『マルグリット』
春野寿美礼さんの本格的舞台復帰第一作。
本年2月~3月にかけて、東京~大阪~東京という順番で上演されました。
わたしは、3月に日生劇場で観ました。
ベースになっているのは「椿姫」ですが、設定を第二次世界大戦中のドイツ軍の占領下のパリに変えてあるので、舞台装置もそんなに華やかなものではありません。
でも、家具やセットなどの簡単な入れ替えだけの舞台転換でしたが、充分に雰囲気は味わうことが出来ました。
宝塚OGは春野さんのみ、東宝系のミュージカルではないので、その他の出演者も馴染みのない方たちばかりです。
(寺脇康文さんはTVではお馴染みでしたが。)
演出はロンドンと同じジョナサン・ケント氏。
そういう、春野さんにとって他流試合にはじめて一人で挑むような状況が、大きくプラスに働いていた舞台だったと思います。
華やかなパーティー場面から始まるのですが、ドイツ軍の高級将校オットー(寺脇さん)に囲われている元歌姫であるマルグリット(春野さん)の危うさや不安感が、ひしひしと伝わってきます。
バンドのピアニストのアルマン(田代万里生くん)とマルグリットとの恋も、その出逢いの瞬間から、悲劇に向かって走りはじめているのがわかるのだけれど、
なんとか悲劇を回避出来ないのかと、目が離せない。
やはり結末は悲劇に、それも惨憺たる結末を迎えます。
しかし、胸を抉られるように悲しいのだけれども、何故か後味は悪くなかったのです。
人間の心の闇を浮かび上がらせるリアリティーのある演出だったので、逆にマルグリットのまっすぐな心ゆえの苦悩がよく伝わってきたからなのでしょうね。
マルグリットの死によって終わるのだけれど、決して自分の中では暗い話ではありませんでした。
おそらく、10年前の自分がこれを観たら、やるせなさだけが大きく残り、もし再演があっても、観ないと思いますが、今は再演されたら(出来れば、春野・田代・寺脇はそのままで)、ぜひ観にいきたいと思います。
自分にとってちょうど良いタイミングで出会えたミュージカルだったと思います。
タイトルの“彼女は拒めない人形”は劇中歌の「China Doll」の歌詞から。
※半年前の記憶を頼りに書いています。
そんなことない、それって変だ、という部分があるかもしれません。
あくまでも、個人的な感想という事で読み飛ばしていただけたら、と思いますm(__)m
お隣の劇場では花組が公演中
ヨン・ホゲさま~
さらに、そのお向かいのシアタークリエでは、『ニューブレイン』に樹里咲穂さんが出演中
こちらは春の風のように爽やかなお話で、樹里ぴょんは高い声も伸びやかに出して歌ってました
やっぱり樹里ぴょんは歌ウマさんです
樹里ぴょんのパンツスーツ姿(舞台衣装です)を久しぶりに拝見しましたが、相変わらずスタイルがよかった~
あの時期は、東京に来たというのに、本当に狭いエリア内を幸せ気分で動き回っていました