湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

三軒茶屋昭和劇場

2009-11-12 23:51:15 | 仕事のついで東京散歩


仕事で三軒茶屋へ。
水道橋からは地下鉄を乗り継ぐ方が早いのだが、せっかくだからと(何がせっかくだからかわからないが)中央総武線で新宿→京王線で下高井戸→東急世田谷線で三軒茶屋という遠回りのコースを選択。ただ世田谷線に乗りたかっただけなんだけどね(笑)。
都営荒川線と共に都内に残る路面電車の一つといわれている世田谷線だが、残念ながら実際にはクルマと平走する区間はゼロ。でも、そんな専用軌道をいく路線だったからこそ、モータリゼーション全盛の時代にも邪魔者扱いされずに、こうして今日まで生き残ることができたのではあるけれど。
伸びた草がレールを隠していたり、車窓から見える沿線のほのぼのとした雰囲気はローカル線の趣。次々に現れる駅も小ぢんまりしていて楽しい。ただ、すれ違う車両がどれも新型なのが、ちょっぴりアンバランスである。途中の宮の坂駅横に置かれている、そうそうあの緑の600系とか80系が、やっぱりこの風景には似合うよなぁ(ちなみにその600系は江ノ電に譲渡されていたものらしい)。
全10駅、ぶらり途中下車なしの旅は、あっという間の17分で終着駅の三軒茶屋に到着。
さて、チャッチャと仕事を終えて、久しぶりに10分間『仕事のついでに東京散歩』を。
いいですね、三茶。
ちょっと路地を入っただけで、かなりディープな世界に。しかも、ここ通っちゃっていいんですかというような細い所から、普通に人が出てきたりしてドキリ。夜になったら、二度と抜け出せなくなりそうで危険な一帯だ(笑)。
でも、いい感じに枯れた長崎ちゃんぽんの店や、新しそうなグルメバーガーの店も発見。もう一度、お昼ごろの仕事を作って(笑)来ないといけないなぁと思いつつ、戻りは帰路の最短コースの出発点となる東急田園都市線の三軒茶屋駅に向かうのであった。


有名な映画館街?


よくご覧ください。屋上の文字が、右から左に!


実にいい雰囲気。吸い込まれそうです。ご近所の人がうらやまし。同じ映画でも、シネコンなんかより心に残るに違いない。

土間から時代を見ていた

2009-10-29 23:39:43 | 仕事のついで東京散歩


外資系企業や大使館などもあり、外国人の姿が多い神谷町あたり。住所は虎ノ門になるか。
大きなオフィスビルの間に、古いくて小さな日本家屋や商店も見える。その中に、畳屋さんがあった。この辺りでは張り替える畳もなかろうにと覗きこむと、お父さんが作業中。ただし、ずいぶん小さな畳に針を通している。一辺が20センチほど。0.何畳と呼ぶべきなのだろうか。
聞けば、一輪挿しや置物の下にと重宝されているのだという。1枚1200円から。


「手触りもいいし、匂いもいいからねぇ」
と鼻先に差し出された。
確かに、まだ青い畳は井草の匂いが清々しい。子供のころ庭で畳屋さんが、やかんの注ぎ口から直接口いっぱいに水を含むと、畳に向けてプーッと勢いよく霧状に吹きいかけた光景がよみがえった。
こんな都会のど真ん中で、土間に座って仕事をしている職人がいるのが不思議な気がする。
道の向こうにはガラス張りの近代的なビルが建ち並ぶが、これらがなかった頃は丘の上に東京タワーも見えたのではないだろうか。

