角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

生きるための子ども手当て。

2010年05月28日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤茶基調の洋柄プリントをベースに、合わせはエンジのいらかプリントです。
プリント柄がでしゃばらないとでも言いますか、こうした配色はよりお洒落に感じます。足が小さめの男性にもOKでしょう。

季節が逆戻りしたかのような寒さが続いています。ここ数日は最高気温で15℃程度、桜の開花を待ち焦がれていた頃がちょうどこんな感じでした。
桜の見頃から一ヶ月ほどが過ぎ、行き交う商人たちと今年の「成果」が話題になっています。やはり満開と五連休が重なってくれたのは、多くの人たちが歓迎だったみたいですね。私が聞く限りでは、昨年と比較して売上減だったのはひとりだけでした。
もっとも桜まつりが終わった角館は、そのギャップからさらに静けさを感じます。『この寒さで桜がもう一度咲くんでねぇが!?』などという戯言は、その人影の寂しさが言わせるのでしょう。

昨晩は三女が所属する卓球部の総会でした。会計を担当する私は、この資料作りが一仕事なわけです。たかが中学の部活と侮るなかれ、一年に動く金額は100万円をゆっくり超えますよ。○○法人のように、黙ってても国からもらえるお金なんかビタ一文もありません。わが家ももちろんのこと、大半が生活費のやりくりで捻出する貴重な活動費です。

無事総会が終了しての懇親会。会場は角館で最も広く、お客さんも多い居酒屋です。それが昨晩の様子はちょっと違っていました。入店したときからお客さんの姿がまばらとは思ったのですが、午後9時を過ぎた頃トイレに立つと、私たち以外のお客さんはほんの数えるほどです。馴染みのスタッフに『最近はこんたもんだが?』と訊いてみると、『ヒマだんシなぁ…』。
この不況下ですから、そのあとは話しを引きずりませんでした。

先日郵便局に立ち寄ると、しばらくぶりの知人に会いました。『おっ、元気だがっ?』と訊くと、『元気…でもねぇがなぁ』。浮かない顔の理由を聞くと、この二ヶ月間ハローワーク通いをしていました。わが家に近い年齢の子どもを育てていますから、この手の話がとてもイタイですよ。
漏れ聞くには、他にも複数の知人が勤務に「待った」をかけられているそうです。個人事業主の苦労は人並みに知っているつもりですが、サラリーマンが羨ましいともまた言えませんね。

昨晩の卓球部もそうですし、これまで付き合いのある保護者仲間たちに総じて言えるのは、みんな一生懸命生きてますよ。自分が生きることで、子どもたちを生かすことになるわけです。
地元紙読者欄をはじめ、「子ども手当て」に批判が続出しています。未来の子どもたちに借金を残すことは不本意ながら、「今を生きさせてください」という親たちの声もありますね。

さぁて、明日からまた実演に励みましょっ。

コメント
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