やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ブレンデルのモーツァルト

2010-12-21 | 音楽を


ブレンデルのモーツァルトのピアノ協奏曲は、大半はLPで持ってゐたが、聴けず仕舞ひでした。

久々に、CDで聴いた。
26番と8番でのオリジナルな組み合はせ。
既に引退した彼の四半世紀以上も前の録音。

日本では左程爆発的な人気のなかったブレンデルですが、今、かうして聴いて見ると、意外に、とても良い。
バレンボイムほど重くなく、内田光子ほど深刻でもなく、ヘブラーほど軽くもなく、東欧の人ながら、まうすっかり忘れ去られた感のあるフランスのピアニスト・カサドシュのやうに、端正で軽妙な演奏です。

独自のカデンツァもとても面白く、そして、当時八面六臂の活躍だったマリナー指揮のアカデミーのオーケストラが素晴らしいバックをつけてゐる。

26番の演奏では、グルダがアルノンクールと競演した演奏が見事ですが、次の最後の27番が”晩秋の別れ”のやうな曲になることを考へると、ブレンデルの演奏のやうな少しの華やかさと几帳面さのある演奏も色あせないといふことなのだらうかー。