アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

日曜日記80・TBS金平氏の不可解な“弁明”・ 「男女格差」最悪の根源

2019年12月22日 | 日記・エッセイ・コラム

 ☆TBS金平茂紀氏の不可解な“弁明”

  ジャーナリストの伊藤詩織さんがTBS記者(当時)の山口敬之氏から性的暴行を受けた事件で東京地裁が山口氏に損害賠償を命じた判決(18日)から3日。21日夕のTBS報道特集がこの問題をどう扱うか注目した。

  番組冒頭、キャスターの金平茂紀氏はやはりこの問題に触れた。ところがその内容は、伊藤さんの行動、判決を「画期的な出来事」とする一方、「今日は残念ながらできないが、いつの日か(この問題を)取り上げたい」というものだった。それだけだった。謝罪もなかった。

  これはいかにも不可解だ。「今日は残念ながらできない」とはどういうことなのか。なぜできないのか。突然起こった問題ではない。山口氏の性暴力事件は2015年4月に起きたことだ。18日に東京地裁で判決があることももちろん周知のことだった。
 「いつの日か」とはいつなのか。来週も別の特集らしいから来週でないことはたしかだが。

 そもそもこの事件は山口氏だけの問題ではない。事件当時山口氏は現職のTBS記者(ワシントン支局長)だった。金平氏は当時山口氏の上司だったはずだ。TBSは当事者だ。謝罪があってしかるべきだ。

  重要なのは、山口氏の性暴力事件が、フリージャーナリストの伊藤さんが大手メディアの記者だった山口氏に就職(仕事)の相談をすることがきっかけで発生した事件だということだ。
 そこには大手メディアの体質、大手メディアとフリージャーナリストの“上下関係”という構造的な問題がある。それは記者クラブ主催の記者会見からフリージャーナリストを排除する問題にも通じる。根は深く広い。 

 今回の事件はそこまで掘り下げて教訓を導く必要がある。それはメディアの在り方にとどまらず、現代日本の重要問題の1つである。当然報道特集が取り上げるべき問題ではないか。まして当事者のTBSの報道番組としては、真っ先に特集すべき問題ではないのか。
 「残念ながら」「いつの日か」は逃げ口上にしか聞こえない。

 ☆「男女格差」最悪の根源は?

  18日の報道によれば、世界経済フォーラム(WEF)が17日発表した今年の「男女格差(ジェンダーギャップ)報告書」で、日本の順位は対象153カ国中121位、過去最低だった。
 日本は他の労働・人権指標でも低ランクの人権後進国だが、その中でもこの男女格差=女性差別の突出は異様・異常だ。なぜだろうか。

  その根源は天皇制にあると断言せざるをえない。天皇制は皇位継承で公然と女性を差別している制度だ。今でこそ廃止されたが、「万世一系」と誇示するその体制は側室(妾)制度によってかろうじて継続されてきた。「行幸」などで常に女性(皇后)が男性(天皇)に従う姿を見せ続けている。どこから見ても、天皇制は女性差別の塊だ。

  天皇代替わりキャンペーンが繰り広げられた今年、ジェンダーギャップの順位をさらに下げて過去最低になったのはきわめて象徴的だ。

  天皇制を廃止しない限り、日本に真の男女平等が実現することはない。


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