角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

救援物資と秋田県。

2011年05月23日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
明るい紺基調の小花プリントをベースに、合わせはエンジです。
こちらも「秋田おばこ調」に類した配色ですが、小花プリントがより可愛らしさを出してますね。サイズは22cm、ちょっと足の小さめな可愛らしいおばさまにいかがでしょう。平生地はこちらです。




宮城県大崎市からお越しのご夫婦。町村合併で名前が大崎市になりましたが、県外の私には未だに「古川」と言われたほうがピンと来ます。おそらくこちらのご夫婦もそうなのでしょう、お住まいをお訊ねすると『古川です』とお答えでした。
ご主人が先に角館草履を気に入ってくださり、奥様もすぐに乗り気です。おふたりそれぞれにお気に入りの配色をお選びくださいました。

お住まいが宮城県ですから、やはり話題は大震災になりました。宮城県の北部に位置する古川は、3月11日の本震もさることながら、4月7日深夜の余震も強い揺れに見舞われました。ご夫婦の近くでも、半壊した家が少なからずあるそうです。
角館は何度も訪れているご主人ですが、このたびのご訪問はこの地震に大きく関係していたんです。それを奥様が話してくれました。

『角館の○○さんから、定期的に商品を買ってるのね。そしたら地震のあと、役に立ててくださいって救援物資が送られて来たのよっ。だから今日はそのときのお礼と、もちろん買い物もねっ』。

お店の名前をあえて○○としましたが、特に観光分野に絞れば角館でもトップクラスの事業所です。業績や規模もトップクラスなら、人道的にもやはりトップクラスなんですね。
この話を聞いて私も感動しました。なにも同郷の知人をおだてようというのではありません。事実私はなにほどのお付き合いもありませんから。

『秋田っていうところが好きでねぇ。冗談じゃなく、最期は秋田県でもイイと思ってるんですよっ』とご主人。これまでも秋田県には良い印象をお持ちのうえ、このたびの救援物資が心に深く届いたんでしょう。
角館草履もそんな秋田県の好印象に繋がるよう、がんばらないといけませんね。
コメント
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