子どもネタ特集。

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、5月1日、福島市からお越しくださった女性の土踏まず付きオーダー草履です。昨日の「今日の草履」をオーダーくださった女性とご一緒にお越しでした。こちらもやはりお母さんへのプレゼント用と2足、明日の便で出発です。

午前中は結構の雨量でした。子どもの日の今日、やはり子どもを含むご家族連れが多数を占めましたが、雨の中の散策では少しばかり気の毒に思えます。
それでもさすがは「子ども」、雨の肌寒さもなんのその、半袖半ズボンで元気な笑顔です。
今日は子どもの日を記念して、ＧＷ中記憶に残る子どもネタを特集したいと思います。

仙台市からお越しの女の子姉妹、例の通り二人だけが実演席に残り、お父さんとお母さんは米蔵ショッピングを楽しんでいました。
一見ではお姉ちゃんのほうが小学一年くらいかと思い、下の子へ『幼稚園かな？』と尋ねてみました。すると、『私が一年でお姉ちゃんが三年、お姉ちゃんちっちゃいでしょ!?』。お姉ちゃん、思わず下を向いてしまいました。
女性に対して体型や年齢の話題はご法度ですが、子どもにもその辺は気をつけねばなりませんね。

こちらの姉妹、見学だけではなく草履作りにも意欲を見せました。お姉ちゃんが草履台を指差し、『これっていくら？』。金額を教えると、『（両親に）買ってもらえそうにないなぁ』。すると下の子が、『パパさぁ、誕生日はなんでも買ってくれるって言うくせに、犬はダメって言うんだよぉ』。
いずこの家族も似てますね、ここ数年の三女の言葉を思い出します。

こちらも仙台市からお越しの女の子、ご両親は米蔵ショッピングでしたが、女の子にはおじいちゃんが付き添いです。女の子は実演ベンチにひとり腰をおろし、おじいちゃんは後ろのベンチに座りました。
『なんねんせいですか？』の問いに、『いちねんせいです！』。『どこからきましたか？』の問いにも、『せんだいです！』とハキハキ答えます。
その後もしばしおしゃべりが続き、やがてお父さんとお母さんが戻って見えました。私と女の子の様子をご両親に教えだしたのは、後ろでひとり見ていたおじいちゃんです、『○○ちゃん、ひとりでちゃんと答えてたよ』。
おじいちゃんのこぼれんばかりの笑顔は、まさに目に入れても痛くない孫を想う顔でしたね。

盛岡市からお越しの男の子、小学六年生です。埼玉県に暮らすおばあちゃんが遊びに来ていて、家族みんなで角館散策だそうです。
おばあちゃんと男の子が実演ベンチに座りました。おばあちゃんは「ワラ草履」に詳しくて、私の実演を見ながら男の子に工程の説明をしています。それがほんとに的確なんです。
おばあちゃんが『ほんとに上手！』と誉めてくださると、男の子が『これが匠の技だナっ！』。小学六年生に「匠」と呼んでいただきました。

旧象潟町からお越しの男の子、中学生か、もしかしたら高校生かもしれません。実演を食い入るように見つめ、『すっげー！』。ときにおちゃらけでこんな言葉を発する子どももいますが、さすがにここまで大きな子どもではそういうことはありませんね。すぐにお母さんを連れてきて、『ねぇ、草履買ってもイイ？』。26cmを選んでお買い上げです。
素直に育った男の子と思います、お母さんと話したらすぐに理解できました。

仙台市からお越しの男の子兄弟、お兄ちゃんが小学六年、下の子が小学三年です。角館には、お母さんとおんぶされた妹の四人旅でした。実演ベンチには二人の兄弟だけが座っています。
『角館は何度目なの？』と尋ねると、『あっ、はじめてです』。『初角館なんだぁ、で、どうだった？』と尋ねると、『とっても良かったです！』。これが学校の授業であれば、次に「どこが」「どんなふうに」と続くのでしょうが、私の“草履塾”は理屈よりも感性を重要視しますから、質問はここまでです。あとは、『そっかぁ～、喜んでもらえておじさんも嬉しいヨ～』で心は通います。

実演を見る目も真剣です。やがてお母さんが戻って見え、『そろそろ行かないと新幹線に遅れちゃうよっ』。二人の男の子は口を揃えて、『えー、これからイイとこなのにぃ～』。
ナイターを見ているお父さんが、突然お母さんにチャンネルを変えられた場面が頭に浮かびました。

ほかにも子どもとの会話はたくさんありました。一定時間を私と共にした子どもたちは、みんな元気に挨拶して帰ります。ある子は『ありがとうございました！』、ある子は『さようなら！』、ある子は『ばいばい～』、またある子は『がんばってください！』。
どこのおとなでしょう、最近の子どもは挨拶ひとつ出来ないなんて言ったのは‥。

みんな、また来てくださいね～！