現調で伺ったお宅の玄関横で、
色鮮やかな山茶花が風に揺らいでゐました。
数日前にご主人を再入院させ、
慌しい最中につくって頂いた時間でした。
小生の、「建具がどれも見事ですね」との言葉に、
奥様は、主人は建具屋だったんですよ、と少し嬉しさうに話し、
襖を開けて茶の間の奥も見せて頂きました。
小生の目が手の込んだ欄間障子にゆくと、
「倒れる前に主人が造ったものでした」との自らの言葉に、
まう再起の可能性がないらしいご主人のことを思はれたのか、
顔を曇らせて居られました。
息子さんは後は継がず、会社勤めださうで、
忙しかっただらうご主人の職人時代を懐かしんでゐるやうでした。
いとまの時に、携帯のカメラで山茶花を撮ってゐると、
好きでしたら小さいのを持ってゆきますか、と根元のひこばえを指し、
すみません、好きなもので…、とひと株頂いてきました。
小さな苗でした。
花が付くのは、5年先か、10年先かー。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます