角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

継続のヒミツ。

2008年06月05日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ24cm土踏まず付き〔4000円〕
桜うさぎピンクをベースに合わせは黄色、真ん中に緑を配してみました。定番配色では桜うさぎピンクにエンジを合わせてあるのですが、こうして黄色を使っても可愛いですね。さらに三色使いにすると、可愛らしさも一層と思います。

公開実演小休止の間の在庫作り、昨日から完全再開です。昨日の朝メール確認すると、一通のご注文が入っていました。まずはこちらからと編みはじめ、昨日の便で即日出荷です。受注から発送まで即日ですよ、この小気味の良さに自分で笑ってしまいました。
在庫作りのほうは、まず24cmを集中的に作る予定です。上半期は24cmを完全に足りなくしてしまいましたから、そのあと他のサイズへと進むつもりです。

米蔵スタッフのおひとりによく言われるのが、『こんなに休みナシでよく働けますねぇ』。
3月16日からはじまった今年の公開実演でしたが、上半期最終までの二ヵ月半はほとんどノンストップです。後半戦がはじまればその期間はさらに長いんですね。
私が返す言葉は、『火星人だがらだべっ』。「火星人」の意味は今年1月7日のブログの通りです。

先日のテレビで、とある温泉ホテルの名物女将が紹介されていました。経営するホテルに宿泊のお客様はもちろん、地域にある他店のお客様も自由に観られる「お芝居」を演じているという女将さんです。
脚本から小道具まで自身の製作にも驚かされましたが、もっと驚いたのは一年365日ほとんど休まず演じるというエネルギーのほうですね。年齢は私よりはるかに上ですから、私の「休まない」とは比較になりませんよ。おそらくこちらの女将さんも「火星人」じゃないですかね。

まず他人が考えるに『よくやれるなぁ』と思われる事柄は、本人にとってなによりそれが「好き」というのがゼッタイ条件と思ってます。「嫌い」あるいは「好きじゃない」ことは、短時間や短期間であれば耐えることも出来るでしょう。でもそれが一年中だったら、とっても出来るものじゃないですよね。

草履作りと共に『よく続くねぇ』と言われるのが、このプログなんです。さすがに一年365日と言うわけには行きませんが、確かによく更新してるとは思います。
毎日おおむね150人ほどがこのブログをお読みになっています。タレントさんや著名人のブログに比べれば「スズメの泪」でしょうが、角館という田舎で草履を編んでいる男のブログにしては、なかなか健闘している数字じゃないですかね。

ブログ読者を推測するに、やはりかつて実演で草履をお買い上げくださった方が最も多いでしょう。メールで追加や買換え注文をくださる方は、まず間違いなく読者のおひとりと思います。それがときに、この逆があるんですね。

十日ほど前でしたか、一息入れようと立ち上がって歩き出したところへ、ひとりのおばさまが入って見えました。そのおばさまは、明らかにニコニコしながら草履を見始めたんです。以前のお客様のお顔を憶えるのが苦手な私は、『前にもお越しでしたか?』と訊ねてみました。
するとおばさまは、『いえ、ブログはよく読むんシども、草履は初めて見ましたぁ』。

聞いてみるとおばさまは、角館のお隣り旧中仙町にお住まいで、以前から私のブログをよくお読みとおっしゃいます。そんなおばさまはご主人から、『そんたに欲しがったら一足買ってくればいいねがっ』と言われていたそうです。その日はご主人の所用に運転手としてお越しで、用事が済むまで時間が空くため西宮家をお訪ねくださったんですね。
『今日はどこから来た人が載ってるべなぁ…と思いながら読むんシものっ』。そんなおしゃべりをしながら、草履を一足お選びくださいました。

草履作りもブログ更新も、好きだからこそ続けられる。その「好き」というのは、楽しんでくださる方がいればこそです。先の女将が毎晩芝居を演じられるのも、その舞台を観て大笑いするお客様がいればこそでしょうね。

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