世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

グロテスク、読了。

2022年10月08日 23時28分39秒 | Weblog
10時間以上寝たのですっきりしたはずなのに筆舌しがたいほどの怠さに苛まれていた。
なんとか洗濯を終え、レトルト食品を食べたら力尽きた。こういう日は横になるしかない。
そんな私に朗報。
旅行会社から全国旅行支援のお知らせ。
そう、お得に旅ができるアレである。
思えば一昨年、GOTO(トラベル、イート)のお陰でだいぶ助かった私の懐。
今回もアレがこうなって、コレがああなれば…と電卓を電卓を叩きながらウハウハ。
そんなことをしていたら夕方。
買い物ついでに夕食を取ろうとしたが、どこも満席。
少々寒かったので杵屋のカレーうどんを食した。
1.5人前(無料)にしてもらった。




麺がつるつるしこしこしててとても美味しい。だが年々「とろみ」がなくなってきている気がしないでもない。


湯船に浸かりながら「グロテスク(下巻)」読了。
上下各400頁の大作。今年は夏からずっとこの作品と向き合っていた。


東電OL殺人事件がモチーフになっている作品。
主人公「わたし」、その妹ユリコ、クラスメイトだった佐藤和恵(みんな名門Q女子高卒)が手記や手紙という切り口で語りだす。それぞれの主観と客観にズレがあって、「ああ、私もこういう風に婉曲されているのかもしれない」と考えると怖くなった。
途中の「わたし」の妹ユリコを殺した犯人チャン(中国人の密入国者)の語りが一番読みごたえがあった。中国内陸部の貧しさ、風景、臭いがリアルに伝わってきて、チャンの「ここから出たい欲望」に説得力があった。妹と手と手を取り合って都会へ出稼ぎに行くきょうだい愛に心打たれた。

和恵は昼はエリートOL、夜は渋谷の街娼として自身のアイデンティティを保つアラフォーになる。誰かに認められたくて仕方のない様子が痛々しかった。でも、…わかりみが深い。

「わたし」は結局、ユリコの息子…甥っ子と思わぬ方向へ爆走するのだが、自分が甥っ子とそういうことを…って思うと「え?」ってなった。
しかし読了感はとても清々しい。
夏から秋にかけて素晴らしい読書体験ができた。

そんなこんなを考えながら風呂から出て一服していたら甥っ子からLINEがきた(母のスマホ)。
カメラ通話にして顔エフェクトで笑い転げる我々(44歳と5歳)。

ちょうど両親が妹宅に来ているので、明日は私もお邪魔することに。

LINEを切る際、甥っ子に
「あした、駄菓子買ってきてね」
と言われた。

5歳児って、すげぇのな。

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