世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

梅雨の晴れ間

2017年06月21日 23時35分23秒 | Weblog
昼過ぎ、私が異動になった部署の後輩女子Yさんから、いくつかの仕事の引継ぎをした。
さすがマニュアル作りのプロ。
要点がよくまとまっていて感心してしまった。

頭ではジョブローテーションってだいじだよね、って思っているのだが、やはり16年間やってきた仕事を手放すのはつらい。
というか、この先、どうなってしまうのだろうと、つい考えてしまって、落ち込む。
やはり転職するしかないのだろうか。

そして今日も夕方から机の掃除をする。
懐かしい書類を心を鬼にして廃棄。

先輩女子Nさんと電車で帰る。
いろいろ話した。
話を聞いてもらえて、少しすっきりした。

それにしても電車が遅延しててホーム及び電車内は大混雑していた。
ただでさえ雨で蒸し蒸ししているのに、ぎゅうぎゅう詰めの電車内は不快度数100である。
さすがは梅雨である。
自分自身がカビそうで怖い。



今日の夕食はラーメンに決めていた。
昨日、両親がラーメンを食べたそうで、その画像を見て食べたくなったのである。
ねぎラーメン。
シンプルだけれども、ねぎの辛さがたまらない。




母曰く、今は野菜が高いのだそうだ。
野菜の購入履歴がなく、その適正価格を知らない私は「ふーん」と聞き流すしかないのだけれども。



電話を切ってからは「落花生」(嶽本野ばら)を読み返した。
私は元気になりたいときに「京都の女子―母、或いは妹に就いて」を読むことにしている。
下北沢のVVで行われた「落花生」のサイン会で並んでいる最中に、ここの章を読んで、声を出して笑ってしまった。
まるで不審者である。
でもそのぐらい痛快でおもしろい。


執行猶予中の野ばら先生は、京都の実家でお母様と妹さんと三人で暮らしている。
お母様は花を活けるのが好きで、スーパーを往来する道すがら、たくさんの磯菊が庭からはみ出して咲く家があり、気になっていると言う。主が手入れをしている様子も無い。

お母様と野ばら先生の会話。

「外に咲いているものを採っても罪にはならない筈だから、何時も鋏を持っていこうか迷うけど、泥棒だと思われると癪だしねぇ」
「狂言にもありますし、花盗人は風雅ですよ」
「それは解っているのですが、もしも咎められ、素性を知られ、お前の母親と知れたら何とします。息子は前科二犯ですよ。母の窃盗の嫌疑、容易に晴れやしません」
「どうして、蒸し返すのですか」
「腹が立つからです。お前のそのことに未だ、腹を立てているからです。赦しやしませんよ。執念深いのです。幸いなのは離婚しているから私達は旧姓、名前だけならお前が家族とバレないことです。そのような珍奇な漢字での苗字、滅多にありませんからね」
「珍奇な漢字での苗字の人と結婚したのはお母様ではないですか」
「今、思えば魔が差してしまったのです。うっかり籍を入れてしまったもののお父様のことは一年足らずで大嫌いになりました」
「それでは虎視眈々と離婚の機会を狙っていたということですか?」
「ええ。私はそのように準備のよい人間です」


という部分が特に好き。

野ばら先生の一文一文が、梅雨の晴れ間に差す光に思えて、私を元気にさせる。
野ばら先生が作り上げた「イーハトー坊の小人さん」の面影を胸に・・・明日も乗り越えよう。


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2 コメント

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Unknown (ノアかか)
2017-06-22 10:38:36
私も最初の会社を辞めることを決めてから、まずとりかかったのが仕事の引継ぎのレジメをまとめること。
備品の大学ノートに、私がやってる仕事を、まず年間スケジュールから書き、次に月の仕事のスケジュールの一覧表を書き、各々の仕事に番号をふって、こと細かにノートに書きました。
仕事の種類によりますが、計算式の説明や、段取りを縮小コピーを張り付けたり、保管場所も明記したり、大変?でしたね。
退職してから、同じ部署のベテランの方から、お尋ねの電話も何度かかかってきましたが、ノートに懇切丁寧に書いてるのでさしあたって、どうにかなったようです。
なんか、昔のことを私も思いだしました。
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引継ぎ (亮子&吉熊)
2017-06-23 23:09:43
ノアかか殿

お返事が遅くなりすいません。

引継ぎ、大変ですよね・・・。
年間スケジュール、月間、毎日のルーティンを細部に渡って書き起こすと、けっこうな量になるのだなあと私も改めて思いました・・・。
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