吉田秀和さんがマーラーを論じた本を読む。
ここ数十年の間の文章をまとめたものだといふ。
秀逸です。
いつものくせのやうに、僕はそれほど聴いてゐないけれどー、と云ひながら、
”もし、これが(交響曲第10番)本当に書きあがっていたら、マーラーは今私たちが知っている後期ロマン主義音楽とシェーンベルク以降の音楽とのあいだにある、断絶とまではいかないにせよ、あの大きな隙間を見事に埋める仕事をしたのではないか”
”マーラーは、ある崩壊感覚を同時代の誰よりも鮮やかに表現するのに成功した最初の交響音楽家だった”
と、見事にいひ当ててゐる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます