湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

有風人

2016-12-25 23:42:30 | あんな人こんな人


「勤務中なので、これで」
少し休んでいただこうかと思ったら、クルマをかまぼこ屋さんの脇に停めたままだからと颯爽と階段を下りていかれた。

クルマは人力車のこと。
青木さんが、本にサインを入れてわざわざ持参してくださったのだ。

この本はすでに絶版になっていたが、先日のイベントでホスト役の方が手に入れ「贈書」いただいたもの。これにサインをお願いしたら、いちど持ち帰りハンコも押して持ってきてくださったというわけだ。

おしゃれでおいしい落雁までいただいた。そして、さわやかでやわらかな風を残して去っていかれた。
つくづく粋な方。屋号は「有風亭」である。

言葉にできない

2016-12-23 23:07:52 | あんな人こんな人


自分のターニングポイントだったという15年前の話をしながら言葉に詰まり目頭を押さえた。

今では当たり前の人力車を鎌倉で初めて引き始めた有風亭の青木さんをお呼びしてのクロストークでのひとコマだ。その苦労を、そのとき支えてくれた人を思うと、こちらも泣けてくる。

こんないい話を、超狭い部屋に集まってくださった方と共に共有できてありがたい。いや、大きなホールではこんなリアリティーや一体感もなかったかもしれないな。

青木さんご夫妻、絶妙な聞き手のOさん、来てくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

うれしくて〜、うれしくてぇ〜、うー、うーう〜・・・
青木さん、お顔が小田和正さんに似てると思っているのは僕だけかな(笑)

人力車夫のバラード

2016-12-17 23:24:15 | あんな人こんな人


鎌倉には人力車夫があふれているが(笑)、ダントツの最古参といえばあの方。68歳で現役バリバリ。ご指名がメインで、鶴岡八幡宮での結婚式へ新郎新婦を乗せての往復する姿もよく見かける。

その方を迎えて来週、蔵書室でトークセッションがある。
午後、企画者がやってきて「実はその人力車に乗せてもらって来たんです」という。

窓から見下ろすと、まだいらっしゃった!

慌てて階段を下りてご挨拶。
相対してみると、いつも遠目で見ていた印象よりもずっと小柄だった。でも、日に焼けシワが刻まれたお顔が実にいい。鎌倉のザ・職人という感じ。
当日が100倍楽しみになったのである。



こちらは今朝の富士山。雲一つない空に欠け始めた月が。

すごい人も普通の人

2016-12-11 23:16:04 | あんな人こんな人


会員さんが写真展を開いてくださった。
合わせてスライドを作ってくださり、今日の最終日は何度かスクリーンに投影したのだ。

その何回目かに、実は誰もが知っているというすごい方が同席していたというのに、気づかない方が多かった(笑)。

テレビなどで見るよりもずっと華奢だし、気さくな感じなのできっと気づいていなかったんだろうなと思い後で尋ねたら、みなさん「え〜〜っ!」と。

でもさ、特別扱いするわけでも、おかしな視線を投げかけるでもなく、それでいて失礼もなく、とても良かったんじゃないかと振り返るのである。

ここではすごい人も普通の人、普通の人もすごい人。誰もが気楽にテーブルを囲める場だから。

幸せの後ろ姿

2016-12-07 21:26:01 | あんな人こんな人


「今年も最後までいいことありますように!」
「来年もいいことありますように!」
年末年始のニュースはこれだとひらめき、大門三郎さんにアプローチ。

もともとフェイスブックではお友達で「いいね!」しあっている仲(笑)。
先日、駅頭で声を掛けると、「このあいだ僕のウチが一番近い取材先になるって書いてたよね」と覚えていてくださった。

そして今日、本当にご自宅にうかがってインタビュー。
ちなみに眼鏡は外しているもののメークはそのまま、ジャケットのかわりにちゃんちゃんこ的な上着(笑)。

漫談からスタートしたというだけあって話が面白い。笑いと驚きと、そして感動。
苦労話を語りながら涙ぐむシーンもあり、こっちも危ういという何もかもが初めての取材となったのである。

なるほどこういう背景があるからこその「いいことありますように」「なにがあっても頑張れますように」だったのかと納得。

明日からいただくエールが、昨日までとは違って感じるかもしれないなぁ。

絵柄が人柄

2016-10-07 23:19:28 | あんな人こんな人


開室準備をすっかり済ませてから、あるイラストレーターの個展に出かけた。

数年前、まだ彼女が鎌倉に引っ越してきたばかりのころに知り合った。
地道な努力に加え人柄で人脈を広げ、あっという間に人気者になっていった。
その人柄がよく出た作品は、見るものにやさしさのシャワーを浴びせてくれる。作品の前に立つ人は、みんな笑顔だった。帰り際には自然に「ありがとう」という言葉が出てしまうほどだ。



さて、その個展の会場は、以前からよく通る道にあった。江ノ電と海に挟まれた住宅街で、特徴ある建物だからいつも気になってはいたのだ。

それが、伊藤正道さんのアトリエだったというので驚いた。しかも、もう亡くなられていたのでまた驚く。
「不思議な縁でここをギャラリーとして使わせてもらった」という。これも彼女の人柄なのだろうということがよく理解できるのである。



