6月23日は「沖縄慰霊の日」。
この日広島経済大学の岡本貞雄ゼミでも「戦没者追悼の集い」が行われ、岡本教授は「沖縄では沖縄戦の記憶が薄れていくことが心配されている。自分たちに何ができるか考え、協力したい」と述べました(中国新聞から)。
前日の22日、原爆ドームの対岸で、「2014年『沖縄慰霊の日』を記憶するつどい」(主催:広島・沖縄をむすぶつどい)が行われました。
広島沖縄県人会顧問の中村盛博さん(写真左)らの三線に合わせ、「月桃」「戦場の口説」「花」などを歌い、語り合いました。
「記憶するつどい」は、1984年に那覇市職労と広島の市民グループが共同で、沖縄の子どもたちを広島へ招き、平和教育を行ったのがきっかけ。
その後那覇市職労が企画を取りやめた後は広島の市民グループが引き継ぎ、今日に至っています。
「戦場の口説」という歌は、沖縄戦で米軍の捕虜になった中村さんのお父さん盛鴻さんが、沖縄戦の情景をうたったもの。こんな歌詞があります。
「頼む友軍 当てならん 神も仏も 当てならん アキヨ(ああ、なんということ)御万人 死に果てて」
「くひな戦に 生残て 又と戦の 無いらぬ如 世界平和ど 願い侍ら」
主催者を代表して一(はじめ)泰治さんが、「広島の人たちにも6・23を覚えてほしい」とあいさつ。
配られた資料には、「記憶してほしい沖縄のあの日」として、「6・23」のほか、「4・28(屈辱の日)」、「5・15(「沖縄返還」の日)」、「9・7(沖縄戦終戦調印の日)」、「10・10(那覇大空襲の日)」が書かれていました。
これに最近では、「10・1(2012年、オスプレイ強行配備)」、「10・21(1995年、「米軍による少女暴行事件糾弾・日米地位協定見直し要求県民総決起大会」8万5000人)」なども加わるでしょう。
23日、沖縄では県主催の「慰霊祭」が行われ、辺野古新基地建設、集団的自衛権行使に突き進もうとしている安倍首相が出席しました。
沖縄の現状に危機感を募らせる真栄里泰山さん(沖縄大客員教授)から、「心情を歌に託したい」とメールが届きました。
「慰霊の日 いくさ仕掛ける 輩来て 新しい遺族 また生まんとす」
「我ら皆 九条となりて この国を 見守りており 忘るべからず」
<気になるニュース>
「集団的自衛権行使反対」を言明しない翁長那覇市長
23日夜の報道ステーションで、「沖縄慰霊祭」に出席した翁長雄志那覇市長が、集団的自衛権行使について記者に意見を求められ、こう答えました。
「大変慎重に取り扱ってもらいたい。拙速すぎる」
これは、もっと慎重にやるべきだという事実上の容認論で、「集団的自衛権行使反対」ではありません。
翁長氏には、辺野古新基地建設反対の人々からも、11月の県知事選候補に推す動きがあります。
翁長氏を知事選候補者に擁立するなら、憲法9条を破壊する集団的自衛権行使に対し「断固反対」を言明することが必要条件ではないでしょうか。