アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

自衛隊とメディア-中国新聞にみる距離感と視点

2014年06月14日 | 自衛隊・軍隊

PhotoPhoto_2 中国新聞(備後本社)主催で、同紙のキャラクター名を付けた「びんご・ちゅーピーまつり」という、主に子どもを対象にしたイベントが、15日、福山市内で行われます。

 その企画の1つに、なんと「自衛隊73式小型トラック展示」があるのです。(写真左は5月の「ふれあい防衛展」で自衛隊車に乗って記念撮影する母娘)
 集団的自衛権行使容認がまさに大きなヤマ場を迎えようとしている時に、新聞社のイベントで自衛隊展示とは!

 主催者に問い合わせたところ、今年11回になる同「まつり」で、自衛隊の展示は今回が初めて。「震災などで『働く車』の一環として」という趣旨だといいますが・・・。「ご意見は担当部署に伝えます」

 中国新聞と自衛隊の“距離感”で、最近気になったことがもう1つあります。
 6月3日から5回にわたって連載された「海自呉地方隊60年 第3部・自衛官になる」(写真右)です。

 海上自衛官になるための訓練施設が全国に4カ所あります。そのうちの1つが海上自衛隊呉教育隊(ほかに横須賀、舞鶴、佐世保)。その5カ月間の訓練をレポートしたものです。

 連載は、訓練がいかに厳しいか、それに耐える自衛官候補生たちの「使命感」を伝えるだけで、批判的な視点はまったく見られません。

 例えば、「近年は『人を助けたい』と入隊するケースが目立つ」としながら、「司令は若者の熱意を喜びつつも『自衛隊の本分はあくまでも国防。命令があれば突っ込まなくてはいけない』とくぎを刺す」。
 若者の入隊の動機と自衛隊の軍隊としての本質との間にギャップが生じているにもかかわらず、それを上官の「くぎを刺す」発言で収めてしまっているのです。

 最も気になったのは、「呉独自で取り組む、道徳を中心とした『心の教育』」なるものです。いったいどんな「心の教育」が行われているのか。
 さらに、5回の連載を通じて「憲法」という言葉が出てきたのは、「集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更」という1カ所だけ。いったい自衛官の卵たちは、「憲法」についてどのような「教育」を受けているのか。
 今自衛隊の連載をするなら、こうした点こそ追及すべきではないでしょうか。

 被爆地の中心メディアである中国新聞にしてこれです。
 安倍政権の日米軍事同盟強化、改憲路線の下、メディアと自衛隊の距離感、自衛隊報道の視点が改めて問われています。

 <やっぱりそうだったニュース>

 露呈した「与党協議」の狙い、公明党の本質


 公明党が集団的自衛権行使容認に踏み切ると報じられています。はじめは多少「条件」を付けても、いったん歯止めをはずしてしまえば政府・自民党の思うつぼです。

 この公明党の「陥落」は別に驚きでも失望でもありません。以前述べたように、これが公明党の本質だからです。
 あらためて露呈した公明党の犯罪的役割をまとめると、こうなります。

 ①まるで政府・自民党の暴走に「反対」しているかのようにみせながら、結局政府・自民党の狙い通りに軟着陸させるため、反対世論のガス抜きをする。
 ②戦争政策を推進する政府・自民党に一貫して協力・加担しておきながら、「平和の党」を装って支持をつなぎとめる。
 ③政権の一角にしがみつきたい一心で、自民党の絶対多数を支える。
 ④与党内の意見調整にすぎない「与党協議」がまるで決定の場であるかのように描き、国権の最高機関である国会審議を形骸化させる。

 これらは公明党の本質であるとともに、それを助長するメディアの責任であることもいうまでもありません。

 このような公明党に、いささかの「期待」もかけることはできません。


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