湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

深夜定番食堂

2010-04-20 18:32:37 | 湘南ライナーで読む


営業時間は、夜12時から朝の7時頃まで。
人は「深夜食堂」って言ってるよ。
客が来るかって?
それがけっこう来るんだよ。
メニューはこれだけ。
豚汁定食  六百円
ビール(大)六百円
酒(二合) 五百円
焼酎(一杯)四百円
あとは勝手に注文してくれりゃあ、
できるもんなら作るよ、
ってぇのがオレの営業方針さ

という店主自らの紹介文で始まる『深夜食堂』(安倍夜郎作画 小学館 743円+税)は、ビッグコミックオリジナルに連載されたものをまとめたマンガ本だ。
ときどき書店で見かけ気になっていたのだが、この手の本はビニールがかかっていて中が確認できず“ジャケ買い”の失敗を恐れ、手が出なかった。
しかし、帯にあるメニューのように並べられた料理の数々を見ているうちに、欲望が失敗を上回ってしまいレジに向かうことに。
だって「赤いウィンナー」「きのうのカレー」「カツ丼」「ナポリタン」「ポテトサラダ」…ですよ(笑)。B食の道を行く者にとって、読まずにはいられない文字ばかりが並んでいたのだ。

“ジャケ買い”は成功だった。
好みではないが味のある絵柄、ゆっくりとしたテンポ、そして個性的な登場人物と共に一話につき一つの料理が物語を紡いでいく面白さは絶品。ニヤリとしたり、ほっとしたり、ほんわかしたり、気持ちよくなったり…。
店主が作れる料理だけなので、特別なものなど登場しない。そんな誰もが知っている味だからこそ、それを想像しながらストーリーに浸れるところがいいのかもしれない。
間違いなく、2巻、3巻と“確信買い”する気になっている。
それにしても、冒頭から赤いウィンナーと甘い玉子焼きですからね、たまりません(笑)。