今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き[四阡八百円]
こげ茶基調の花柄プリントに、オレンジを組み合わせました。ベース色にシブさがありながら、カラフルな花柄プリントが地味さを感じさせません。明るいオレンジを組み合わせたことで、むしろ可愛いらしさが強調されたと思います。
実はこちらの草履、22cmで編むつもりでした。それが編み進む途中予定より小さくなっていることに気づき、21cmに変更したものです。在庫品だからOKの「軌道修正」でした。
今日知人男性二人が、一人の若者を連れてきました。大阪出身の24歳というその若者は、かつて自転車で旅をしている途中角館に滞在し、伝統工芸「樺細工」を知ったそうです。その後地元へ戻ってからも樺細工が頭から離れず、家族にも相談のうえ一念発起したのが樺細工職人への道といいます。
私が角館草履を発表するに至る経緯も布草履を見たのが最初ですから、そうしたことが人生に起こることはなにほど不思議とは思えません。まして角館に暮らしたいという若者が目の前にいることは、地元民として嬉しくないはずがありません。
ただ気掛かりなのは、産地の情報など一切持たずこのまま角館に暮らしたいとするビジョンの甘さです。いきなり体一つで「樺細工職人になるにはどうしたらいいですか?」と訊かれても、受け入れる側はそう簡単ではないでしょう。昔のように住み込みで技術を学ぶなどという「丁稚奉公」は、さすがの田舎でも時代錯誤です。
まず一日か二日滞在したうえでもう一度よく考え、軌道修正も選択肢に含めるのが良いと感じた次第です。
角館草履のご愛用者が異口同音におっしゃるのは、
足への感謝です。普段考えることもないわが身への感謝や労りは、
何かのモノが介入することで実感しますね。
日々一生懸命に暮らしていると、体を労わってばかりは
いられません。多忙期になれば体へ鞭打つこともあります。
だからこそ「ケア」だと思うんですね。
五十三歳になりましたが、体のケアを怠らなければまんざら
悪い年代でもないですよ(笑)