アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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「別姓反対」の陰に「日本会議議連」菅・森・小池・橋本・丸川・・・

2021年02月27日 | 天皇制と政治・社会

    

 丸川珠代五輪・男女共同参画担当相が「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する自民党国会議員有志」の文書(1月30日付)に名を連ねていたことが問題になっていますが、この背景には右翼改憲組織・日本会議(1997年5月30日発足、写真左)と行動を共にする「日本会議議連」の存在があります。

 日本会議は、「皇室を敬愛するさまざまな国民運動…を全国で取り組んでまいります」(「日本会議がめざすもの」―HPより)という皇国史観に基づく改憲運動団体です。
 「選択的夫婦別姓反対」も日本会議の主要テーマの1つで、これまでチラシ(写真右)を作製し、「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民大会」(2010年3月20日、東京ビッグサイト)を開催するなどしてきました。

 そして、「日本会議の設立に呼応して…国民運動とあい提携する恒常的な議員懇談会」(「日本会議の活動方針」)として、日本会議発足の前日(97年5月29日)に超党派の国会議員で結成されたのが、「日本会議国会議員懇談会」(「日本会議議連」写真中、日本会議HPより)です。

 その発起人に1人が、森喜朗元首相(五輪組織委前会長)。特別顧問は安倍晋三前首相、麻生太郎副首相。会長は平沼赳夫氏で、副会長に名を連ねているのが、菅義偉首相、小池百合子都知事ら。加藤勝信官房長官は副幹事長(2014年4月現在、俵義文著『日本会議の全貌』花伝社2016年より)

 今回地方議員に圧力をかけた「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する自民党国会議員有志」には丸川氏のほか、衛藤晨一、高市早苗、山谷えり子の各閣僚経験者が含まれていますが(26日付共同配信)、衛藤氏は同議連の幹事長、高市氏は副会長、山谷氏は政策審議室長と、いずれも役員を務めています(同前)。この3人は、上記の「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民大会」にも出席していました。

 「日本会議議連」のメンバーは、281人にのぼっていますが、丸川珠代氏もその1人です。そして、辞任した森氏に代わって五輪組織委会長となった橋本聖子氏も同議連のメンバーです。

 前記「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民大会」は民主党政権時代に行われたものですが、民主党政権の閣僚でありながらこの大会に出席した人物がいました。亀井静香氏です。
 亀井氏は先日放送されたETV特集「夫婦別姓“結婚”できないふたりの取材日記」(22日)の中で、選択的夫婦別姓に強硬に反対し、その理由として、「日本は天皇の国だ。国民はみんな天皇の子だ」とまくし立てていました。森喜朗氏とまったく同じ「神の国」発言です。

 この言葉に象徴されるように、夫婦別姓反対は、天皇制を頂点とする日本の家族制度護持と一体不可分です。それは日本会議が、「近年は、夫婦別姓を導入する民法改正案や男らしさや女らしさを否定する男女共同参画条例が各県で制定され、子供や家庭を巡る環境がますます悪化しています」(「日本会議の活動方針」)と嘆いていることからも明らかです。

 夫婦同姓を法律で決めているのは日本だけで、選択的夫婦別姓は当然の権利・あり方です。それに反対する“理論的根拠”は天皇制とその下での家族制度です。そして反対の先頭に立っているのが日本会議・日本会議議連であり、菅政権と東京五輪に関わる主な人物がことごとく同議連のメンバー・役員であることは、けっして偶然ではありません。

 


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