「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする」と言ったのは「手袋を買いに」(新美南吉)の子狐だが、今日の私は子狐さながら、ある物を手に入れるべく彷徨っていた。
昼過ぎ、他の建物に書類を届けに行ったとき。
仕入れをする部署の人間が凄い形相で駈けよってきた。
どうやら、他部署を回っていた私を探していたらしい。
商談中の会長が私を呼んでいると言う。
急いで仕入れ室に入場し、仕入れ中の会長の元へ急いだ。
彼の望みはどうやら自宅から目薬を持ってきてほしいとのこと。
ヘイヘイホー。
会社近くの会長宅へ行く。
そして、ぴんぽ~んと会長宅のインターフォンを鳴らす。
小型のカメラとマイクに向かって、部署名と名前を告げたあと、
「会長に目薬を持ってくるように申しつかっております」
と述べた。
暫くすると、会長のお嬢さんが
「すいませ~ん。あ!お久しぶりです」
と挨拶しながら目薬を持ってきた。
そう、私は会長宅へたまに行く。
パシリですから。
会長の奥様やお嬢さんとはこうして何度か遭遇している。
目薬を持って行く際、ポケットティッシュも一緒に持って行った。
会長は
「ありがとう…すいませんね…うぐぐ」
とご満悦。
で、ここまではいい。仕事だし、ある程度割り切っている。
問題は、商談している相手のオヤジである。
「○○さん、綺麗だねぇ」
といやらしさ満載の顔で眺めてくるではないか。
こわい…ガクブル。
変なオヤジの部下らしき若人も
「今度合コンしましょう」
とか言ってくる。
そして一斉にニヤニヤ。
おかしい…様子がおかしい…。
職人気質で苦労続き、このような浮ついた会話を好ましいと思えないだろう会長の前で、私はどうすることもできず、フリーズ。
必殺・笑顔で「うふふ」を駆使し、その場を凌いだが…。
会長もニコニコしていたのでたぶん私の対応は間違っていなかったはず。
一気に疲れてしまった。
まあ年を重ねてもこのような話題に上がるということは有難いことなのかもしれない。
でも…でも…私だって合コンの相手は選びたい。
一応。
それにしても会長。
他に頼れる社員はいないのか。どうして私なのか。謎過ぎる。
そりゃ社歴は長いけど。他に女性社員はたくさんいるのだし。
会議の前は電話して教えてくれだの、目薬持って来いだの、おんぶにだっこ状態である。
ちょっと大変だが、彼も老いているのだ。仕方がない。何かが辛いのだろう。そう思うことにした。
もう少し頑張ってみよう。
冒頭の「手袋を買いに」
子狐は母さん狐に「人間ってちっとも恐かない」と、間違った手を出したが帽子屋は手袋を売ってくれたことを話した。
母さん狐はあきれながら、「ほんとうに人間はいいものかしら。ほんとうに人間はいいものかしら」というつぶやいて終了している。
ほんとうに会長はいいものかしら…と、私はつぶやいたか、つぶやかないか。
昼過ぎ、他の建物に書類を届けに行ったとき。
仕入れをする部署の人間が凄い形相で駈けよってきた。
どうやら、他部署を回っていた私を探していたらしい。
商談中の会長が私を呼んでいると言う。
急いで仕入れ室に入場し、仕入れ中の会長の元へ急いだ。
彼の望みはどうやら自宅から目薬を持ってきてほしいとのこと。
ヘイヘイホー。
会社近くの会長宅へ行く。
そして、ぴんぽ~んと会長宅のインターフォンを鳴らす。
小型のカメラとマイクに向かって、部署名と名前を告げたあと、
「会長に目薬を持ってくるように申しつかっております」
と述べた。
暫くすると、会長のお嬢さんが
「すいませ~ん。あ!お久しぶりです」
と挨拶しながら目薬を持ってきた。
そう、私は会長宅へたまに行く。
パシリですから。
会長の奥様やお嬢さんとはこうして何度か遭遇している。
目薬を持って行く際、ポケットティッシュも一緒に持って行った。
会長は
「ありがとう…すいませんね…うぐぐ」
とご満悦。
で、ここまではいい。仕事だし、ある程度割り切っている。
問題は、商談している相手のオヤジである。
「○○さん、綺麗だねぇ」
といやらしさ満載の顔で眺めてくるではないか。
こわい…ガクブル。
変なオヤジの部下らしき若人も
「今度合コンしましょう」
とか言ってくる。
そして一斉にニヤニヤ。
おかしい…様子がおかしい…。
職人気質で苦労続き、このような浮ついた会話を好ましいと思えないだろう会長の前で、私はどうすることもできず、フリーズ。
必殺・笑顔で「うふふ」を駆使し、その場を凌いだが…。
会長もニコニコしていたのでたぶん私の対応は間違っていなかったはず。
一気に疲れてしまった。
まあ年を重ねてもこのような話題に上がるということは有難いことなのかもしれない。
でも…でも…私だって合コンの相手は選びたい。
一応。
それにしても会長。
他に頼れる社員はいないのか。どうして私なのか。謎過ぎる。
そりゃ社歴は長いけど。他に女性社員はたくさんいるのだし。
会議の前は電話して教えてくれだの、目薬持って来いだの、おんぶにだっこ状態である。
ちょっと大変だが、彼も老いているのだ。仕方がない。何かが辛いのだろう。そう思うことにした。
もう少し頑張ってみよう。
冒頭の「手袋を買いに」
子狐は母さん狐に「人間ってちっとも恐かない」と、間違った手を出したが帽子屋は手袋を売ってくれたことを話した。
母さん狐はあきれながら、「ほんとうに人間はいいものかしら。ほんとうに人間はいいものかしら」というつぶやいて終了している。
ほんとうに会長はいいものかしら…と、私はつぶやいたか、つぶやかないか。
ワン&ニャンの多頭飼いをしていると自分の事はお構い無しになってしまいます。
老犬になり半ボケちゃんのお犬様の夜中2回の散歩!(たった今、行って参りました。
目の下のくまさんが消える事は無くなりました。
新美南吉「手ぶくろを買いに」「ごんぎつね」はワタシのお気に入りの絵本です。
黒井健さんの絵が優しくて好きです。
汚したくなくてビニールに入れて大切に保管してます。
たまに読む時は「お手手」をミューズで殺菌!ページを捲るにも細心の注意を!です。
本屋さんに行くと絵本コーナーに必ず立ち寄ります。
数札立ち読み、時に涙してしまう絵本に出逢い、お買い上げ~\
亮子さまオススメ!!の絵本はありますか?
昔からおじさんウケだけはなぜかいいんです。いいんだか、悪いんだか。
>ワン&ニャンの多頭飼いをしていると自分の事はお構い無しになってしまいます。
おお!
ステイサム殿、たくさんのワンちゃんにゃんちゃんを飼われているのですね。
>老犬になり半ボケちゃんのお犬様の夜中2回の散歩!(たった今、行って参りました。
うひょ~!お疲れまです。
>黒井健さんの絵が優しくて好きです。
調べてみました。
これ、書店で見たことがあります「ごんぎつね」
ふわっとした画風ですよね。
>汚したくなくてビニールに入れて大切に保管してます。
たまに読む時は「お手手」をミューズで殺菌!ページを捲るにも細心の注意を!です。
そのお気持ち、凄く分かります。
大切な本はそうなりますよね。
>亮子さまオススメ!!の絵本はありますか?
やはりクマ好きなせいか、クマの絵本が好きです。
特に、いもとようこの「ずっとそばに…」は書店で読んで号泣した覚えがあります。