角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

呑気な仕事。

2014年05月16日 | 地域の話
ずいぶんと寒い今日の角館です。ときおり激しい雨音をたてながら、強い風に雷も加わっています。一瞬ですが電気が消えましたよ。明日は最高気温が13℃と予想されています。ほんとにもう一度桜が咲くんじゃないかという気候ですね。
長期予報で昨夏のような暑い夏にならない話を聞きました。涼しい夏は経済にあまり良いことではないにしても、実演席の環境を想えば体は楽かもしれません。

12日のブログでご紹介した横浜市のご主人が私に訊くのは、『人に使われているよりいいでしょ?』。ご自身も自営業者だからこそのご質問でしょう。まずサラリーマンからは聞かれない言葉です。
これはかねてより私を知る方々からも幾度となく訊かれました。『今の仕事はなんただ?』といった感じですね。私の場合、15年間のサラリーマン生活、独立してからの8年間、そして草履職人となってからの9年間と、社会人生活も三つに分けられます。それぞれ一長一短は言うまでもないとして、今が一番楽しいのは間違いありません。

かつてサラリーマン時代は、営業一本で県内外を渡り歩きました。通常のルートセールスでは一日200キロもの距離を走り、北海道一周コースともなれば二週間ほど家を空けましたか。百貨店の物産展に出れば、やはり一週間は家に戻りません。多様な出張が重なったときには、休みが一日か二日なんていう月もありました。今のご時世であれば、多少なりとも問題になりそうな勤務状況でしたね。

その当時、世の中の「公務員」という人たちを羨ましく思ったものです。羨ましいというより、「呑気な仕事」と嘲笑していたかもしれません。週休二日制を官庁が率先して始めたとき、最もそういう気分にさせられたものです。今想えば公務員と一口に言っても様々ありますし、相当なエネルギーを費やしている職員も当時からいたはずです。若気の至りと言いますか、私の認識が足りなかったのでしょう。

今年のGWで、カミさん方の親類と久しぶりに飲みました。農水省から組織再編で防衛省に移った彼から聞かされるのは、かつて公務員を嘲笑していた自分が恥ずかしいくらいの過酷さでしたよ。昔はいざ知らず、少なくとも現在の国家公務員はお世辞にも羨ましがられる世界じゃないですね。事実途中リタイヤの同僚が複数いるそうです。

四日間のお休みで、カミさんと仙台の次女を訪ねました。四月から始まった新米ナースは、その現場の過酷さに自炊も満足ではなかったです。朝7時30分に自宅マンションを出て、帰宅は夜7時か8時。休みの日にどうにか洗濯をしているくらいでした。公務員ではないにしても、一定の収入を得るためのエネルギーは今昔で多少の差があるのかもしれません。

現在の私の生活は朝8時50分に自宅を出て、午後5時10分には帰宅しています。昔の公務員より規則正しいですよ。さすがに週休二日制は望めないにしても、こうしてときに休息をとることもできます。娘たちや世間からは、「呑気な仕事」と思われているかもしれませんね。
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