権之助坂の母、慌てる

2009-07-23 23:42:54 | 仕事のついで東京散歩


また目黒の権之助坂に来たので、坂下方向に見えた古そうな商店街まで歩いてみた。
時間は11時半を少し過ぎたところ。
あの日、上から見えていたアーケードは『権之助坂商店街』だった。昔ながらのお肉屋さんとか、八百屋さんとか、パン屋さん、そして色褪せた暖簾が風に揺れる大衆食堂とか…と期待していたのだが、見事に裏切られた。
確かにアーケードで結ばれた建物一つ一つは古い。でも、そこに入居しているのは古くはないお店ばかりだった。特にラーメン屋と居酒屋が目につく。立ち行かなくなったり、後継者がいないお店の後に、目黒のオフィス街で働くサラリーマン目当てに今どきの飲食店が進出した、そんな構図が見えてくる。OL向けにか、エスニック料理店もちらほら。
肝心のお目当てだったレトロな喫茶店も食堂もなく、さてランチをどうしようかとウロウロ。すると、わりと新しめの喫茶&スナック系の店先に『日替わりランチしょうが焼き780円』の文字を発見(なぜか置かれていたサンプルはトンカツ)。一瞬の決断で入店だ。それにしても、しょうが焼きに弱いなぁ(笑)。
中は、いかにもカラオケスナックという造り。これまたいかにもスナックのママ風のふくよかなお母さんに導かれカウンター席へ。僕が今日ひとりめの客のようだ。
壁に貼ってあるメニューを確認してから、日替わりのしょうが焼きをオーダーした。
「はい、しょうが焼きねー。えっ?しょうが焼き?あらヤダ、今日はトンカツよ、ごめんなさい、どーしちゃったのかしらアタシ」
トンカツを用意しながらしょうが焼きと書いてしまったのかー(笑)。
「いいですよ。でも、表も『しょうが焼き』になってましたよ」
「そ・そうだ!」
お母さん、慌てて飛び出していった。12時を過ぎればお客さんがかなりの数、入ってくることは、厨房に並べられたお皿を見れば明らか。みんなが「しょうが焼きね~」「オレも」「僕も」と注文したら大変だもんね。
さて、北関東訛りの「ごめんね~」の声と共に現れた『トンカツ』。これが、なかなかどうしてしっかりしたトンカツだった。付け合わせのキャベツとトマトもたっぷり。さらに、もやしや青菜、油揚げのおひたしは小鉢というより中鉢。そして、小さな冷奴まで付いている。これは、かなりお得ですよ。しょうが焼きのこと、すっかり忘れてしまったほど(笑)。
「おかわりできるから言ってね」
「さっきはありがとね」
ニコニコ声をかけてくれるお母さん。こんな人柄で、この味、このボリュームなら、表のメニューが間違っていたって、きっとみんな笑顔で許してくれるはずだ。
「ごめんね~」
「いいよ、いいよ」
そんなシーンを思い浮かべ、僕はひとりニヤニヤしながら権之助坂を上るのであった。

残念ながら、問題のトンカツの写真はナシ。今日は会社のデジイチしかもっていなかったので、これで「撮らせてください」なんて言ったら、また慌てちゃうと思って止めときました。なので、権之助坂商店街にあった古書店。ここは古そう。置いてあるものも古い本ばかり(笑)。

新興住宅地の憂鬱

2008-08-29 00:34:27 | 仕事のついで東京散歩


このところ、仕事で外出する機会が多い。
今日も、埼玉県の八潮市に遠征した。とはいっても、つくばエクスプレスだと秋葉原からわずか20分足らずの距離。ウチなんかより、よっぽど都心には近いのだけれど(笑)。
ただ、こうした新興住宅地的な場所は、古くからの商店街のようなものにまったく出くわさないのが淋しい。何のためにわざわざこんな所までやって来たのかと、腹が立ってくる(仕事だろ!)。
駅からさらにタクシーに揺られたが、その車窓からは遂に古い商店の一軒すら拝むことはできなかったのである。
写真は昨日行った豊島区は千川で。
このあたりも住宅地だが、さすがに都内だ。取り残されたように、忽然と佇む昔ながらの風景に出くわすのである。

