山はまだ雪景色ですが、あたりの雪も消へ果てました。
暦は啓蟄も過ぎて、まだ春の雪が舞ふこともあるでせうが、浅き春の心地よい季節です。
ハナミズキの下の、さして陽当りもよくないところに、すっくと福寿草が咲かうとしてゐました。
まったく、春の色です。
最近は、今頃の季節が一番好きになりました。
もちろん、あたりに鮮やかな色はまだないのですが、数ヶ月の雪の季節がやっと終ったといふ仕合せを感じます。
幾十万年と繰り返されてきたた季節のめぐりー。
仮死してゐた自然の生命がまた動き出す、そんな、ストラヴィンスキーの《春の祭典》のやうな神々しさを最近はとても感じます。
きっと、間違いなく、小生が年をとった証左でせうがー。