湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

そうだ伊東いこう

2010-04-01 23:05:47 | お休み日和


春休みということもあって、このところ娘の友達が泊まりにやってくる。高校が始まればなかなか会えなくなるからということらしく、夜通しワイワイやっては朝方眠り昼過ぎに起きる。
そんなお泊まりも土日のときは問題ないのだが、平日だと昼間から家にいるお父さんって?と友達に無用な疑問を抱かせることになる。そこで、今日は勤め人のように朝から出かけることになった。何か切ないです(笑)。

自転車が使えれば問題ないのだが、実はいまタイヤが破れそうでお店に注文中。自転車では遠出ができない状況なのだ。

じゃあ、電車でどこへ行こうか。
東京方面では朝晩のラッシュがイヤなので、とりあえず下りのホームへ。おぉ、懐かしい車両がやってきた!湘南ライナー(踊り子号)の車両を使用した各駅停車「伊東行き」だ。これも何かの縁と(笑)、そのまま終着駅まで乗っていくことにしよう。


かつて毎日乗っていたライナーの車窓に広がる景色とはまったく違う(笑)。

伊東には何度も来ているが、駅からのアプローチは初めて。駅前でお土産を買ったことはあるが、駅周辺をゆっくりと散策した経験はない。
驚いた。ある程度予想はしていたものの、昭和ファンにとっては熱海と同様に夢のような街でしたよ。
いや、熱海よりもずっと規模が大きいですね。駅から海へ向けて大きく羽を広げるように、商店街が続いている。それを結ぶ小路もたくさん。しかも、いい具合に枯れている(失礼、でもここが大事!)。昭和っぽい古い建物が次々と現れるので、キョロキョロしすぎて首が疲れた(笑)。もちろん飲み屋街も健在のようで怪しい雰囲気。細い小路に迷い込むのも楽しい。


なにかアーチが見えますね。


コンビに奥に…


これが(笑)


この堂々たるたたずまいは、なんとメガネ屋さん!昭和初期の建築らしい。


その側面。こうして見ると2階建てだが、実はモルタル3階建てだ。


こちらは薬局。庇が面白い。


この一帯は三丁目の夕日のセットのようだ。薬局の向こうは、理髪店。


その理髪店をアップで。もちろん現役でした。


賑やかな通りから路地をのぞむ。こちらもセットでは?おっ、カブが出てきた。


このあたりも完全に懐かしいセット風。左に見える交番に近づいてみると…


「伊東観光番」だって。観光案内してくれるらしい。


何軒かが連なっている建物も多いですね。


こちらは、昭和を通り越してもっと古い、そして有名な『東海館』という名旅館。すでに廃業しているが、200円で見学できる。平日なので他の客と顔を合わせることもなく、木造3階建ての館内をゆっくり回ることができた。




カラーの2枚は、2階の大広間。


川を見下ろす窓際で椅子に腰を下ろすと、なんだか宿泊している気分だ。多くの文豪や文化人たちも、こうして外を眺めていたのだろう。


なんと3階から、さらに展望楼まで上がることができる。三角屋根の方だ。向こうにドーム型の塔屋が見える。伊東の眺めを独り占めした(笑)。

玄関まで降りてくると、500円で入浴できると書かれている。係の方にお願いしたら「土日のみ」だという。残念。平日で、珍しく損をしてしまったぞ。


さて、お昼は駅からかなり離れた場所にある『ヤマモトコーヒー一番館』でナポリタンを。モダンな外装だが、かなり古い看板建築。迷わず入店、懐かしいナポリタンとコーヒーでゆっくりできた(本を読み、これを書いた)。


店内のあちこちに彫刻が。どれもやたらでっかい!

歩き疲れたところで、商店街の裏手に足湯を発見!東海館でかなわなかった入浴だが、やや挽回(笑)。浸かっていると「どちらからですか?」とおじいさんに話しかけられる。
「平塚から」だと答えると「あぁ、ベルマーレが戻ってきてよかったですねぇ」と思わぬ反応。「中田英寿がいたころは強かったね」おやおや、これは嬉しい、よく覚えていてくださった(笑)。
この方、年金生活で趣味で短歌や俳句、詩などを書いているそう。作品を額に入れ、またファイリングし見せて回っているらしい(笑)。
「天の川 星の数ほど 夢を追い 明徳」
いいですとお断り申し上げたのに、自作のしおりをいただく。まぁ、七夕つながりということで。
さらに、この足湯を題材にした句をいただいた。


「子供らは 風と笑いの足湯かな 明徳」
駅へ向かう途中この方、商店街でみなさんに声をかけられていた。詩を配って歩く名物おじいさんのようだ。
伊東が好きで移り住んだらしいが、うらやましい老後の送り方ではないか。

これまでは、夏休みに家族で駅からちょっと離れたホテルに泊まったり、または通過するだけの伊東駅前だった。今日は偶然とはいえ、歩いてみたらなかなかどうして。家から1時間ちょっとの距離なので、ぜひ再訪したいと思っている。