瓦屋根のっけちゃいました

2008-07-10 23:14:43 | 仕事のついで東京散歩


九段会館は、戦前の昭和9年に建てられた古いビルです。
設計者は「同潤会アパート」(表参道ヒルズの前にあった古いアパートなど)で知られる川元良一氏。
鉄筋コンクリートのビルに和風の瓦屋根を乗せちゃった『帝冠様式』と呼ばれるスタイルが独特な雰囲気をかもし出しています。
もともと軍人会館といって、軍人の収容・訓練の場だったそうです。
あの2.26事件(昭和11年)の時には、ここに戒厳司令部が置かれました。
戦後は連合軍に接収され、ずっとその宿舎だったということです。
そのあと、現在のようなホテルに。
そんな歴史を踏まえながら見渡してみると、
パーティーも、きっと楽しいはずですよ(笑)。

楽しみなのはオレだけか!


以上、実は今日の文章、会社の掲示板にアップしておいた今日のパーティー会場の紹介文の流用です(笑)。

というわけで、昨日は九段会館の大ホールへ出かけたので、せっかくだからこの日は開放されていない3階へ一人で潜入してみた。


重い扉には小窓がついています(丸い飾りの中の四角)。


1階とは違い、急な角度で座席が設置されている。床もいいですねぇ。


一番上からの眺望。舞台のスクリーンの上部が見えません(笑)。
でも、重厚な凝った造りです。

そして、座席の番号は「いろは」です。




駐車場側がホールの入口です。屋上は、なんとビアガーデンらしい!
そして…


上部に4つ並んでいた魔除けは、メカゴジラかと思った!

大崎まっくらか

2008-03-20 01:42:56 | 仕事のついで東京散歩


山手線や湘南新宿ラインで通過したことはあったけれど、降り立ったのは初めて。
大崎駅といえばソニーぐらいしか思い浮かばない。ところが今、周辺にはオフィスビルや高層マンションが林立し、注目のエリアになっているようだ。
「いやあ、ちょっと見ない間にずいぶん変わっちゃったなあ」と言いたいところだが、何しろただの通過駅に過ぎなかったので、かつての姿すらまったく思い出せないのである。
そんな大崎エリアに風を通そうというプロジェクトが進行中だと聞いたことがある。目黒川を東京湾からの風が通り抜けることによって、気温の上昇が抑えられるというものだ。そこで、川沿いに人工的に植栽を行う様子を伝えていた。
とても素晴らしい話のように聞こえるが、よく考えてみればビルが建つ以前は普通に風が通っていたはず。日本人はいったい何をしているんだろうと悲しくなってくきますね。
何でもビジネスが最優先。それぞれが目先の利益で動いているから、街全体とか、この国、この地球単位で考えようという発想すらなかったのだ。
雨に煙る大崎は、よけいに無機質に映る。ここがどんな街で、どんな暮らしがあったのか、もう誰の記憶からも消えてしまったんじゃないかと思えてくる。

ベルギー脇で焼き魚定食

2007-10-31 23:49:34 | 仕事のついで東京散歩


知らなきゃ知らないで別にどーってことないのだけれど、知ってしまうと、もう悔しいやら、虚しいやら、悲しいやら…。

永田町でのセミナーの後、かわいい魚屋さんの奥にカウンターや座敷がある珍しいお店でランチ。
M博士が見つけてくれた『魚長』は、おかみさんがちょっと怖そうなので緊張感漂う中でではあったが、さすがに評判だけあって美味しくいただけた。
お店を出ると、向かいには白い洋館。その脇はなぜか武家屋敷のような白い塀が続いている。
ベルギー国大使館だ。
かなり敷地も広い。塀沿いに進み角を曲がってさらに行くと、正門があった。


