tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

実りの秋に、この棗

2011-10-11 20:14:37 | 道具は語る
穏やかな秋らしい日が続いております。先週のお稽古からもう一つ紹介いたします。
蓋に文字の書いてある珍しい棗です。


徳風棗

この棗は、裏千家11代玄々斎のお好みで作られたものです。
棗に書かれている「一粒万倍」は、仏教の報恩経より出たもので、稲の異称ということです。そして、徳風というのは、論語の顔淵篇「君子之徳風 小人之徳草」からの引用だといわれております。

客 お棗は   
主 玄々斎お好みの徳風棗でございます。
客 お塗りは
主 正春でございます。
客 お茶杓のお作は
主 耕月老師の作でございます。
客 ご銘は
主 「金風」でございます。
客 ありがとうございました

この時期によく使われる道具で、拝見すれば実りの秋を思わずにはおられません。
稲穂を揺らしながら吹く風を「金風」といいます。春に蒔いた一粒の籾がたわわに実ってゆっくりと揺れている様を誰もが思い描くと思います。
たった一つの道具が恵みの大地に豊穣をもたらしてくれたた風景を描いてくれたのです。



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