日本青年館で、星組東京特別公演『天使のはしご -「高慢と偏見」より-』を観てきました
とても宝塚らしい舞台に仕上がっていました
娘役さんたちに、たくさん活躍の場があって良かったです。
原作は、ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』です。
18世紀のイギリスの社会制度や結婚観、当時の女性がおかれた立場を描いています。
BBCがドラマ化したものを以前見たことがあり、話の流れをなんとなく覚えていたので、観劇しやすかったです
ドラマでは、イギリスの田園風景や、当時の風俗の描写が、興味深かったです。
(何度か映画化もされているようです。)
さて、以下ネタバレしていますm(__)m
見終わっていちばんに感じたのは、ハッピーエンドの作品は、後味がいいな、ということでした。
とよこさんは、何度も着替えて出てきますが、燕尾服やフロックコート?やらどれもお似合いでした
ダーシーという、高慢に見えて実はナイーヴな青年の役にはまっていました。
資産家の友人ビングリー役の美弥るりかちゃんは、久々の正統的な貴公子の役が良く似合っていました
このカップルはずっと幸せに暮らすのだろうな
もうひとりの友人で執事の息子ウィカム役の夢乃聖夏ちゃんは、いわゆる黒い役でした。
最後のめでたしめでたしが唐突に感じてしまったのですが‥‥このカップルはずっとうまくやっていけるのだろうか?と不安になる役作りのウィカムでした。
コリンズ神父役の天寿光希くんは、胴布団を入れての熱演でしたが、芸達者だなと思いました
娘役さんたちは、みなさん上手で可愛らしかったのですが、今回観ていいなと感じたのが、華雅りりかちゃん。
ベネット家の5人姉妹の長女ジェーンの役で、美弥るりかちゃんの相手役です。
ビングリーと結ばれるまでの紆余曲折の苦悩や嬉しさを、長女らしく落ち着いて演じていたと思います。
りりかちゃんは、この作品のあとに花組に異動。
一期下の実咲凜音ちゃんとキャラがかぶりそうだなぁ
ヒロインの次女エリザベス役の音波みのりちゃんは、作品のせいもあるかもしれませんが1年前の“メイちゃん”に比べると、上ずったところもなく、ヒロインらしかったと思います。
綺麗なコスチュームプレイでしたが、シビアな金銭の話が何度も出てきて、かなり生々しいストーリーでもありました。
金銭に女性の幸福のかなりの部分が左右された時代だったのですね。
コスチュームといえば、『THE SCARLET PIMPERNEL』のドレスや、『TRAFALGAR』の軍服やハイウェストのドレスに再びお目にかかれて嬉しかったです
“天使のはしご”とは雲の切れ間から地上を照らす陽の光を表し、その光が幸福に導いてくれる、ということらしいです。
シメさんこと渡辺奈津子先生のお名前が、演技指導としてプログラムにクレジットされていました
演出の鈴木圭氏は、『逆転裁判』をヒットさせて、大劇場デビューが真飛聖さんの退団公演だったはず。(観れなかったけれど‥‥)
同じように大劇場デビューが退団公演となる原田諒氏は、どんな力を発揮してくれるか楽しみです