今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
色調としては女性より男性向けのような気もしますが、23cmで編んでみました。でもそうした配色が売れないということは過去になく、どんな色でも必ずお選びになるお客様がいらっしゃるものです。むしろそれが楽しみでもありますね。
ときどきお見かけする地元のおばあちゃん、おそらく80歳代も半ばを数えるでしょうか。この雪の中でもしっかり歩いて見えますから、足腰は丈夫なものです。
『この寒んびぃ中に、よぐ頑張るなぁ』とにこやかな笑顔を向けられると、50歳の若造が照れ笑いしてしまいますよ。
ふと子供用草履に目を向けたおばあちゃん、『孫サ、ひとつ買ってってやるがなっ』。お孫さんの年齢を訊くと、未だ1歳と2ヶ月とのこと。草履を履きだす年齢としては、おおむね2歳半から3歳くらいでしょうか。『もう少し待ってがらのほうがいいんシべ』と言うと、『なぁ~んもだ。子供なんてすぐ大っきぐなる』とピンクの16cmをお買い上げくださいました。
このときのおばあちゃんのお顔、言葉、雰囲気で分かったのは、私に対する労いと言いますか激励なんですね。この寒さにお客様のいない静かな蔵の中で、ただひたすら草履を編む私の姿に、「なにかひとつ買ってあげよう」というおばあちゃんの気遣いが強く伝わりました。
地域のお年寄りに「支えられている感」は、これまで幾度となく体験しています。
先月下旬、次女からカミさんへ届いた一通のメールは、「SOS」。看護実習が進むにつれ心身共に疲れが重なり、いよいよ食事を摂る気力も失せたとのこと。このままではいけないことを自身が一番承知したのでしょう、「何日か来てもらえないか」のメールでした。
こういうときこそ「母の力」、私に相談の後すぐさまOKの返信をし、一週間ほどの予定で仙台を訪れています。次女の電話の声では、だいぶリラックスできたのが分かりました。それこそ母に「支えられている感」を、十分すぎるくらい感じていることでしょう。
時折りしも、長女が短大の授業をすべて終え帰省しました。カミさんが留守の一週間、わが家の食卓はまるで長女に支えられています。普段は食材や味に文句を言っている三女が、長女の料理に対しては黙って食べていますよ。無頓着な三女といえども、今のわが家には「支えられている感」を持っているんでしょうね。
まだまだ春は遠い寒さなれど、ちょっとだけ気分の良い今日この頃であります。
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