「やっと会えたね」

小学3年の時からの友達わたと七夕デート。
「今日か明日、朝顔市、いかない？」
とのメールをもらった昼。

「寄ってく？」
「いいねぇ」
らららら…の某消費者金融のCMのようなやりとりをし、急遽朝顔市に行くことになった。




昨年の七夕も朝顔市に行った。
吉熊と。

わたとお祭りを楽しむのは小学校時代、校庭で開催された盆踊り以来だ。
盆笠持って日光和楽踊りを踊ったっけ。



朝顔市を一通り楽しんだ。といっても「朝顔、綺麗」と感想を述べ合い、祭りの雰囲気を楽しんで歩くだけ。わたも私も植物を育てることは苦手なので、朝顔に対しての消費行動は起こさなかった。左手の屋台が並んだゾーンはあまりの混みっぷりに近寄れず。





入谷鬼子母神へも長蛇の列ができていた。たしか去年はあまりの混雑のために断念したんだった。一人だったら並ばなかったかもーと互いに述べ合い、今年は並んでみることにした。



5分程度で境内に入場できた。
いきなりお香によるスモーク、キター！

「怪奇特集あなたの知らない世界」のオープニング的な煙に驚く我々。
お参りの前、右手に素敵なお守りが販売されているのを発見。
「今日の日の記念に」と二人でお揃いの朝顔お守りを購入した。
販売している人が火打＆念仏を唱えてくれた。
ご利益ありそう。

続いて参拝。
私の願いは、
「はやぶさが持ち帰ってきた微粒子がイトカワのものでありますように」
だ。
わたに言ったら、「え…」と苦笑いされた。
そう、彼女は私の暴走を否定せずにいつも見守ってくれている。
小学3年生のときから…出会ったときからそうだった。
わたの願いは何だったんだろう。

購入した朝顔お守りを手に、通りを歩く。
大きめのバックを持っていた私は、わたに
「わた、朝顔お守り、私のバックに入れておこうか？預かっておくよ？」
と言った。

わたは、
「いや。手で持っていたい。雰囲気的に」
とか言う。
普段はクールでハードなわたから出た意外な言葉に私はびっくりした。
そして萌えた。

居酒屋に入ろうとしたのだが、どこも混んでいた。
仕方がないのでガストに入店。
「ここ、飲めるよね？」という「飲む気満々」な感じで。



先月会ったばかりなのに、話が尽きず。
わたは空也の彫像が好き。
口から出た念仏が6体の阿弥陀仏になってるアレ。

空也が左手に持っている鹿の角のついた杖は、空也が可愛がっていた鹿の角だとか、色々詳しい。わた。淡々としているのに空也を語らせたときのわたの高揚っぷりは目を見張るものがあった。

中学生のときに「空也に会いたい」と思った彼女。
初めて空也に会ったときの彼女の感想は、
「やっと会えたね」
だったそうな。

それって…

「辻仁成！」

と、二人でハモり、爆笑。


説明しよう。
「やっと会えたね」とは、フランスのシャルル・ドゴールで初対面の中山美穂（今の妻）に対し、辻仁成が言った言葉である。

「今日のブログタイトル、絶対に『やっと会えたね』にすっから！」
と、わたに約束した通り、そのようにした。

他にも、わたの甥っ子のこととか、小学校時代の話、通っていたピアノ教室が音大受験並みだったこと（楽典とかもやらされた）とかを話した。

『私しか覚えていないかもしれない』と感じる思い出ってある。
思い出した時にちょっと孤独感を伴う類の思い出。
些細な思い出だけれども、それらを共有できる友達という存在は本当に有難い。

23時まで飲み、帰路についた。

やっぱ、友達は良いもんだ。



風呂上がりに朝顔お守りを見ながら、そう呟いた。