角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

蔵も縁、草履も縁。

2010年02月11日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
ベージュ基調の龍プリントをベースに、合わせは紺基調の和柄プリントです。
ベースが若干シブ目ですが、明るい紺を合わせたことで地味さは消えたと思います。赤やピンクはご免とおっしゃる、おばあちゃんと呼ばれる方にお勧めでしょうか。

ちょうど今時分の当地は、「小正月行事」が目白押しです。昨日10日は、仙北市上檜木内地区の「紙風船あげ」が行われました。過去二度見物に訪れましたが、引き締まる寒さの中で天に昇る紙風船は、叙情的であり神秘的でもあります。
近年はツアーに組まれるまで知名度が上がり、フリー客が乗り込む内陸縦貫鉄道は、さながら首都圏の通勤ラッシュを想わせる混雑ぶりなんですね。

13日・14日は角館の「火振りかまくら」があります。13日は武家屋敷通りに程近い「桜並木駐車場」を会場に、炭俵に火をつけグルグル回す光景が見られます。観光でお越しの方々も参加できると思いますから、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。
14日は町内各所に分散し、それぞれの丁内会が主催して行います。

小正月行事とは別に、昨日10日から「蔵伝」と銘打ったイベントが開催されています。「角館まちづくり研究所」というグループが主催するもので、メインとなっているのが「太田家の蔵」なんですね。本邦初公開とされるこちらの蔵は、建築年代こそさほど古くはないものの、その大きさに圧倒されると言います。

これまで一般公開されることはなく、地元民でもほとんどがこのたび初めて見ることになります。私も未だ見たことがありません。
昨日の初日限りのようですが、蔵の中でついた餅をお汁粉にして振舞われたそうです。折込チラシで知った地元民も結構の人数が訪ねたようで、帰り道に西宮家に立ち寄った馴染みのおかあさんに『蔵、なんただっけ?』と尋ねてみると、返って来た言葉が『美味しかったよ~』。
どうも意味が違うような…。

東京からお越しのご夫婦旅。実演を関心高くご覧になり、草履の特徴をご説明すると試し履きもしないままお買い上げ決定です。ご夫婦それぞれに配色選びをされているご様子が、いかにも仲睦まじい感じがしました。特に奥様は終始笑顔なんですね。こちらも自然と笑顔になりますよ。

お帰り際に先の蔵をご紹介しました。西宮家からは徒歩3~4分の距離ですから、それほど時間のない旅でも負担にはならないでしょう。
『初公開ですし、次はいつ公開されるかも分からないんです。このタイミングで角館に見えたということは、きっと縁があったと思いますよっ』と言うと、『ほんとっ、この草履もそういうことですねっ』。

この言葉が、草履職人にとって一番の励みになるわけです。

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