今朝の空。中央のベージュの建物がららぽ。

睡魔との格闘

2016-09-08 23:40:18 | あんな人こんな人


座ったらゼッタイ寝過ごしてしまうので、頑張って立っている。
でも、立っていたのに結局、乗り過ごしてしまうパターン(笑)。

常磐線の我孫子駅で下車するはずが、隣県の取手駅まで何度も行ってる人を知っている。
安心してください。
この電車は「小田原行」(県内)だから。

恵方巻きおばあちゃん

2016-02-03 20:20:30 | あんな人こんな人


2ヶ月近くかかったが、老母が今日退院。
ちょうど節分なので夕飯用に頼んであった恵方巻きを取りにコンビニへ。
妻が受け取って出てくると、なんとそこへコロッケおばあちゃんがやってきたではないか!

「あっ、恵方巻きですね、とってありますよ、さあさあ」

今日は仕事が休みの妻がドアを開けて招き入れている。

聞けば、恵方巻きのチラシをポスティングしている時にバッタリ出会って渡したら予約してくれたそうだ。

コロッケ以外も食べるんだ(笑)

このあとコロッケも買ったのかは不明だが、夕方に南南東を向きながらひとりモグモグやったと思われる。

退院したけどまだまだ危なげな老母のに比べ、腰が曲がって下しか見えていないようだけど元気なコロッケおばあちゃんだったのである。

期間限定のご近所さん

2016-01-25 22:46:44 | あんな人こんな人
「チラシください」

3日ぶりにチラシを配っていると、丸いメガネをかけたおじさんが歩み寄ってきた。

「2階ですよね」

あー、残念ながら3階なんですよー。
2階は立ち飲みビストロですてきなお店ですよ。6時オープンなんですけど。

「なんかいい店だって聞いたもんで。でも、そのチラシもらっとくよ」

どーぞ、鎌倉の本しか置いてない会員制の図書館なんですけどね。

「えーっ、すごいねぇ、いいねぇ。実は・・・」

と話が始まったら、なんとその方、4軒先の美容室のエントランスで写真展をやってることがわかった。

「ちょっと見に来て」
チラシ配っていたはずなのに、逆に勧誘されてしまい「外出中」の札をかけてみにいった(笑)。

あれ?
たしかエントランスで階段以外何もなかったはずなのに、お店みたいになってる。壁一面に写真がビッシリだし。

「入ってきた美容室のお客さんがみんな驚くんですよ」

ですよねー。
えっ、あれっ?
これ見たことあるなぁ・・・



えーーーーーっ!
この「Number」って・・・

「あぁ、僕が撮ったの、鈴鹿で」

お話を聞いていると、とんでもない写真家だということが判明。
僕のデジカメのメーカーのカメラやフィルムの開発にも関わっているという。

いやいや楽しい時間をいただいた。
そのあと蔵書室にも足を運んでくださったのだ。

夕方、お友達を連れてきてくださった。
「ほら、いいところでしょ」
名古屋から来たという方を紹介してくださった。

「けっこう有名な人だよ」
といわれたので後で調べたら、なんと赤ちゃんアザラシブームの火付け役となった動物写真家さんだったのだ!


写真展はすでに15日から始まっていたらしい。こんなに近所だったのに、向こうから声をかけてもらわなければ知らないままだったな。
31日までとのこと。


「チラシ貼っとくよ」

いや、雰囲気にそぐわないからいいですよ。

「ほら、違和感ないでしょ」

た・たしかに。



というわけで、なぜか貼ってあります(笑)。

インド人にびっくり

2015-12-24 22:27:30 | あんな人こんな人


イブもチラシ配り(笑)。
すると、向こうから外国人が近づいてきた。

「サンタさん?」

僕が真っ赤な上着を着ていたからだ。
飲食店のチラシ配りに間違えられないようにと、帽子は紺色にしたんだけどね。

この方、どこかで見たことがあると思っていたら、やっぱりそうだった。聞けば、極楽寺に暮らすインドのスパイス商人・アナンさんだった(息子さんとは先日名刺交換させていただていいた)。

日本語がお上手で、というかチラシもちゃんと読んでいただけた。で、いいことやってるじゃんとほめてくださった。

「ウチのもブックだよ」
と言ってる意味が飲み込めず、後でそういえば「カレーブック」というオリジナル商品を販売していたことを思い出した(失礼しました)。

「息子が『インドよ!』っていう本当の本を出しているよ。買ってくれる?」
というので、
「買いたいけど買えないんです。贈書、つまり寄付していただきたい」
と返すと、
「息子、ケチだからたぶんだめ。聞いてみるけど」
とのこと(笑)。

ぜひお願いしたいなぁ。
それに、カレーブックも並べたら面白そうだ。
また現れたらお願いしてみよう。


写真は、そのアナンさんにいただいたインドのお好み焼き。名前を教えてもらったのに、その場で忘れちゃった(笑)。「覚えた?覚えた?」と何度も言われたのに。小麦粉も砂糖も使っていない。チーズやオリーブオイルが入っているとのこと。素朴な味で、後をひく。