命の母

いくら周囲の人々が「今日は涼しくて凌ぎやすいね」なんて言っても、
私の手足はどんより熱を宿し、不快度数はさほど変わらない。
ここ数年の夏は、手にはアイスノン、足は机の下で靴を脱がないと耐えられない。
手足どころか、今日は顔まで熱ってしまい変な汗まで出る始末。

その他、ヒステリーを起こしやすくなった、頭痛が激しい、暑いと思っていたら急に寒くなる…諸々の問題を抱えている私の体。

所謂、更年期障害というものなのだろか。
現在、更年期障害歴８年の母と全く同じ症状。
更年期師匠の母に相談したところ、産婦人科に行くと検診を受けなくてはならないとのこと。

い　や　だ　…。
絶　対　い　や　だ　ッ　!!
死　ん　で　も　い　や　だ　ッ　!!

ということで産婦人科は呆気なく、や～んぴ。

母は漢方薬で更年期障害を乗り切っている。
私も別件で漢方薬を頼っているのだが、以前、そこの主治医に「手足が熱って、更年期障害みたいな症状が出るんですぅ」と相談したところ、「あなたの歳で更年期障害は有り得ないよ。僕にも分からないなー。」と言われ、それっきり。

でも最近は若年性更年期障害っていうのもあるしなぁ。
絶対、この症状はママと同じなんだけどなぁ。
産婦人科はイヤン。
でも、東洋医学では有り得ないって言われてしまったし…。

ずっとモヤモヤしたまま、不快な状態と付き合っている。

先日、そんな迷える子羊（亮子）に天の声が…!!
テレビのCMで、更年期障害に効く薬が市販で販売されているのを知った。
その名も
「命の母」(小林製薬)!!
壮大なネーミング。
「元始女性は太陽であった」という平塚らいてうのフレーズが頭をかすめた。
このネーミングの由来って…。そして誰が付けたんだろう。小林製薬の社員???
素敵すぎ!!

「手足が焼けるッ!!こんな状態、もう耐えられない!!」ということで、今日は退社してマツキヨに直行。
あの薬が私を救ってくれるのよッ!!
私の足は小走りになっていたかもしれない。
まさに藁をも縋りたい状況である。

「小林製薬から出ている“命の母”ください」
私はレジに佇む殿方に言った。
レジの殿方は「はぁ、少々お待ちください」
と言い残し、その場を去った。
すると白衣を着た殿方が参上。
「“命の母”です…ね?」
と訊き返して来た。そしてマジマジ観察された。
やはりこんな若輩者には販売してくれないのだろうか。
不安がよぎる。
しかし、そんなのは杞憂に過ぎず、私は晴れて「命の母」をゲットしたのだ!!
これで更年期障害から開放される!!

ハ～レルヤ!!
いいな　いいな　人間っていいな～♪
乾杯　今　君は人生の～♪
ありとあらゆる感動的な曲が脳内に流れる。

早速母に電話でホウレンソウ（報告・連絡・相談）←母親は上司かYO!

「ああ、“命の母”ね。あれ、効かなかったよ」
と呆気なく言われましたとさ。残念。


とりあえず飲んでみるけれど…。