アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

東北と沖縄とつながる尾道駅前の反原発集会

2014年06月12日 | 原発・放射能と政治・社会

PhotoPhoto_2 「さよなら原発 歌声パレードinおのみち」が8日午後、尾道駅前でありました。

 尾道、三原、福山3市の反・脱原発グループが3カ月に1度行っているもので、今回が7回目。私は3月に続いて2回目の参加でした。

 参加者は約70人と、前回より減り、決して多いとは言えませんでした。しかし、素晴らしい出会いがありました。

 パレードの前の「始めの集会」。後方に見慣れない女性がいました。なんと福島県郡山からたまたま尾道に観光に訪れていた女性です。
 「このような集会を尾道でしてもらって感激しています」。目を潤ませて話してくれました。帰りの高速バスの時間のためパレードに参加できなかったのが残念そうでした。

 すると、今度はパレード終了後の「終わりの集会」に、また初参加の女性が。この人も仙台からの観光客だというではありませんか。
 「(集会・パレードに)まったく共感します。ぜひ続けてください。頑張ってください」。逆に励まされました。

 わずか2時間足らずの集会・パレードで、偶然、被災地・東北の方2人とつながったのです。
 観光地でのデモンストレーションの威力でしょうか。
 沖縄那覇・県民広場での集会、国際通りでのパレードが思い浮かびます。

 集会にはこの日も岡田和樹さん(27)の姿がありました(写真右)。
 岡田さんは2009年11月、中国電力が山口県・祝島近くの田ノ浦に建設を強行しようとしている上関原発に反対する島民の支援活動で、逆に中国電力から4800万円の損害賠償訴訟を起こされました(他に島民2人市民1人)。権力・大企業が反対運動を分断し抑えるために裁判を起こす、いわゆるスラップ訴訟です。

 スラップ訴訟は、沖縄・高江のオスプレイ・ヘリポート建設強行でも国が使っている反対運動妨害の手段です。
 高江だけでなく、大きなヤマ場を迎えようとしている辺野古でも今後使ってくる可能性があります。

 「メディアは一切報道しませんでしたが、先日も高江の人たちとの連帯の集会がありました。私たちは絶対に屈しません」
 岡田さんは力強く話してくれました。

 岡田さんの本業は三原市での農業です。三原市は私が生まれて高校卒業までいたところ。故郷にこんなにたくましい青年がいることを誇りに思います。

 参加者は決して多くなくても、地道な集会・パレードの草の根は、東北へ、沖縄へ伸びて、つながっていきます。
 その力と可能性を、信じたいと思います。

 <気になるニュース>

 サッカーW杯と「集団的自衛権行使容認」


 今月22日の国会会期末へ向け、安倍政権の「集団的自衛権行使容認」は重大な局面を迎えています。
 まさにそのさ中、サッカーワールドカップ(ブラジル大会)が13日開幕します。メディアによってつくられた「サッカーフィーバー」は佳境に入ります。

 この2つ時期の一致は果たして偶然でしょうか?
 W杯の日程は早くから分かっているのですから、安倍政権がこのドサクサに、集団的自衛権問題のヤマ場を計画的に設定した、とみるのははたして荒唐無稽でしょうか。

 その真偽はともかく、問題は、市民の関心がいったいどっちに向くのかです。

 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」で憲法9条が事実上反故にされる重大事態が、サッカーW杯の“熱狂”報道で打ち消される可能性はけっして小さくありません。

 


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