湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

引っ越しに胸を痛める

2009-10-31 21:29:56 | あんな話こんな話


2年半前の引越しの時も、確かヘロヘロになってしまった。
でもあの時は、手狭になったオフィスから広々としたオフィスへの非常に前向きな移転だったので、その疲れも心地いいくらいだったと記憶している。
しかも、スペースアップなのだから、要るのか要らないのか判断がつかない物はとりあえず持ってけ!というスタンス。
ところが今回は、事情がまったく逆だ。縮小なので、迷わす棄てろ!が合言葉。とにかく余計なものは置けないから、棄てて棄てて棄てまくりました(笑)。「もったいない」は禁句となったのである。
とは言うものの、やはり運び出されていく大量の、そして新品同様のデスクや椅子を目の当たりにすると、ズキズキ胸が痛む。リサイクルできないのかと尋ねると、今は相場が低すぎて引き取り手がないそうだ。つまり、排出されるオフィス家具が増え続けているということ。おかしな世の中だが、ウチの会社も時流に乗ってしまったのだから仕方がない。
次に勤めるところは、古い家具や道具を大切にして、毎日磨き込んでいるような昔気質の会社がいいと思う。
単に業績が不振という以上の責任を改めて感じる引っ越しだった。
さあ、あと半日もすれば終わるだろう。そしたらゆっくり…おぉ、もう明後日は月曜日じゃん!

上の写真は、今回の引越しで不要になった電話。ただし、こちらは棄てずにトランクルーム行きに。


みなさん、今日はこんな具合ですよ。明日はとっととやっつけちゃいましょう!

コーハク見納め

2009-10-30 23:35:07 | ぶらぶらミュージアム散歩


毎朝、電車から見ている旧交通博物館。閉館して3年半ほど経ったが、遂に本館の解体工事が始まった。
おととい仕事でお茶の水に出た際に、足をのばしてみた。自転車だったのでササッとね(笑)。
すでに中の天井や壁などは取り払われているようで、あとは外壁をガンガン取り壊すだけに見えた。閉館してからもずっとそのままだったので、耐震補強でもして保存するのではないかと勝手に思い込んでいた。しかし、残念ながら、そううまくはいかないようだ。
毎日車窓から見ていたので、すぐそこにあった思い出が、いよいよずっとずっと遠い所へいってしまうような、そんな淋しい秋になってしまう。

土間から時代を見ていた

2009-10-29 23:39:43 | 仕事のついで東京散歩


外資系企業や大使館などもあり、外国人の姿が多い神谷町あたり。住所は虎ノ門になるか。
大きなオフィスビルの間に、古いくて小さな日本家屋や商店も見える。その中に、畳屋さんがあった。この辺りでは張り替える畳もなかろうにと覗きこむと、お父さんが作業中。ただし、ずいぶん小さな畳に針を通している。一辺が20センチほど。0.何畳と呼ぶべきなのだろうか。
聞けば、一輪挿しや置物の下にと重宝されているのだという。1枚1200円から。


「手触りもいいし、匂いもいいからねぇ」
と鼻先に差し出された。
確かに、まだ青い畳は井草の匂いが清々しい。子供のころ庭で畳屋さんが、やかんの注ぎ口から直接口いっぱいに水を含むと、畳に向けてプーッと勢いよく霧状に吹きいかけた光景がよみがえった。
こんな都会のど真ん中で、土間に座って仕事をしている職人がいるのが不思議な気がする。
道の向こうにはガラス張りの近代的なビルが建ち並ぶが、これらがなかった頃は丘の上に東京タワーも見えたのではないだろうか。

洋風それから揚げ

2009-10-28 23:50:45 | B食の道


東京帝国大学に招かれていたドイツ人のフォン・ケーベル氏の家に夏目漱石がやってきた。その時、フォン・ケーベル氏が専属料理人にあり合わせで何か作ってくれとリクエストして生まれたのが「洋風かき揚げ」(単品で900円)である。
そして、その専属料理人が始めた店が、神田淡路町の『松栄亭』だ。
前回訪れた時には「ポークソテー」になびいてしまったので(笑)、今回がその名物料理初体験となった。
それにしても、実に不思議な料理だ。運ばれてきた途端に芳ばしく懐かしい香りが漂う。でも、なんの匂いなのかが思い出せない。
見た目は、オムレツを唐揚げにしてしまったよう。一応洋食なので、ナイフでカットする。サクッで、フワッである。中は卵と小麦粉に、賽の目状の豚肉と玉ねぎが包まれている。しっとりでもパサパサでもなく、なんとも中途半端な感じ。


いや、決してマズイわけではない。事実、箸(フォーク)がどんどん進むのだから問題などないのだ。ただ、この味、この食感をどう表現していいのかが全くわからない。
で、結局あっという間に完食してしまったことを考えれば、うまかったということ。だが、どううまかったのかを明確に表現できないでいる。
「明治の頃から数々の洋食が広がっていった中で、この料理が広がらなかったことが、その味を物語ってはないか」というようなブログ記事を読んだ。
確かにポピュラーになるには、ハッキリとした主張が足りない料理だったかもしれない。しかし、広がらなかったからこそ、貴重ともいえないだろうか。
その後も漱石先生が好んで食べたという「洋風かき揚げ」を、当時のレシピのままいただけるのは、発案者が始めたこのお店だけというところに特別な価値がある。

実は、今日はお弁当があったので、お茶の水での仕事を終えて帰社するつもりだった。ところが、同行の淋しがり屋さんをお一人様にするわけにいかず、お付き合いとなったのだ。
ここのところ連日『B食の道』なので今日こそは避けたかったんだけどなぁ…。
でも、結局ごちそうになってしまいました!
あっ、いま思い出したけど、はじめに鼻腔をくすぐった匂いは、サーターアンダギーの芳ばしさだったかもしれない!


こちらは今朝の壱岐坂下交差点。自転車が気持ち良さそう!
といいつつ僕も、昨日の春日、今日のお茶の水と、会社のママチャリで仕事へ出かけたのだ。

野球に食われて再開店休業

2009-10-27 23:32:07 | B食の道


「去年より早く再開したねぇ」
なんて言ってたら、1週間後にまた貼り紙があり1週間休業した。
壱岐坂下交差点近くの『おやじの店…』もとい『味の店 後楽』である。
休業の理由は、相変わらずセ・リーグのクライマックス・シリーズ用の弁当製造が忙しかったから。
ふざけている、ランチを楽しみにしているサラリーマンをバカにしている、誠に腹立たしい…などということは誰一人言うこともなく、再開すればその日からおやじたちはまた足繁く通う不思議な店なのである。
そして、間違いなくまた休業のお知らせが貼り出される。東京ドームに日本シリーズがやってくるからだ。
今日の(日替り)ランチは、再開店初日恒例の『かつとじ』(800円)。


筋状の白しかなかった富士山が、昨夜の嵐で今朝はすっかり雪化粧です。