角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

人生の基本。

2009年03月03日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンクの濃淡グラデーション、ひとつの布地だけで編み上げてみました。昨日の「今日の草履」でも触れましたが、グラデーションは一枚の布地ですでに何色かありますから、試しに組み合わせナシで編んだのがこちらです。これはこれで完成型と思いますね。

長女と次女が通う角館高校では、「キャリア教育」なるものに取り組んでいます。私もこの機会がはじめて耳にするもので、とあるサイトで「定義」を調べてみると『生徒一人ひとりが、自己の生き方・あり方を考え、勤労観・職業観を身につけ、自分の将来を設計できるよう学校全体で支援する教育』とありました。なるほど重要な学習です。

具体的には地域のさまざまな業種に携わる人たちを講師に招き、その人生訓や職業観を聴くものです。毎回開催されるたびに生徒ひとりひとりがレポートを提出するのですが、その用紙には保護者が記入する欄も設けられています。講演を聴きわが子が記すレポートに対し、親が感じたことを記入するわけです。

これをずーっと私が書いてきましたが、娘たちのレポートに手前味噌ながら感心していました。最も評価する点は、講師の話をちゃんと聴いていたことなんです。私はその講演を聴いていませんが、娘たちの記す言葉からそれは充分推測できました。「人の話を聞く」、人生でかなり重要な部分じゃないでしょうか。

そしてさらに想うのは、講師の方々のお人柄です。招かれた地域人の一覧を見てみると、なるほど多種多様な職業に分かれていました。多分おそらくですが、普段に人前で話をする機会はそう多くない方々と思います。そうした方々が高校生たちにこうも良くレポートを書かせられたことに、いかに一生懸命話してくださったかが推測されます。

娘たちのレポートを見てみると、『仕事が楽しいっ!』という講師の言葉が何度か登場しています。私はこれが一番大事なことだと思うわけです。「楽しい」と感じられるのは、その仕事に対して喜んでくれる「誰か」がいるというのが絶対条件でしょう。そしてこれを感じられることは、その人にとっての「天職」だと思うんです。

先ほど最後の「保護者欄」を書き終えました。一連の学習を振り返って娘ふたりが書いているのは、『もっとたくさんの人から話を聴きたい』というものでした。
私は保護者欄に、『多くの人と出逢い、多くの言葉を聞く。これが人生の基本であることをしっかり踏まえて生きて欲しい。この学習の成果がそこにあったことを確信し、親として感謝いたします』と書きました。

人との出逢いはそれだけで大きな意味を持つことを、娘たちは16年の人生でそれなりに掴んだようです。なかなかイイ勉強でしたね。

そんな娘たちが、雛祭りに向けて和菓子作りにチャレンジしました。三女が私へ作ってくれたお菓子、これがちょっと感動なんですよねぇ。画像は掲示板へ

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2 コメント

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我が母校 (masato)
2009-03-04 10:35:50
草履職人さん、こんにちは。

角高、我が母校。
学生時代、ボー、っとしていた私は、たいしたものをキャッチすることなく卒業してしまいました。
色々な試みをしていて、それをチャント受け止める生徒さん達。
自分はなんと子供じみていたことかと振り返っても、学生時代ははるかかなた。
今だって、なりこそ大人ですが、脳みそと気持ちは未だに半熟のようです。
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そんなもんですよ (草履職人)
2009-03-04 12:44:52
masatoさん、こんにちは。

私もとても人様のことは言えません。自身の高校卒業に際しては、『これで規則に縛られずに済むぅ…』なんて子どもじみたことを考えていたもんです。それからの社会人のほうがよほど厳しいことも知らずにですよ。

masatoさんは、『脳みそと気持ちは未だに半熟…』なんておっしゃってますけど、お互い娘の将来を案じていることが、少しは“おとな”になった証しと思いましょうよ(苦笑)。
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