大使館といえば、閉ざされた重厚な門扉と無表情な警備員を想像するが、なぜかここは妙にユル~イ感じ。開け放たれた門から、若い男女が談笑しながら出て来たり。
そういえば、さっき生バンドの演奏や拍手も塀越しに聞こえていたな。
何かの発表会&パーティーのようにも思える。そんなイベントに場所を提供するなんて、最近の大使館もなかなかやるなぁなんて思っていた。
ところが、帰社してからネットを見てびっくりだ。
80年を経ての改築の前に、昨日から一般公開を行なっているというではないか!
しかも、中の様子がまた何とも魅力的。古くてモダンな造りにはワクワクせずにいられない。こんな素敵な空間に足を踏み入れ、その雰囲気をナマで体感できたというのに、目前にして帰ってきてしまったのだ。
しかも、オープンハウスは11月3日まで。3日はねぇ。
普段は入れない大使館で、取り壊し前の見納めとなる二度とないタイミングだったというわけなのだ。
跡地にはでっかいビルが建つという(あと1896年間はベルギー国の保有らしい)。
ということは、さっきの魚屋さんを出ると、目の前には超近代的なビルがドッカーンとそびえることになる。

天王洲アイス

2007-09-28 01:47:30 | 仕事のついで東京散歩


仕事で初めて『天王洲アイル駅』で下車。
なんだか生活感が、まるでない街だな。
高層ビルの谷間に設けられた公園のようなスペースは、タバコを吸いに降りてきたサラリーマンたちでいっぱい。こっちでプハー、あっちでモクモク。
非喫煙者が、仕事中にこんな所でボケーっとしてたら怒られてしまうけどね(そう考えると、こうした休憩時間は、喫煙者のみに許された特権だなあ)。
彼らにとっては当たり前の風景かもしれないが、僕の目には異様に映る。この街の風景をさらに冷たくしているように思えるのだ。
ビルだらけの街へ来ると、いつも荒んだ気持ちになって早く帰りたくなってしまう。

ぐったり途中下車の旅

2007-09-04 00:49:30 | 仕事のついで東京散歩


埼玉県の三郷や八潮といえば、交通情報で耳にするインターチェンジの名前。
陸の孤島のイメージしかなかった(失礼!)。
ところが、『つくばエクスプレス』開通によって、秋葉原から30分弱という超便利なロケーションに生まれ変わってしまった。
今日は、そんなところへ仕事で出かけた。
なかなかハードでロングなスケジュールで、もうクタクタ。
日記用の写真を撮るのも忘れていたのに気づいたのは、陽もどっぷりと暮れた駅に着くころだった。
とはいっても、今日のコースをたどってみても、興味をそそられるようなシーンに出会わなかったのは事実。
やたら見通しがいい。殺伐。行き交うダンプ。平日だというのに賑わうパチンコ店…。
疲れた僕を癒してくれる懐かしい街並みや、緑あふれる公園は見当たらなかった。
もっとも、住めば都、暮らせばパラダイスかもしれないけれど。
というわけで、写真は周囲には何もない、ただ駅だけが立派な、でも淋しい感じの三郷中央駅を。今日は出かけた記録ということで。

土手へおいでよ

2007-08-29 23:47:58 | 仕事のついで東京散歩


「六郷土手」
これ一応、京浜急行の駅名ですから!
川崎方面から六郷川(多摩川)を渡ってすぐの小さな駅(じゃあ川崎側の土手は六郷土手じゃないのか!という問題は置いといて)。
今日は、この駅の近くにある会社さんにおじゃました。
10分ほど早かったので、道の先に見えた土手に上ってみた。
急に視界が広がり、河川敷の緑と、川向こうのくすんだ色のビル群が目に飛び込んできた。
おや、ここは…
それは、(あの頃はビルこそまばらだったが)いつか見た光景。
そうだ、大学時代にクラスの連中と参加した野球大会の会場だったのだ。
結果はまったく思い出せないのだが、川下に鉄橋があるここに間違いない。
そういえば、クルマの往来の多い細い道路の端に列を作って駅から土手に向かってテクテク歩いたことを思い出した。
あのころのクラスメイトたちは、みんなどうしているのだろうか。みんないいおっさんになっていることだけは確かだけど。
涼しい風が川面を渡り、ユーミンのあの頃の歌が流れてくるようだった。


通りにあった「Kalita」製品が並ぶショーウインドウを発見。年季の入った雰囲気のある小さなビル。まさかと思って調べてみたら、コーヒー用品でおなじみのあの「カリタ」でした。