娘が学校のすすめでトヨタのディーラーに就職、いいタイミングだから「自分で買う」と言い出した。とはいえ、2台を持つ余裕も駐車スペースもなく、結局“買い替え”ることに。

まさかのトヨタである。
老い先長くはない(笑)僕の人生の中で、トヨタのクルマに乗ることになるとは考えてもみなかった。これまで1度だけ日産テラノに浮気したものの、あとはずっとマツダだった。今後も、あってスズキかと思っていた(笑)。
ジャイアンツよりベイスターズ、ドコモよりもau、ニコンよりもペンタックスやリコー、トヨタよりもマツダ・・・
そんな僕のアイデンティティを揺るがす屈辱の選択(笑)。僕が運転している姿を見て、そういう男なのかと思わないでくれー、勘違いしないでくれー、笑わないでくれよー!

というわけで、明日が納車日なので、今日は眠い目をこすりながら晴れ渡った海沿いの西湘をブッ飛ばし真鶴半島をぐるっと回って帰って来た。気持ちよかったけど、なんだか悲しくなってきた。
明日からは、遂にどこにでもいる普通のおじいさんへの道を歩み始める…いや走り始めることになるのだろうか。

写真はスーパーの駐車場で。奥が現在のマイカー、手前の白が明日来るのと同型のクルマ(色違い)。

三島行きよ

2013-10-29 21:45:40 | お休み日和


雨の予報だったが、それほどでもないだろうと楽観して下り電車に乗る。
松田に続いて、またしても特に思い入れもなく、なぜか三島へ。
ま、平塚からだとちょうど1時間なので、東京駅へ行くのと変わらないんだけどね(笑)。

ただ、着く頃には雨脚が強まり、考えていた貸し自転車は断念。こうなると行動半径が狭くなるものの、それでも傘を差し靴を濡らしながら歩く歩く。
平塚なんか比べものにならないくらい商店街が大きく羽根を広げていて驚いた。ただし、やはり御多分に洩れず古い建物が建て替えられていたり、歯抜けになっていたりでちょっと残念。やっぱりもっと早くくるべきでした。

で、雨が上がりそうもないので街歩きの方針を変更して、午後はクレマチスの丘へ。その一角に建つIZU PHOTO MUSEUMで「増山たづ子 すべて写真になる日まで」展を観て笑顔になったり、不覚にも涙を流したり(笑)。だって、おばあちゃんが撮った写真と、そこに添えられた言葉があまりにも…。他に観覧者がほとんどいなくてよかった。
晴れていればこの丘はかなり気持ちのいいロケーションらしいけれど、この写真展を観ただけでも充分満足だったなぁ。

三島はとてもじゃないけど一日にして回れず、なので、今日はロケハンだと考え(何のロケハン?)、また今度ゆっくり訪問することにしよう。とりあえず、このショウワトリップも小出しにしていきます(笑)。

ロマンス通りをいく

2013-10-28 20:53:33 | お休み日和


『ロマンス通り』
なんとも素敵なネーミングである。ネットで検索してみると池袋にもあるようだが、僕が歩いたその通りは神奈川県足柄上郡にある松田町だ。かなりローカルで、昭和の香りが漂う町の中を真っすぐにのびる通りに『ロマンス通り』の看板が取り付けられていた。
地方都市にありがちなシャッター通り化しているが、かつてはロマンスが生まれるほどキラキラしていたのか、ロマンチックな店が連なっていたのかは不明。
通りの端まで歩いて左折、酒匂川にかかる橋まで行くと、鉄橋を小田急線が渡るのが見えた。銀色や白の電車が何本か行き来していたのだが、そのうち両方から特急がやってきてすれ違ったのだ。
おぉ、ロマンスカー!
ひょっとして『ロマンス通り』の由来は「ロマンスカー」(笑)


よく見えませんが、上下線ともロマンスカー。

ブルーな日曜

2013-10-27 18:18:57 | あんな話こんな話


日常生活には支障がなくなったものの、腰の具合が芳しくなく力仕事のバイトに復帰できない。
力仕事をしていたからカラダの調子がすこぶる良かったわけで、ここのところ完全になまっている。そこで、久しぶりに腰に負担の少ない自転車にまたがった。
風を受けて走るのは、やっぱり気持ちがいいものだ。おまけに空も海もとびきり青い。その空と海をただ眺めているだけの人が防波堤にたくさんいる。時間がゆっくり流れる穏やかな休日だった。

ただ、新潟からは敗戦の知らせが・・・

年寄りの中でも若手

2013-10-26 17:55:59 | あんな話こんな話


「アタシは眼科へ行って来たところよ」とか「アタシはこれから総合病院ですよ」なんてお年寄りの会話が聞こえてくる病院の待合室。
あらあら大変だなぁと他人事のように思っていたのに、自分がハシゴすることになった。
すっかり年寄りだと実感(笑)。
でも、その待合室ではイチバンの若手だと思っている。一応。

写真は、里芋の葉に載る雨水。しみ込むことなく全部はじいて、なんと若々しい。※ケータイで撮影

崖っぷちも挑戦も続く

2013-10-25 16:56:33 | 湘南ベルマーレ


『崖っぷち社長の挑戦』(眞壁潔著 草思社 1,500円)は、まあアレですね、今後のベルマーレの営業にとってもたいへん有効な資料になるということ(笑)。
社長がすでにいろいろな所で語ってきているものの集大成でもあり、また初めて知るエピソードなどもあって興味深く読むことができた。

ベルマーレが独自の道を歩むことができているのは「Jリーグの理念」×「地域性」がベースになっていることが、まずはよくわかる。でも、それをシッカリ理解した上で柔軟な発想を持った、しかも地元で生まれ育った社長の存在があったからこそなのだ、ということも改めてよくわかったのである。

それから、ビックリするような数々の苦難が次から次へと襲ってきたというマイナス要因がなければ、今のベルマーレの姿はなかったんだよね。ただ、それも運命だったと一言では片付けられないほどの苦難ばかりだったのだから頭が下がる。しかも、それをチャンスに変えて新しい活路を見出しカタチにしていくバイタリティには感動するばかりだ。
そんな社長をはじめスタッフ、選手、関係者が頑張るベルマーレという唯一無二のクラブを愛している自分がまた誇らしくなるのである(笑)。

今も崖っぷちにあり、これからもずっと挑戦は続いていく。だから、この本には続編がある。

立体的造形装置

2013-10-24 18:26:34 | あんな物こんな物


「3Dプリンタという名前がキライなんですよね」
こうおっしゃったのは茅ヶ崎にある設計会社の社長さんだ。ひらつかサン・ライフアリーナで今日から始まった「湘南ひらつかテクノフェア2013」での講演で。

以前僕が勤めていた横浜のNPOの代表がこのイベントにやってくるというので顔を出してみた。FabLab Kannaiをスタートさせた張本人でもあるこの方の基調講演の後、茅ヶ崎の社長さんによる「3Dプリンターを活用したビジネス事例」というお話が始まった。毎日現場で格闘しているだけに、リアルに伝わってきて楽しい。
実際に自作した3Dプリンタを動かして説明してくれたのだが、そのマシンの部品のいくつかも他の3Dプリンタでつくったというから面白い。

いま話題の3Dプリンタだが、個人的にはそのネーミングにずっと違和感を覚えていた。世界的にはこの名前で通っているわけだし、たしかに立体的に印刷しているのだろうけれど、日本語の印象としては何か「プリンター」がひっかかるんだよね。どうしてもあの驚きのマシンのインパクトや、そこから産まれる造形物が想像できないのだ。

茅ヶ崎の社長さんもそんな思いと「いろいろな呪縛から逃れるために」考えたという。いいぞ、いいぞ、さすがに自分で作っているマイスターだけのことはある。期待、大だ。
そして、その新たなネーミングとは・・・

『Additive Manufavturers Syateme』
日本語では『加法的な製造システム』だとのこと。

ん~。どっちにしても僕にはよくわからないなぁ。


写真は、興味津々のセミナー参加者。平均年齢がちょっと高いかも。後ろ姿が茅ヶ崎の社長さん。

三つの幸せメニュー

2013-10-23 19:20:43 | B食の道


開店時間の少し前に到着すると、すでにお店の前には10人ほどが列を作っている。平日だというのに。
平塚の大神、129沿いにある『三幸苑』は、タンメンやチャーメンで名高い野毛の『三幸苑』の暖簾分けとのこと。
駐車スペースが広いので店内も大きいのかと思っていたが、初めて入ってみたら意外にこぢんまりしていた。席数は25程度か。いい感じに枯れた古い大衆食堂のよう。なぜか、店内の窓という窓を覆うのはカーテンではなく、色とりどりの暖簾だ。
さて、開店と同時に小上がり以外はほぼ満席に。そして、端から全員が注文を申請するのだが、驚いたことに「タンメン」「サンマーメン」「餃子」以外頼む者はゼロだった。
ウチの夫婦も、僕が「サンマーメン」妻が「タンメン」(いずれも630円)をオーダー。僕の「サンマーメン」は独特のあんかけの粘度はたぶん弱め、あっさり系かもしれない。ただ、にんにくが効いていてクセになる味。たっぷりの野菜と細麺がうまく絡んで、これはおいしいですね。コストパフォーマンスもなかなか。開店前から並んだり、みんなが頼む理由が、食べ進めるほどによくわかる。
途中で丼を交換してお試し。「タンメン」は平打ち麺で野菜たっぷり。こちらもにんにくの香りがいい。
「おいしかったのでまた来よう」は夫婦共通の感想。ただ、二人とも今日と同じものを頼むと意見は分かれたのだった。

それにしても後から後からお客がやってきて、常に満席、相席が続く。もちろん、そのお客の口からは「タンメン」「サンマーメン」またはその「大盛り」と「餃子」以外のメニューは聞かれなかった。「タンメン」「サンマーメン」がこれだけおいしいのだから、他のメニューだっておいしいはずなんだけどね(笑)。

ちなみに、注文のほとんどが「タンメン」か「サンマーメン」なので、厨房も「タンメン」と「サンマーメン」をローテーションで調理しているようだ。複数で行って「タンメン」と「サンマーメン」を注文すると、間違いなく一緒にいただくことはできませんので(笑)。


小さい昭和みいつけた

2013-10-22 17:53:40 | あんな話こんな話


整形外科の帰り道にある小さな駄菓子屋さんだ。
子供のころ通った近所のお店に比べると、品数はかなり控えめ。ただ、平面的に並んでいる木枠のガラスケースが懐かしい(実際にはもうガラスは入っていないんだけどね)。
あまりにもささやかな感じ(笑)なので、今度また整形外科にかかって通ったときになくなっていたら後悔するはず、と考え思いきって入ってみた。

1個売りのガムやグミを選びながら、顔を出したおばあちゃんに聞くと、開店からすでに50年以上だという。
最近は子供の数も減っているので大変でしょうと言うと、実はそれがそうでもないらしい。

「ここのところ近所に大きなマンションがいくつも建ってね、子供が増えているのよ」

こんな小さくて慎ましやかで懐かしい駄菓子屋さんが、現代の子供たちの記憶に残っていくなんて、ちょっと素敵な話ではないか。
帰りがけに「頑張ってくださいね」と声をかけずにはいられなかった。
ちなみに、5個も購入したのにたったの90円。まるで「ちびまるこちゃん」を見ているようだった。