やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ピリシュの夜想曲

2008-02-26 | 音楽を


         


昨年末から、ショパンを改めて聴いてゐました。

ポリーニの、超絶的な演奏の練習曲集は、LPでもCDでも聴いてゐましたが、
それ以外は、座を正して聴く事は左程なかった気がします。

師走からは、夜想曲を聴いてゐましたが、
手元にある、5、6種類の盤に、ハタッ! と感じるものはさほどありません。
唯一、ニキタ・マガロフの、少し時代かかった、でも、心にしみるやうな演奏が好み、でした。

しかし、ピリシュの演奏が、決定盤、でした。

彼女の、若い頃の才気走ったやうなモーツァルトも素敵でしたが、
ひと頃、腕の病気とかで活動を中断した後のすべての演奏が素晴しい。

そして、この、ショパンの夜想曲。
人が加齢する、とは、かういふことだ、といはんばかりの、みごとに深い演奏。
甘くもなく、さりとて、妙に神経質なところもなく、
くっきりと響き渡るピアノの音が、革命児としてのショパンの強い意志を感じさせてくれます。