世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

「あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった ~カウラ捕虜収容所からの大脱走~」

2008年07月08日 23時59分15秒 | Weblog
かつて第二次世界大戦で兵役についていた朝倉憲一(山努)は、孫娘・舞(加藤あい)に連れられ、オーストラリア・シドニーの西320kmにあるカウラ(Cowra)という小さな町にたどり着いた。
事情を何も知らない舞は、憲一が何故今ここに来たのか、何をしに来たのかわからないまま、目の前に広がる何もない荒涼とした大地に呆然とする。
憲一は“ある想い”を胸にこの地にやってきたのだった。その昔、自分が”捕虜”として過ごした地、カウラに。

64年前、ここで起きた出来事。そして、届けられなかった戦友の想い――

――昭和19年1月。 夏九八五三部隊に所属する兵長の朝倉憲一(小泉孝太郎)は、上官の嘉納二郎伍長(大泉洋)と共にニューブリテン島で連合国軍と戦っていた。
悪化する戦況。食料も尽き、仲間ともはぐれ、何十日もひたすら逃げ続けることしか出来なかった2人の前に、ある日、連合国軍の海兵隊が現れる。
ついに、ここで殺されてしまうのか。
それとも捕虜となり辱めを受けるのか――
当時、日本政府は日本兵の捕虜は存在しないと公表していた。捕虜になることは“戦死”つまり、“死”として家族にも伝えられていた。
「生きて虜囚の辱めを受けず。死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」
――叩き込まれた「戦陣訓」が憲一の頭をよぎる。これからどんな苦難が待ち受けているのか、どんな残酷な方法で処刑されるのか。いっそ殺してくれ、と懇願する憲一だったが、その願いは聞き入れられないままオーストラリアへと連行されてしまう。
そうしてたどり着いたカウラ第12捕虜収容所で、憲一は“思いもよらない光景”を目の当たりにする。
野球、麻雀、花札をはじめとする遊びに興じる日本人捕虜たち。十分な食事、そして十分すぎる自由。
捕虜に身をやつす自分が、この体たらくで良いのか。生き恥をさらしながらもおめおめと生きていていいのか、それとも潔く自決すべきなのか――答えのない自問を繰り返す憲一だったが、数ヶ月前までの激戦が嘘のように、ただただ、のどかな時間が流れていくのだった。

ところが、ある日、黒木(阿部サダヲ)という軍曹たちが新たに捕虜としてやってくる。
「生きて虜囚の辱めを受けず。死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」
――平和な日々の中で憲一たちが忘れかけていた、あの「戦陣訓」を声高に叫ぶ黒木たち。
自分は今、何をすべきなのか?
それまでの安穏とした日々が少しずつ、変わっていく。
そして、1944年8月のある満月の夜――(番組HPより)




死への突撃。
次々に銃で打たれて倒れる人々を見ながら、涙が止まらなかった。

今まで大泉洋という人については興味がなかった。
「生きていればいいことあるよ!生きようよ!」
と、いち早く帝国軍人モードから抜け出してそう言い放つ二郎役の大泉洋。快活な様子がとても魅力的だった。
毎日、届くはずもない手紙を愛する妻へしたため、人として生きることを望んでいた二郎。
およそ64年前、そのような「生を望む」という思想は非難される時代だった。だから二郎の言動はさぞかし勇気のいったことだっただろうと思う。
突撃の賛否、彼は班の中で唯一「×」をつけた。
トイレットペーパーで生死の賛否を問うっていうシチュエーションがかなり悲しい。

次郎とは対照的だったのが軍曹役の阿部サダヲ。
「きっさ~ま!」
と白目を剥く帝国軍人を見事に演じていた。エキセントリックな様子が怖くて、今夜、夢に出てきそうだ…。


寝食に不自由がなく、しかも強制労働もない捕虜生活。
麻雀、喫煙、飲酒、野球、…塀の中では何をしても自由。

「なのになんで?わざわざ大脱走?」
と、どうしても思ってしまう。

たぶん、30歳の私ぐらいの年齢が、「どうして?」と思いつつも、軍陣訓に縛られた当時の日本兵の思いを汲み取れるギリギリの年齢だと思う。
自分の命をあっさりと日本に捧げる意識というものは、でも、やはり理解できない。

しかし、突撃した人の、「日本にいる愛する人を守りたい」、または「立派な戦死」を成し遂げたいという思いは絶対にバカにしてはならないと思うし、心の中で静かに受け止めなければならないことだと思う。


改めて、平和な世の中に生まれてきて良かった。




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4 コメント

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漁師のおじさん (亮子&吉熊)
2008-07-10 22:04:16
GO殿

こんばんは。

>漁師のおじさん。
最後の、ご家族の話す言葉。

私もあの漁師のおじさんがかわいそうでかわいそうで。
涙の80%は、彼の切なさから流れたものでした。


>中国の映画で『鬼が来た』と映画があるのですが、
それを観たときと同じような切なさを感じました。

カンヌでグランプリと受賞した作品ですね。
たしか捕虜の話。
DVDになったら「アフタースクール」も観てみます。

返信する
観ました。 (GO)
2008-07-09 23:52:13

亮子さん
吉熊くん


昨日、観てました。
生きたいと思う気持ち。
漁師のおじさん。
最後の、ご家族の話す言葉。
当時の社会の状況に、言葉がありませんでした。

中国の映画で『鬼が来た』と映画があるのですが、
それを観たときと同じような切なさを感じました。


大泉洋さん、ボクもすごく印象の変わった人の代表です。

彼が出てる「アフタースクール」という映画。
観た同僚が、邦画では人生ベスト1だと言ってました。

劇場では、上映終わってしまってるので、DVDになったら、観てみようと思います。

平和な世の中に生まれてよかった。
本当に、そう思いますよね。


GO
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臨場感ありあり (亮子&吉熊)
2008-07-09 23:05:32
みじんこ殿

>途中までは観てたんだけど、大泉とサダヲちゃん…舞台出の2人に本気で演技させるとは…

大泉さんも舞台出身だったんですか!
サダヲさんの強烈な演技はとてもインパクトがありましたね。
「下妻物語」の全身ギャグ漫画ばりのサダヲさんを微塵も感じられませんでした。

>声の張りが舞台モード入っててドラマと捉える事が辛くなって来たトコで観るのやめてもた…

たしかに。
臨場感溢れる演技でした。

>つか、(山努) ←この表記かなり笑ってもた。

携帯でご覧になるとそう出ますね。
PCからですとちゃんと出るのですが。

あ、そうそう。
みじんこ殿が好きな戸田菜穂さんが最後に出ていましたよ。


ししまる。
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途中まで… (みじんこ)
2008-07-09 18:17:42
途中までは観てたんだけど、大泉とサダヲちゃん…舞台出の2人に本気で演技させるとは…

声の張りが舞台モード入っててドラマと捉える事が辛くなって来たトコで観るのやめてもた…

つか、かなり久々に遊びのないサダヲちゃんを見た気がする♪ o(^-^)o

つか、(山努) ←この表記かなり笑ってもた。


ししまる。
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