先日、本だったかネットの文章だったかで、江戸時代に上山藩のはずれで武士の果し合ひがあった、やうな記事を見にした。
”浄瑠璃坂の仇討ち”といはれてゐる事件の一角だった、やうに書かれてゐた。
さういへば、高橋義夫先生の作品に『浄瑠璃坂の仇討ち』といふのがあったのを思ひだし、早速に読んでみました。
不覚にも初めて読んだのですが、僭越ながら、とても面白かった。
鍵屋の辻の決闘と赤穂浪士の話とともに、”江戸の三大敵討ち”のひとつといはれてゐるとのことで、鍵屋の辻の話はとてもドラマティックで見知ってゐましたし、赤穂浪士の話は要はひとりの老人を47人でなぶり殺ししたやうでとても嫌ひな話で、この浄瑠璃坂の話は親戚同士の仇討ちなので一寸地味系ですが、なるほど、赤穂浪士たちがモデルにしたといふ潜伏方法や決起の時の衣裳等の話がとても面白かった。
新聞の連載だったとのことですが、500ページ近いヴォリュームをひと息に読みました。
正月の新年会でお会ひしたときに、先生は現在『最上義光』を新聞で連載されてゐるのですが、なかなか話を進めるのが難しいと苦笑されてをりました。きっと、山形に移住されて以来、究極の人物をとりあげてをられるので、現在も時々は読んでゐるのですが、一冊の本になるのを今から楽しみにしてゐます。
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