湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

ありがとう2008年

2008-12-31 17:53:32 | 湘南ベルマーレ


「おーい、もうダメか~」
大晦日の午後、ビーチに聞き覚えのある、かすれた声が響いていた。
小学生くらいの子供とキャッチボールをするお父さんだ。楽しそうに、でもかなり力を込めたキャッチボール。「パパの勝ち~」「1勝3敗~っ」「ウォ~ッ!」…
おぉ、よく見ると湘南ベルマーレ菅野前監督ではないか!
監督時代は電車通勤されていたので、今日はわざわざというかんじだろうか。
足元にはバットとサッカーボールが。
そういえば、さっきから『YKKap』のジャージ姿で砂浜をランニングしている若者もいる。カターレ富山所属MFの息子さんですね。
せっかくの家族で過ごす時間を邪魔してはいけないと思いつつ、どうしても一言だけ伝えたくて帰りがけに声をかける。
「ありがとうございました。頑張ってください」
握手を求めると、がっちり握り返してくれた。
ついでに、息子さんにも「頑張って」と。
一言じゃなく、すでに三言(笑)。
しかも、息子さんは来シーズンは、ライバルチームの選手じゃないですか。でも、全力で闘いましょう!ハード&ハート!
買い物を終えてブラリ一人でビーチまで来たけど、思いがけずちょっといい大晦日になった。
ありがとうございます。菅野さん。
そして、みなさん今年もご愛読ありがとうございました。
また、来年もよろしくお願いします。よいお年を!

写真の上の真ん中が息子さん、右の方に菅野さん親子。

お正月前には餅ついて

2008-12-30 23:49:55 | 自分四季報


暮れの30日は、海老名にある妻の実家でのお餅つき
年に1回のことなので、毎年思い出し思い出し試行錯誤していたのだが、なんと今年は年末行事運営マニュアル(笑)を義姉が作成していたおかげで、段取りよく進行した。
このお餅つきと、今が最盛期のイチゴもぎ&パック詰めで忙しい大人たちを助けて、子供たちが洗車や窓ふきなどをワイワイと。表の野菜直売所にも頻繁に車がやってくる。郵便屋さんや宅配便はくる、親戚も顔を出す…。もう、なんだか一日中にぎやかだった。
お昼は、みんなでつきたて(機械でだけど)のお餅を、長ネギの汁、あんこ、きな粉、大根おろし、いそべなどで、たっぷりと楽しむ。忙しくて、おいしくて、楽しい年末恒例行事。この楽しさは毎年大きく膨らんで、とてもマニュアル化できない。


“お飾り”をつけるのは、この家の跡取りでもある甥の役目。35ヶ所も!


普通乗用車×3、軽乗用車×2、トラック×1を洗車。


のし餅(1升)×6枚、お昼用、お供え用、大福&いちご大福用を製作。


摘みたてのイチゴを包んでしまうゼイタク!


やっぱり、そのままがイチバン!

たまご豆腐焼き

2008-12-29 21:16:29 | B食の道


年末の恒例になった鎌倉のお好み焼き屋さん『津久井』へ。
お好み焼き以外でいつも頼むのが、鉄砲(鴨肉と長ネギ)とお米焼き(しらす・えび)、そして『豆腐焼き』。今年は、店主の方が「ハーハー」言いながら焼いてくれた。
お豆腐を切る、醤油をたらす。それをひっくり返すとジュワーッという音と共に香ばしい匂いが立ち上がる。それを一旦端に寄せて、中央では薄い玉子焼きの製作が始まる。真っ黒な鉄板に、黄色が美しい。焼きあがらないうちに、そこに先ほどのお豆腐を載せてクルクルッと巻いて、ギュッと押さえつけて完成。この2本のヘラでの製作過程が、いい。ずっとこれをやってきたという独特の作法と流れがある。昨年のおばちゃんのそれと同じ手際、力の入れ具合である。すでにお腹にはかなりの量が入っているのだが、これを見ているだけで再び食欲が目を覚まし、どんどん高まっていくのだ。
なぜ玉子に包むのか、考えてみるとよくわからないのだが、過程を見てきたからこその美味しさだと思うのだ。
ところが、お隣のテーブルで始まったこの豆腐焼きショー、話に盛り上がって誰も見ていない。
これじゃ、厨房で作ってきたのと変わらないじゃん。ねぇー。



一息。一安心。一風呂。

2008-12-28 20:31:44 | 自分四季報


「今年中にアタマ行ってきな」
子供のころは、みんな親にそう言われて年末には床屋に出掛けたものだ。
そのクセが染み込んでいるのか、今でも12月中に髪を切らずにはいられない。
同じように染み込んでいる人が多いのか、今日は美容院が混み合っていた。サポートしている女性従業員のブーツの音が、忙しそうに響き渡る。いつもはのんびりした店内だが、やっぱり年末の雰囲気。
買い物に行ったスーパーでも、いつもの約55%増しで店員さんの声が出ていて、何か急かされる。あれもこれも買っとかないといけないんじゃないかという気になってくる。
これではイカンと、午後に一息。ちょっぴりコーヒー&読書。
そして、年賀ハガキも購入して一安心。
おぉ、安心している場合じゃない。書かないと!
その前に、隅々まで掃除をした(もちろん自分で)浴槽で一番風呂でも。

写真は、山北駅前の美容院

忙中閑ナシ

2008-12-27 23:46:01 | あんな話こんな話家族編


今年も横浜から両親がやって来た。
毎年、この時期に来てくれると、助かることがある。
さすがに親がやってくるので、あちこち片付けておく。どうせなら、ちょっと頑張って片付けようか。だったら本格的にやっちゃうか。というわけで、いつのまにか大掃除が終わっていた。
なんだかキレイになって嬉しいし、もうやることない。
と思っていたら、年賀状を一枚も書いていない!
というより、まだ葉書を買っていなかった!
髪も切りに行かなきゃいけないし、お餅つきもあるし…。おや、けっこう大変じゃん。やっぱり、年末は年末だあ。
写真は、両親が買ってきた『葦』の「ガトーフレーズ」。生クリームのうねりが見事。もちろん、味の方も。バースデーなのは、一応息子用ということで。

NO LINER NO LIFE

2008-12-26 23:18:14 | あんな話こんな話


いつもの時間に、いつものように起きて、いつものように新聞を取りにいき、いつものようにヒゲを剃ろうとした、そのとき妻が言った。

「そういえば、今朝は早く出るんじゃなかった?」






うぉ―――――――っ!
そうだ、仕事納めの日は全体朝礼があるので、月曜のように1時間早く出なければならなかったのだ!
すっかり忘れてた。
すでに、出る時間を過ぎているぞ。マ・マズイ!
何がマズイって、朝飯を食べる時間がないじゃないか!(それかい?)
いや、夕べ帰り際にはみんなに「遅れないように」と声をかけていたのだ。その本人が遅刻じゃ…。
パニックになりながらも、なんとか時間を逆算してみる。
当然、朝イチのライナーにはもう間に合わないが、普通電車ならイケるぞ。ん~、いつも1時間近く前に会社に着くつもりで行動しているのが、こんな時に奏効したなあ。
ただ、残念なのは、朝飯が食べられないということ(やっぱりそこか)。
ただ、他の作業に充てる時間も多く残されてはいない。だから、ヒゲ剃りもそこそこに。ただでさえアミがけされて見える顔の下半分が、今日はいつもよりさらに30%増しになっていた。どんだけ~(笑)。
あとは、駅まで会社までの道のりを慌てず行けばいい。めまいが出ないようにね。
結局、ちゃんと15分も前に到着しました。
それにしても、年内最後の出勤が普通電車だなんて、寂し過ぎる朝だった。

写真は、炭団坂。下りていくと菊坂に出る。「江戸のむかし炭団を商う人がいたからだとも言い、またあまりに急で、ときに人が炭団のようにころがり落ちるからだともいう」とこの本にある。
ころがり落ちないように気をつけなければと、改めて思う朝でもあった。

12/26(金)の湘南ライナー

2008-12-26 21:32:12 | 今晩の湘南ライナー車内
今晩も9時半。
乗車率は35%位。みなさん早かったようです。
車内の表示温度は18.6℃でした。

ドームから聴こえてくるEXILEの『チューチュートレイン』に送られ、これから今年最後のライナーで帰ります。
日記を書いたり(打ったり)、読者したりの時間をありがとう。また来年も、よろしくお願いしますね。

きっとそれはプレゼント

2008-12-25 23:33:45 | あんな話こんな話家族編


今夜はもう眠れそうにない。そう思っていたのに、いつの間にか寝入ってしまったようだ。だから、その電話のベルも、夢の中で聞いた気がした。暗闇で受話器を取る。

「もしもし、久美子ですけど。生まれちゃいました。3264Kg、男の子よ」
いきなりしゃべり出した声の主は、まぎれもなく妻。でも、寝ボケた頭には、言葉の意味が飲み込めない。
第一、 子供を生んだばかりの本人が電話をかけてよこすなんて…。
「何時だい?」
「4時13分」
 後でわかったのだが、このとき僕が尋ねたのは現在の時間で、彼女が答えたのは子供が生まれた時刻だった。
 そんなちぐはぐなやりとりをしていると、妻の声にオーバーラップするように、フギェー、フギェーという赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるではないか。そしてその声はどんどん大きくなって、あっという間に受話器いっぱいに広がってしまった。
何なのだ、一体これは!まだ夢の中をウロウロしているような、そんな不思議な気分のまま、僕は車で産院に向かった。

 静けさに包まれた夜明け前の国道。まるで魔法のように、信号が次から次へと音もなく青に変わってゆく。さっきは、あんなに赤につかまってばかりだったじゃないか!
 実は5時間ほど前にも、僕は同じ道を走っている。夜半前、「破水した」という連絡を受けて、あわてて産院にかけつけたのだ。ところがそのときは、暗い玄関で看護婦さんに「出産は昼間になりそうなので」と門前払いをくっている。それで仕方なく、家へ帰ってウトウトしていたというわけだ。
 でも、今度は玄関には灯りがともり、僕を温かく迎えてくれた。

 部屋のドアをあけると、ベッドに横たわった妻がこちらを向いてほほえんだ。そして、突然の破水の驚き、陣痛や出産の激しい痛みの様子を、ひとつひとつかみしめるように、そのくせやや興奮気味に話してくれた。
 先生からは「安産だったね」と言われたそうだが、ツヤの失せた顔、かすれた声、点滴を受けているその姿が、出産というものの壮絶さを何より物語っていた。
 さて、我が子はというと、廊下をはさんで向かいの新生児室でスヤスヤと眠っていた。その顔は、ヌメリとした膜のようなものでおおわれている。まるで、母親の体から水分という水分をすべて吸い取ってしまったかのようだ。お世辞にもカワイイとは言い難いが、どことなくニクメナイ顔つきをしている。
 ふつうならこのへんで、父親になったぞという実感がこみ上げてきて、感動に胸を熱くするところなのだろう。しかし、なにしろ妻子が苦しい思いをしているときに、グースカ寝ていた僕だ。情けないやら、申し訳ないやらが先に立って、ちっともそんな気持ちが湧いてこない。それでも、これからの毎日が今までとは変わるのだということはハッキリ感じた。
 こんなに小さな体なのに、それを確信させるだけの存在感の大きさはスゴイものだ。

「フギェー、フギェー」
 突然、赤ちゃんが目を覚まし、頭皮まで真っ赤にしながら泣き出した。
「フギェー、フギェー」
そうだ、さっき受話器から聞こえてきた泣き声は、君だったんだね。あの何とも不思議な電話―――。

 出産直後、「夜中にダンナさんが来てくれたのよ。心配しているから、かけてあげなさい」と看護婦さんからコードレス電話を渡されたのだという。 そんなタネあかしをされた今でも、思い出すたびに鳥肌が立ってしまうほど幻想的で、どこか神聖な雰囲気さえする、本当に不思議な電話だった。
もしかしたら、煙突のない我が家に、サンタクロースは電話線を伝ってやって来てくれたのかもしれない。ステキなプレゼントを手に。
1991年12月25日。
それは明け方の出来事だった。


『ベビーエイジ』(婦人生活社)1992年12月号の「父親たち~ずいひつ~」に投稿し掲載されたものを原文ママで転載しました。現在は休刊していますので、いいでしょ。ちなみに原稿料は1万円でした。
それにしても「コードレス電話」とは、時代ですねぇ。
とってあるこの本は、息子が結婚する時にでも持たせようと思っている。



学生街のキッチン店

2008-12-25 23:30:52 | B食の道


評判のお店というものは、決して味だけではないと、つくづく実感するのだ。

仕事で高田馬場へやって来たので、ワセダの学生なら知らない者はいないと言われている(ホントに?)『洋包丁 高田馬場店』を訪ねた。『ようぼうちょう』と読むようだ。
カウンター席のみ、外の自販機で食券を買って入るスタイル。
カウンターの向こうには、ご夫婦に見える男女が実に手際よく、無駄なく動いている。そして、二人の息がまた素晴らしく合っているんだな。
一つのお皿を、二人が絶妙のタイミングで仕上げていく。こういうのは、見ているだけで嬉しくなりますね。お店の歴史、夫婦の年輪のようなものが見えてきます。
そして、そんなお二人の共同作業で出来上がった料理がこちら。


『からし焼き肉+メンチ定食』(780円)。
調理の過程を見ていたが、コショーなどの香辛料をかなり振っていたものの、マスタード系は使ってはいないようだった。実際、それほど辛くもない。どちらかというと、濃くて甘いイメージ。でも、例によってこいつが白飯を早くよこせと主張するのだ。
しかし、今日は大変ですよ。この白飯消費促進委員会のメンバーに、なんと新顔のカレー味スパゲティが名を連ねているのだ(出た!炭水化物+炭水化物)。さらに、味噌汁ではなく、具だくさんの豚汁も加わり、物凄い勢いで白飯が減っていく(洋食屋さんらしいお皿に盛ったライスが嬉しい)。
あれよあれよという間に完食です。参った、ワセダの学生さんがうらやましい。
一人で興奮していたが、ふと気づくとカウンターの向こうのお二人、とっても寡黙である。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」以外、聞こえてこない。それも、どちらかというと、ぶっきらぼうな印象だ。でも、それがちっともイヤではないのがまた不思議なんだなぁ。
可愛らしいお揃いのトレーナーが肩を寄せあう姿もいい。
料理を平らげたお客は誰もが、ごく自然に食器をカウンターの上へ戻すのである。