やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ホルスト・シュタイン賛!

2008-09-11 | 音楽を
(画像は、NHKの番組より)

7月の下旬、連日の突き刺さるやうな暑さの朝、朝刊でホルスト・シュタインの訃報を見た。すでに80歳を越えてゐたとのことでしたが、とてもショック、だった。

そして、数日前、NHKで一時間の彼の追悼番組がありました。
共にN響を振った演奏会から、ワグナー、ベートーヴェン、シベリウスの演奏を報じてゐました。
ワグナー指揮者ともいはれたシュタインですが、ベートーヴェンの演奏(第3交響曲の終楽章)が素晴しかった! 完全にオーケストラをドライブしてゐる姿にほれぼれとします。
シベリウスの7番は、その曲想とともに、すでに身体の齢を垣間見せる引退直前のその姿は痛々しいものでした。

シュタイン/バンベルク響の演奏が好きでした。
派手さを排し、音楽に誠実であらうといふ志が見事に音になってゐます。
そのブラームスなんて、まう、これから先、聴く事も叶はない至福の演奏です。

名盤の誉れたかい、グルダとのベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲も、いつ聴いてもその音楽の美しさにこころ打たれます。
この全集は、グルダのピアノの見事さもさることながら、間違ひなく、ヴィーン・フィルとともにバックを彩ったシュタインの職人技に尽きると思ひます。

何故この組み合はせで、モーツァルトの全集が出来なかったのだらうか?!

彼のよすがを求めて、まとめて聴いてみたいです。
そして、合掌。