角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

僕の前に道はない。

2011年03月09日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
朱色基調のとんぼプリントをベースに、合わせは紺基調の女の子プリントです。
赤系と紺系の相性の良さはもちろんですが、双方の和柄がなんともうまく合っているような気がしますね。ベースの背景には、いらかプリントが施されています。水面に遊ぶとんぼというのは、誰しもふるさとを思い起こすのではないでしょうか。
幼き日を思い出しそうな和柄のベースはこちらです。




相変わらず寒さから抜け出せない角館です。日差しこそ真冬とは異なりますが、雪が混じる上に最高気温が2℃とか3℃しかありません。それでも桜前線の予報では、今年も例年より幾分早いと報じられていました。三月も中旬を間近にこの気温ですから、本当に桜が早いとするならば、三月下旬あたりから連日高気温になるんでしょうかね。

草履職人となってからの大きな課題のひとつは、「座りっぱなし」です。これはときに、初対面のお客様にもご指摘をいただくことがあります。朝から夕方まで実演席に座りっぱなし、昨秋からタバコをやめたためさらに動かなくなりました。人の行動として基本的且つ原始的なものが「立つ・歩く」でしょうから、私の場合は運動不足の言葉さえまだマシに聞こえますよ。

去年の十二月に入ってすぐのこと。三女の高校受験日まであと百日となった朝から、角館神明社へお参りに行く決意をしました。「お百度参り」にあやかったのもありますが、やはり私自身の運動不足解消が大きかったと思います。
わが家から角館神明社までは早足5分程度の距離しかないのですが、社殿までの石段がなかなかキツいんです。20分程度の朝のウォーキングが日課になろうとしていたころ、例の入院があったわけです。

その後しばらく休んでいたのですが、先月の終わりから再開しました。ここ数日朝に僅かな積雪があって、まだ誰も踏んでいない神明社の石段の雪に第一歩を記すのが、密かな楽しみに感じています。
明日は三女の卒業式。春休みで気持ちがたるまないよう、卒業式の翌朝から三女が私と一緒に歩くことになっています。一日も早い春を願いながら、誰も踏んでいない神明社石段の雪の第一歩を、三女にも経験させてやりたいと思いますね。

「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」。新たな一歩の始まる春が、もう目の前です。
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